to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

2007-05-23 17:41:20 | the cinema (マ・ヤ行)
原題 THE BOW
製作年度 2005年 韓国
監督:脚本 キム・ギドク
出演 チョン・ソンファン/ハン・ヨルム/ソ・ジソク/チョン・グクァン

韓国の鬼才キム・ギドクの監によるラブロマンス。

海に浮かぶ船の上で、2人きりで暮らす老人(チョン・ソンファン)と少女(ハン・ヨルム)。10年前に老人の手でどこからともなく連れて来られた少女は、17歳の誕生日に老人と結婚することになっているが、船にやって来た1人の青年(ソ・ジソク)の存在が彼らのきずなを揺るがし始める。 (シネマトゥデイ)

穏やかな広い海に浮かぶ、一隻の古びた漁船。
文明社会から隔離された世界で、日がな一日を穏やかに、のんびり過ぎる時に何の疑念も持たない二人の暮らし。
老人の鋭い目は、時に訪れる釣り客の少女への好奇心を見逃さず、弓で少女を護る。
夜になれば湯を沸かし、背中を流し、
寝入った少女の手を握って休む。
二人に会話はほとんどなく、穏やかな静かな生活に老人のヘグム(韓国二胡)の 音色が優しい。
―これは、男女の愛なのか?
親が子に与える無償の愛なのではないか―或は祖父が孫を愛でるような・・・

しかし、常識も知識も備えた青年の出現でむき出しになる老人のエゴ。
孫ほど歳の離れた青年に嫉妬し恐れ、形振り構わず、滑稽なほど荒れ狂う・・・
そして少女は――

これはうつせみを原型とした作品なのか、登場人物に名前さえなく、主人公にセリフは無いし
なにより最後の一矢の後の展開...
不変の愛?揺るぎ無い愛?

本作もまた、男性から観るか女性側からみるかで印象が大きく違うのではないだろうか
どこか韓国昔話っぽい世界の雰囲気が、画面に溢れていて、ヘグムの音色もノスタルジック
だが独特の世界観をもつこの監督作品、好みが分れるところは他の作品と同じだと思う。