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to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

結婚しようよ

2008-02-16 00:54:32 | the cinema (カ行)
       オレの夢は
       消えていない。
       それは、家族のなかに
       生きている
製作年度 2007年
上映時間 120分
監督 佐々部清
脚本 寺崎かなめ,市倉久至,佐々部清
出演 三宅裕司/真野響子/藤澤恵麻/AYAKO(中ノ森BAND)/金井勇太/中ノ森BAND/ガガガSP/岩城滉一/入江若葉/松方弘樹

フォークソング全盛の70年代に青春を謳歌した団塊世代の父親と家族の物語を
吉田拓郎の名曲の数々をバックに綴るハートフル・ホームドラマ。
監督は「半落ち」「出口のない海」「夕凪の街 桜の国」の佐々部清監督。

平凡なサラリーマンの卓(三宅裕司)の楽しみは、毎晩家族4人全員で食卓を囲むこと。ある日、彼が駅前で吉田拓郎の曲を演奏するバンドに合わせて歌を熱唱していたとき、充(金井勇太)という青年と知り合う。卓は一人暮らしだという充を夕食に招き、妻の幸子(真野響子)と長女の詩織(藤澤恵麻)、次女の歌織(AYAKO)に紹介する。(シネマトゥデイ)


不動産会社に勤めながら、夕食の時間には遅れず帰宅する夫。
何があっても家族4人揃っての夕飯。
昔だったらいざ知らず、平成の現在、何処を探しても居ないようなオヤジ。
今時あり得ないような家庭。
だって、バンド活動していても一人だけ帰らなくちゃならない大学生って、可愛そう。
門限7時っていうのと同じだし(笑)

だけど自分の作った香取家のルールに、こよなく幸せを感じ拘る卓にも
青春時代の大切な思い出があり、封印した夢があった・・・。

親にだって若い頃があり、夢を追っていた時代がある
そんな当たり前の事に気付く暇もなく成長して行く子供たち・・・
夢と引き換えにして、手に入れ守ってきたたいせつなもの―その象徴が、家族の団欒

人と人との出会い。それによって築かれ繋がれ、得たもの。無くしたもの。
その後の人生を左右する出来事にぶつかった時、
いつも全てを手にしたまま、自分の道を進めるとは限らない。
それは親であっても、子であっても、男も女もみな同じ。

平凡なサラリーマン、真面目に仕事をこなし、誠実に人と向き合い
家では自分の作ったルールを守ってくれる、優しい妻と子供たち。
それが、駅前で若者の歌う『落陽』を聞いた日から香取卓の家庭が少しずつ変り始める・・・
大人もまた、自分たちに有った青春を子供も迎えていることに思い及ばない

吉田拓郎の大ファンである佐々部清監督が、夢にまで見た全編“拓郎ソング”で綴る、
どこか懐かしい、温かで理想的な家族の物語。

長女・詩織(藤澤恵麻)とそば打ち職人を目指す青年(金井勇太)との初々しい恋の顛末。
ちょっとばかしくすぐったくなるような香取家の人々。
彼らを取巻く人たちも、皆善意の人々で、悪人は登場しない。
ルールの崩壊の危機にうろたえる卓や、そんな愛すべき父から巣立って行く娘を
応援しながらもなぜかあついものがこみ上げてくるラスト。

佐々部監督の描く平凡で幸せな家庭。つつましく幸せな人びと。
そして数々の拓郎のヒット曲
ガガガSPや中ノ森BAND の歌う拓郎のヒット曲も十分イケテます

拓郎の"つま恋”の映像には、ファンでなくてもやられます。
ここにきて、並々ならぬ監督のタクローへのエールを感じずにはいられません。
そして、全ての拓郎世代の、昔の青年たちに―
これから新しくふたりで人生の船出をしようとしている若者へ―
一緒にエールを送りたくなる1本です

子猫の涙

2008-01-29 23:37:55 | the cinema (カ行)
父の本当の強さが、いまわかった。
「腐ってもオリンピック選手」?!アホでスケベな親父と娘、家族の物語…

監督 森岡利行
脚本 森岡利行
音楽 奥野敦士
出演 武田真治/藤本七海/広末涼子/紺野まひる/山崎邦正/鈴木砂羽/唐渡亮/黒川芽以/赤井英和/喜味こいし

1968年のメキシコオリンピックでボクシング・バンタム級銅メダルに輝いた実在のボクサー、森岡栄治の栄光と挫折の人生を森岡栄治の実の甥である監督が、自身の舞台作『路地裏の優しい猫』を映画化。



日本ボクシング界、最後のメダリスト、森岡栄治。
その破天荒な、だけどツキに見放されたかのような彼の人生の断片を、
武田真治がイキイキと爽やかに演じる、心が温かくなる作品

1968年メキシコオリンピックのボクシングバンダム級で銅メダルを獲得した伝説のボクサー、森岡栄治(武田真治)。
オリンピック後、プロに転向するも網膜はく離により引退。
定職に就かない父と家計を支えるためにスナックで働く母和江(紺野まひる)の間に生まれた治子(藤本七海)は父への反発からいじめも許さない正義感の強い女の子に育つ。
そんな栄治を支えた栄治の姉(鈴木砂羽)は、弟の栄光を誇りにしていた。
あることをきっかけに栄治は、ヤクザの親分の世話になりボクシングジムの会長を務めることに。
しかし父の女遊びや破天荒な生き方に嫌気がさした和江は、子供たちを置いて家を出てしまった…。
入れ替わるように父の愛人・裕子(広末涼子)が森岡家にやってくる。治子にとっては居心地の悪い日々。
自分に降りかかる不幸はすべて父のせい、そんな治子に正面からぶつかってきたのは意外にも裕子だった。

小さい時からケンカ大好き。ナンパ大好き
母校のボクシングのコーチはやっていても、定職に就かず、夜のクラブ活動には熱心
右目の視力を失うというハンデを感じさせない夫婦喧嘩のフットワーク(笑)
どうしようもないダメ、エロ親父なんだけど、彼には愛と、屈しないこころがあった。

大阪が舞台という事で、『下妻物語』を思い浮かべたり『自虐の詩』を思い出したりしたけど
どんな辛い状況でも常に温かいツッコミで笑いをとる大阪人、の監督ならではの
爽やかで優しい作品になっている
以前偶然にみたTVの番組で、大阪の街で見知らぬ人にいきなり「バーン」とやって、そのリアクションを東京と比較していたのを見た。
先ず大阪では90%以上の人が、見事にやられたフリをしてくれる(笑)。(東京ではアブナイヒト扱い)
正にそんな大阪の心というか、笑いのテイストが基盤にあるので暗くならない

役作りとは関係なく、もともと内面の鍛錬の為にボクシングをやっていたという武田真治はもちろん凄いです!
が、女優陣も負けていません。
広末さんのキレのあるアクションに加えて、珍しい紺野まひるさんのアクションも見逃せません(笑)
子役の藤本七海ちゃんもカッコイイです

ちょっと醒めた目で父の生き方をみつめる少女を、
どこか無防備な不器用な嘗てのメダリストの生き様を、
愛情を持って描いたとても素敵な映画でした
あちこちですすり上げる男の人、そもそも、男性が多かったですが
鑑賞中よりも、ステキにこの作品に合っているRie fu の主題歌「Home」が流れ出してから
・・・じわじわと溢れるものがありました。

日本映画エンジェル大賞受賞
第20回国際東京映画祭『日本映画・ある視点』 特別賞受賞

余談ですが、成長した弟の役で松尾政寿さんがでてましたね。
カレは以前、恭子ちゃん出演のドラマで、堂本剛くんのライバルボクサーを演じてましたが、この時も赤井英和さんと一緒でした。
セリフも殆ど無く勿体ない起用だと思ったのですが、武田真治さんと顔立ちが似てる!
なるほど、年齢を別にしたらまさに親子(兄弟?)っていうくらい似てました~。


カンナさん大成功です!

2008-01-07 01:51:46 | the cinema (カ行)
鈴木由美子の同名コミックを映画化し、韓国のアカデミー賞“大鐘賞”で最多12部門ノミネートを成し遂げたラブコメディー。

監督 キム・ヨンファ
原作 鈴木由美子
脚本 キム・ヨンファ、ノー・ヘヨン
出演 チュ・ジンモ キム・アジュン ソ・ユン イム・ヒョンシク キム・ヨンゴン キム・ヒョンスク


身長169cm、体重95kgの女性歌手カンナ(キム・アジュン)は、人気歌手アミを裏で支えるゴーストシンガー。ある日、彼女は大好きなプロデューサー(チュ・ジンモ)の自分の容姿に対する本音を聞いてしまい、一念発起!全身整形で48kgの美女に大変身する。

この粗筋を読んで、まず浮かんだのが、テレ朝で鈴木紗理奈が演じた『OLヴィジュアル系』
確かこのシリーズでは指まで太った姿も(もちろん特殊メーク)披露していたと思う

世界で整形大国といわれる韓国。それは、芸能界に限ったことではないらしく、
先日観た「私の名前はキム・サムスン」の中でも、(妄想の中だったけど、笑)
中年の男性に"整形して出直せ"的なことを言われるシーンもあり
去年公開された「絶対の愛」(←未見)も整形し愛を問うストーリー。
整形に対する韓国の男女の考え方の違いなども興味深い

この韓国映画と原作では、かなり内容が違っているらしいけど、
ステキに変身したカンナさんが、何より欲しかったのは
何より大事だったのは・・・??
カンナさんが脂肪と引き換えに、得たもの、失ったものとは?

国家予算を使い、超大作を作り続けていた韓国映画界ですが、
それも無くなった今の方が、ある意味で本当に面白いものを作れる人が活躍できる環境なのかも?と
ふと思えた、韓国らしいコメディーだと思いました

この映画の成功の半分は、キム・アジュンが吹き替えナシで歌う歌にあると思いますが
慢性的作曲家不足に喘ぐ韓国音楽業界
(もうお気づきの方も多いでしょうが、私にとって映画やドラマの音楽の比重はかなりを占めます)
劇中歌、主題歌にBLONDIEMARIAを持ってきたのが大きい

                    
              (こんな時代もありました!カッコよかったです!!)

そのコンサートシーンも、演出がプロの企画だというハデハデなのも良かった

それに、オリジナル版「イルマーレ」を思い出させるこのワンちゃん↓が可愛かった~
名演技でしたよね~~、バァーーン
               

去年韓国に行った時、夜に行ってみたかったのに時間が無く断念した清渓川(チョンゲチョン)も見れたし(え?そんなのカンケーねー、ハイ)
なんだかんだ楽しめました


去年の釜山国際映画祭では、チュ・ジンモが「MARIA」を歌ったそうです!日本版EDは梨花も歌ってたけど。。
                
この角度はそうでもないけど、カレ、細川茂樹に似ているよね!

恋空

2007-11-10 23:54:58 | the cinema (カ行)
  私は今でも、空に恋しています―
監督 今井夏木
原作 美嘉
脚本 渡邉睦月
音楽 河野伸
出演 新垣結衣/三浦春馬/小出恵介/香里奈/臼田あさ美/高橋ジョージ/浅野ゆう子

著者の実体験を基に書かれたケータイ小説「恋空~切ナイ恋物語」をベースに、今井夏木監督が映画化したもの。

平凡な女子高生の美嘉(新垣結衣)は同じ高校に通うヒロ(三浦春馬)と運命的に出会い、瞬く間に恋に落ちるが、ヒロの元カノからの嫌がらせや妊娠など想像を絶する悲劇に見舞われてしまう。そのうえ、ヒロから一方的に別れを告げられた美嘉は心に大きな傷を負うが、ヒロと正反対の穏やかな優(小出恵介)と出会い、心癒されていく。(シネマトゥデイ)

原作を先に読んで、その後映画化されたものを観た人が、その映画に持ってしまう
「ちょっと違う」という 印象を初めて理解できたような、、、
でも、この作品の場合、それは悪い意味じゃなくて。
正直、評判だからといって読み始めたものの、高校生の実体験が全てじゃないだろうけど、
かなり過激な表現、場面もあって、リアルだとは思えなかった原作―。
同じ年頃の子を持つ親としてはある意味、すべてフィクションであって欲しかった。

キャストに関しても、原作の美嘉のイメージは清純な新垣結衣ちゃんとは程遠い。
でも彼女が演じる美嘉の方が、私としてはよかった。
ヒロも、もう少しワルのイメージだったので、三浦くんとは違うだろ~と観るまでは思っていたけど、
「14才の母」以来の彼はとても成長していて、素敵な"ヒロ"になっていた。

原作にあるエグいエピソードや優とのエピ、親友とのエピなど、
思い切りカットされていたので、シンプルな純愛モノになったけど、
一方で、原作のキレイなとこだけをなぞったストーリー運びに物足りなさも感じた。
主人公美嘉の心理描写をもっと丹念に描いて欲しかったところ。

それにしてもこの脚本だったら、やはり人気のある若手を起用しない限りまずムリだっただろうな、、

そういう意味でもヒロ役の三浦春馬くんは、第一の功労者かも。

                 

名前の無い黒板に書いた美嘉のメッセージに
名乗らない返事――間違いなく届いていたふたりのこころ
このシーンが原作、映画とも一番好きでした

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本当は「ブレイブワン」を観に行ったのに、時間を間違えていたみたいで
アホです。。。直ぐに観れるというのでこちらを観てきました。
女子高生を中心に、今年ワタシが観賞した映画の中でも一番年齢層が低く、
出る時はなんとなく恥ずかしかったです。
今日はオールナイトやってるってのに、実にタイミングが・・・





こわれゆく世界の中で

2007-10-30 00:44:10 | the cinema (カ行)
  人はあやまちをくりかえす
      切ないほどに求めるものがあるから

アンソニー・ミンゲラ監督の描く、愛を求めてもがく3人の男女のラブストーリー。

原題 BREAKING AND ENTERING
製作年度 2006年
製作国・地域 イギリス/アメリカ
上映時間 119分
監督 アンソニー・ミンゲラ
出演 ジュード・ロウ/ジュリエット・ビノシュ/ロビン・ライト・ペン/マーティン・フリーマン/レイ・ウィンストン/ヴェラ・ファーミガ

治安の悪いロンドンのキングス・クロスで、都市の再開発計画を進める建築家ウィル(ジュード・ロウ)。美しい恋人リヴ(ロビン・ライト・ペン)と彼女の娘ビー(ポピー・ロジャース)とともに暮らす彼は、オフィスの窃盗事件をきっかけに出会ったボスニアの未亡人アミラ(ジュリエット・ビノシュ)に心引かれ始める。 (シネマトゥデイ)

治安が悪い事を承知で進出した割りにセキュリティーが甘いオフィス。
いくらガラス張りでも、あんな位置から何の障害物もなく?とか、
出だしからちょっと突っ込みたくなりましたが、
愛しているのに充たされない、大人になっても少し青臭い男を
ジュードが繊細に演じています。

窃盗事件をきっかけに知り合うも、ウィルはその事をアミラに隠す。
そのくせ息子の部屋で盗品をチェックする。
どうも、ここら辺のウィルの行動の目的が曖昧。
娘のジムの帰りに会った時に一目惚れしたとも思えないし、再会した時に一瞬で惹かれたとも思えず、
その後の展開にこの割り切れなさがずっと尾を引いていたので、
アミラとウィルには好い印象を持てなかった。

ヨーロッパの方の結婚観はどうも私には分からないが、婚姻届より実質婚というものなのだろうか、
恋人のリヴは、娘の病気のことで自分を責め、ウィルにも引け目を感じており、素直に向かい合えない。
ロビン・ライト・ペンの容貌もあるのだろうが、この二人、「バベル」の夫婦に似ている。
傍にいるのに、心が触れ合えない、向かい合えない。
10年も夫婦同様に暮らしながら、結婚しない。けど、同居の娘には「パパ」として接しているウィル。
スタイリッシュな3人の家庭には、どこかひ弱さと虚しさが漂う。

一方のアミラの家庭は雑然としていて力強く生活臭に満ちているが、どこか崩れた感じで対象的な設定。

物語はふらふらと足げく通うウィルと、女の顔を取り戻したアミラのありきたりな
不倫メロドラマの様相を呈してくるが・・・

終盤まで、ウィルの"苦悩"する様子は描かれずクライマックスへとなだれ込んだ感じ。
ジュリエット・ビノシュがイヤになるくらいねっとりとした女を見事に演じ、
ジュードは優しさに隠れた男の中にある孤独とエゴを、
ロビン・ライト・ペンは、甘えられない女を見事に演じて
クライマックスは流石だった。
ちょっと甘いかな?と思える結末も、私的にはあれしかない気がする。
・・それにしてもこれだけ離婚が多いのだから、これからウィルのような男性は増えていくだろう。
と、いうことで、男性の方が観ると感じるところが多いかも

カサノバ

2007-10-09 23:52:24 | the cinema (カ行)
私は女性のために生まれ、つねに女性を愛し、愛されるよう務めた。
    ジャコモ・カサノバ「回想録」より

原題 CASANOVA
製作年度 2005年
上映時間 112分
監督 ラッセ・ハルストレム
出演 ヒース・レジャー/シエナ・ミラー/ジェレミー・アイアンズ/オリヴァー・プラット/レナ・オリン/オミッド・ジャリリ

数々のスキャンダルを巻き起こした伝説のプレイボーイ、カサノバが真実の愛に目覚めるまでを描いた史劇ロマン。
実在した愛の貴公子カサノバをヒース・レジャーが演じる。

あらゆる女性を、その魅力でとりこにするカサノバ(ヒース・レジャー)は、不貞や異端行為の罪で死罪を言い渡される。ヴェネチア総督のとりなしで何とか無罪放免となったものの、まもなく始まるカーニバルが終わるまでに良家の子女と結婚するよう命令される。そんな折、彼は女性の解放を唱える美女フランチェスカ(シエナ・ミラー)と出会うが……。 (シネマトゥデイ)

120近い小島。170の運河と400の橋。その下をゴンドラが行き交う、水の都ヴェネチア。
舞台となるかつてのヴェネチア共和国は、有力商人や貴族たちが自分たちで総督を選出し、王のいない自由を謳歌することができた「いとも高貴なる共和国」。
ゴンドラの中では秘めやかな愛が交わされ、
カーニバルの期間中人々は仮面をつけて仮装をし、社会的な身分を忘れて、貴族も庶民も老若男女の別もなく、仮面の下でアヴァンチュールを楽しんだという時代のお話。

生涯にベッドを共にした女性は1000人ともいわれる恋愛至上主義者カサノバを、
ラッセ・ハルストレム監督が描くと、エロさより可愛らしいカサノバになって
ラブストーリーというより冒険活劇になっていた。が
結論から言うと楽しめた

冒頭から、ひらりひらりと屋根から屋根へ、あられもない姿で逃げるカサノバ
そしてそのままフランチェスカとの出会いへと続き、無駄が無い。
刑を逃れる為の花嫁探しも軽いノリ(笑)
気になるフランチェスカへのストーカーっぷりも、あの手この手のアプローチも
真剣なんだけど~軽い!
恋敵が居ると知るやあの手この手で妨害しつつ、フランチェスカに向かいます(笑)
この恋敵もユーモラスに描かれている為、カサノバの危ない綱渡りもちょっと緊迫感に欠けるけど
フランチェスカの家族を巻き込み、ローマから差し向けられた厳しい司教も現れ、やがてカーニバルを迎える

プレイボーイだけど、幼少の頃から家庭の愛に恵まれなかったというカサノバ。
あらゆる女性を虜にする彼は、実はヴェネチアを離れたくない理由を心に秘めていた・・・
そんなカサノバを演じるヒース・レジャーが不思議に嵌っている
軽さも、誠実そうな雰囲気もあって、本当に憎めない
ジェレミー・アイアンズ、オリヴァー・プラットもいい味を出してるし、何より
皆、な~んてこのコスチュームが似合うんだろう

肩の力を抜いて気楽に楽しめるロマコメです~

仮面の男

2007-08-25 03:33:20 | the cinema (カ行)
静と動 繊細と大胆 優しさと激しさ
     2人のディカプリオの目撃者になれ

原作 アレクサンドル・デュマ「鉄仮面」
原題 THE MAN IN THE IRON MASK
製作年度 1998年
監督 ランドール・ウォレス
音楽 ニック・グレニー=スミス
出演 レオナルド・ディカプリオ/ジェレミー・アイアンズ/ジョン・マルコヴィッチ/ジェラール・ドパルデュー/ガブリエル・バーン/アンヌ・パリロー

偉大なる王、ルイ13世亡き後のフランス。
美しい顔の裏に邪悪な心をもつルイ14世(ディカプリオ)は、度重なる戦争のため
貧困に喘ぐ国民をよそに祝宴に明け暮れ、側近の言葉にも耳を貸さない。
フランスの最も有名な4人の親衛隊も伝説の人となり、ただ一人ダルタニアンだけが国王陛下の身辺警護に就いていた。
権力に酔い国民を苦しめる若き王には、知られてはならない秘密があった。
フランスを救う鍵はバスティーユ牢獄にアリ!!
ついに三銃士が国家を救うべく立ち上がる!

ルイ13世に仕えた親衛隊の面々も年をとっていたが
アラミス(ジェレミー・アイアンズ)の呼びかけに
ポルトス(ジェラール・ドパルデュー)、
アトス(ジョン・マルコヴィッチ)も集結、バスティーユ牢獄からフィリップを助け出し、
「真の王」にすべく危険な賭けに出る――

この三銃士+ダルタニアンの個性溢れる面子も凄いが、
なんといってもこの作品の華である2役を見事に演じたディカプリオは素晴しい!
タイタニックの翌年の作品になるわけだが、
とくに「仮面の男」では、初めて観るディカプリオの顔だった!
自己中心で、傲慢なルイ14世とはまるでちがう。
謙虚で優しい気質のフィリップを演じる時のピュアな美しさには惹きつけられる
自分の生い立ちも知らず、他人の手で密に育てられ、
16の時にいきなり捕らえられ、鉄の仮面をつけさせられた、孤独と怯え・・・
最愛の息子を失ったアトスとの触れ合いの中で見せる幼げな表情・・・

                 

そしてその存在さえ知らされてなかった吾が子を見つめる皇太后、その母を前に
甘える事も許されないニセの王としてのフィリップの表情は、心を鷲掴みにされる。

出演シーンは少ないが、皇太后を演じたフランス女優アンヌ・パリローも存在感があり、
ダルタニアンと共に長い秘めた想いを目だけで語り合うシーンが印象に残る。

"One for all, all for one"の斉唱が胸をあつくする、
スリリングで壮大な、愛と勇気の物語

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ハァ。。。せっかく書いた記事をまたもや一瞬で消しちゃったドジ。。。
同じ文章って、二度と書けないものね、、グスン


キサラギ

2007-08-20 23:03:02 | the cinema (カ行)
制作年度 2007年
監督 佐藤祐市
原作・脚本 古沢良太
音楽 佐藤直紀
出演 小栗旬/ユースケ・サンタマリア/小出恵介/塚地武雅 /香川照之

売れないグラビアアイドル如月ミキの死から1年、彼女のファンサイトの常連である5人の男が追悼会に集まる。家元(小栗旬)、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、スネーク(小出恵介)ら5人は、思い出話で大いに盛り上がるはずだったが、「彼女は殺された」という言葉を引き金に、事態は思わぬ展開を見せ始め……。 (シネマトゥデイ)

面白かった~
まるで舞台を見てるようでした。
もともと舞台用に作られた話だったそうですが、
ワンシチュエーション、5人の台詞だけで展開していく2時間が笑いどころ満載~

自ら命を絶ったB級アイドルの1周忌にヲタクなファン5人が集まる。
この5人がみんなイイ。
その風貌からか、卓越した演技力故か、なぜか普通の役を演じることが少ない
小栗くんと香川照之さん。
特に"イチゴ娘"のカチューシャがキモ可愛い香川さんには、やられたー(笑)

テンポも良く、5人の話がどんどん展開していき、
いろんなエピソードがパズルみたいに組み合わさっていく展開に、自然に引っ張り込まれる。
ラスト、ミキちゃんの映像をみながらの、5人のダンスシーンは楽しい~
いかにも「遅れてきたアイドル」の如月ミキちゃんのB級アイドル的な歌いっぷりに
大のおとな(ヲタクだけど)が好き好き光線だしまくりで、笑えます

どうしてもコレが観たいという友人と、豊洲まで行った甲斐がありました。
既に夕方と、夜の2回の上映だったため満席。やっと取れた席も前列2番目でしたが、
とてもいい雰囲気の中で観賞できました

ギルバート・グレイプ

2007-08-14 23:41:36 | the cinema (カ行)
原題 WHAT'S EATING GILBERT GRAPE
製作年度 1993年
監督 ラッセ・ハルストレム
出演 ジョニー・デップ/ジュリエット・ルイス/メアリー・スティーンバージェン/レオナルド・ディカプリオ/ダーレン・ケイツ/ローラ・ハリントン

アイオワ州エンドーラ。―音楽のないダンスのような退屈な町―。
生まれてから24年、この町を出たことがない青年ギルバート(ジョニー・デップ)は、知的障害を持つ弟アーニー(レオナルド・ディカプリオ)、過食症を病む250kgの母親、2人の姉妹の面倒を見る日々。
毎日を生きるだけで精一杯のギルバートの前に、ある日トレーラー・ハウスで祖母と旅を続ける少女ベッキー(ジュリエット・ルイス)が現れ、ギルバートの疲弊した心にも少しずつ変化が起こっていく……。

父親は17年前に、何も言わず自ら命を絶ち、
そのことでショックを受けた母親は17年もの間ひたすら食べ続け。。
片時も目を離せないアニーの面倒を見、
母親の食費を稼ぐ為に、時代から取り残されていく食料品店で働いているギルバート・・・。
感情を露わにする事も無く、アニーを愛し、面倒を見、
母親に気を使い、、「生きているのに死んでいるような」ギルバート・・・。

そんな彼の唯一の気休めは、配達先の夫人との密かな関係だが、これも思わぬ展開で終わりを告げる。

故障したトレーラーの部品を調達するまでの、1週間の滞在のはずだったベッキーは、
そんな心を涸らして生きているギルバートに、媚びる事無く近づき
カレに"生きること"を優しく問う
そこから始まる、抑えこんだ筈の若者らしい感情―
おそらく初めて真剣に自分の"今"を考え、悩み、
捨てられない家族を思い、アニーに向けて感情を爆発させる・・・ギルバート

淡々とした、どこか人生をあきらめている苦悩する、優しい青年を
若きジョニーが魅力的に演じている

そして名子役といわれたディカプリオは、その才能を遺憾なく発揮、
全身で難しいアニーを演じきっていて素晴しい

                  

「死んでいるような」ギルバートを優しく抱きしめる女神のようなベッキー役のジュリエット・ルイスの存在感
この三人のシーンは、どれもほのぼのとして癒される。

物語は、さらにギルバートに試練を課すが・・
悲しみの後にギルバートと、アニーに希望がみえるラストが嬉しい
観終わった後、優しい温かなもので満たされていく素晴しい作品。


キンキーブーツ

2007-08-12 03:15:45 | the cinema (カ行)
偏見を捨ててちょうだい!


原題 KINKY BOOTS
製作年度 2005年 アメリカ/イギリス
監督 ジュリアン・ジャロルド
音楽 エイドリアン・ジョンストン
出演 ジョエル・エドガートン/キウェテル・イジョフォー/サラ=ジェーン・ポッツ/ジェミマ・ルーパー

父親の突然の死により、倒産寸前の靴工場を相続した優柔不断な青年チャーリー(ジョエル・エドガートン)。工場の起死回生に頭を悩ませる彼は、偶然出会ったドラッグクイーンのローラ(キウェテル・イジョフォー)からインスピレーションを得て、ドラッグクイーン用のセクシーなブーツを新商品として開発しようと思いつく。 (シネマトゥデイ)

【kink・y】
①変態の、性的に倒錯した
②奇妙な、変わり者の

という、キンキーブーツとは例のエナメルの超ハイヒール、超セクシーな、
ドラッグクイーン御用達ブーツを指すのだそう(笑)
いや、とにかく面白かった
キウェテル・イジョフォーがこの作品でゴールデン・グローブ賞、主演男優賞(コメディ/ミュージカル部門)にノミネートされたのもうなずける怪演、快演でした
その点では優柔不断な主人公を演じたジョエル・エドガートンは、地味な役回りで好感度的にもわりを食った感があって、少し気の毒な気がする。

ストーリー自体は実話がベースなのでさほど膨らませられないサクセスストーリー。
田舎町の伝統ある靴工場、それも倒産寸前の工場をいやいや継ぐことになった田舎のおぼっちゃんと、
都会のSOHOでカリスマ的人気を誇るドラッグクイーンが、ふとした事で知り合い
ぶつかり合いながらも理解を深め、自分の弱さに立ち向かっていき、自信を取り戻していく物語。

ノーサンプトンという地方の田舎で、保守的な文化の中で育ったチャーリーと、
片やソーホーというロンドンの中心部、お洒落の発信地で君臨するローラの対比が面白い。
気が弱く、絶えずひとの目を気にする自信のないチャーリーは、父親を尊敬する工員たちの中で浮いていて―
メイクをしてドレスを着れば自信に溢れるローラも、女装しなければ引っ込み思案なオトコになじめない男。カレも世間から浮いていた―。

そんな2人が婚約者と、或は工場のみんなと、正面から向き合い
ミラノコレクションに向けて、キンキーブーツで勝負をかける

                 

このクライマックスは清々しいほどの自信に溢れたローラ率いる、クラブ"エンジェル"のミラノ出張ショー
ローラが歌う懐かしい歌の数々も素晴しく、この作品のアクセントになっていた
ふたりの迷える男の、自分探しの物語だったともいえる、素敵な作品でした

傷だらけの男たち

2007-07-27 00:41:49 | the cinema (カ行)
原題 傷城/CONFESSION OF PAIN
製作年度 2006年
製作国・地域 香港
監督 アンドリュー・ラウ/アラン・マック
脚本 フェリックス・チョン/アラン・マック
出演 トニー・レオン/金城武/スー・チー/シュー・ジンレイ/チャップマン・トー/ユエ・ホア

2003年のクリスマス、ポン(金城武)が凶悪犯を逮捕した晩に、彼の恋人は自殺を図り還らぬ人となる。3年後、酒浸りの日々を送っていたポンは、刑事を辞めて私立探偵になっていた。彼の元上司のヘイ(トニー・レオン)は富豪の一人娘スクツァン(シュー・ジンレイ)と結婚し、幸福な生活を送っていたが、ある日、義父が何者かに惨殺され……。 (シネマトゥデイ)

ストーリー自体には目新しさはなく、日本の2時間ドラマにもよくある筋書きだと思う。
「火サス」「土曜ワイド」などではおなじみの展開。
でもこれが「インファナルアフェア」のチームにかかると、
謎解きよりもスリリングな男たちの人生のドラマになる。
冒頭の車での追跡シーンなど、凝ったカメラワークが随所にでてくるので、面白い反面、
同時進行で再現シーンを入れてみたりするところなど、欺かれないように観客は緊張するので
その分、感情移入がむずかしい作品になってしまった気が・・・

「恋する惑星」から12年――トニーは現在45歳?
渋さの中にも相変わらず甘さのある表情、こういう翳りのある役がホントに似合います
覚めた怒りといったらいいのか、心の冷え切った人間の怖さみたいなものを上手く出していました
金城君もまた髪を長くしている為か、全くトシをとりませんね
スーチー演じるポップなビールガール(?)に少しづつ癒されていく傷ついた男を
チャーミングに若々しく演じていました

PG-12という事で多少緊張していたのですが、暴力シーンはやはりリアルでした

こういうダークな主人公を演じてみたかったというトニーですが、ぴったり嵌っていました。
金城君とトニー・レオンの演技に尽きる作品でしたね~

最後に、、エンドロールで流れたアユの「Secret」
たしかにアユは中華圏での人気も高いけど、、エイベックスやりすぎじゃない?
ただ、アユ効果かどうか、最後まで席を立つ人はほとんどいませんでした




空中庭園

2007-05-31 01:17:15 | the cinema (カ行)
製作年2005
監督 豊田利晃
原作 角田光代
脚本 豊田利晃
出演 小泉今日子/鈴木杏/板尾創路/勝地涼/大楠道代

何事も包み隠さず、タブーをつくらず、できるだけ全ての事を分かち合う―

絵里子(小泉今日子)の決めた京橋家のルールだった・・・
でも現実には京橋家の娘、マナ(鈴木杏)は学校をさぼり気味で
弟・コウ(広田雅裕)も学校に行ってない様子。
そして父・貴史(板尾創路)は浮気に忙しく、
絵里子自身は、母・さと子(大楠道代)との関係に悩んでいた。

冒頭、カメラが揺れて京橋家の空や、鬱蒼と茂る絵里子の植物、京橋家の食卓をゆれるままに映し出していく。
朝からテンション高く、不自然な笑顔、会話・・・画面のゆれは仮面家族の不安定さを予感させる。
ゆれるランプシェードに描かれていたバビロンの空中庭園は、絵里子の思い描く幸せの象徴なのか、
そびえ立つマンションのベランダに所狭しと繰り広げられるガーデニング。
そして誰にも笑顔で武装してパートに家事にあけくれる。
絵里子は幼いころ、自分は要らない子だったという愛情不足を感じていてそれが彼女のトラウマとなっていた。

ある日マナがコンビニの雑誌を立ち読みしていた母をみつけ、イタズラ心で声色を使って声をかけて振り返った母の凄みのある目つき
初めて母の中のタブーにふれた瞬間だったろう。。にしても怖かった。

朝食の時の話題にでてきたラブホ『野猿』は、その日の母の言葉をきっかけに
子供や、夫が様々にヒミツを作る場となってしまう。
このホテルでふとした事からコウの目前で繰り広げられる、祖母とミーナ(ソニン)のバトルは、可笑しくて小気味好い!
所々にユーモアも感じさせながら、祖母やミーナも巻き込んで開かれるお誕生会。
仮面・仲良し家族の秘密は次々に露呈して・・・

いつも同じ笑顔という不自然さを突いてくる同僚への電話でのやりとり、
初めて正直に向かい合う母への言葉――キョン2、凄いデス
笑顔の仮面を脱ぎ捨てた絵里子を、静かにキレていく女を見事に演じてました

フラッシュバックで甦る昔のシーンが、微妙に違ってくるクライマックスも、
母親役の大楠道代がとてもいい味をだしていて、この作品を引き締めていたように見える

雨の夜、同じバスに乗り合わせた3人のシーンが結構いい・・・
原作とずい分違うというラストもくしゃくしゃの笑顔がみれて、なんだか救われた
・・・なんだろ、、怖い、優しい、不思議なテイストの映画でした

きみに読む物語

2007-04-11 00:38:19 | the cinema (カ行)
原題 THE NOTEBOOK
製作年度 2004年 アメリカ
監督 ニック・カサヴェテス
原作 ニコラス・スパークス
音楽 アーロン・ジグマン
出演 ライアン・ゴズリング/レイチェル・マクアダムス/ジーナ・ローランズ/ジェームズ・ガーナー/ジョーン・アレン/ジェームズ・マースデン

記憶を無くした老婦人に、本を読み聞かせる為に施設に通う同年輩の男性。
彼の読む物語は、まだまだ身分違いの恋が許されない'40年代に出会い、運命に翻弄される、財産家の娘と貧しい青年のきらめくような恋の物語。

’40年代、家族とひと夏を過ごすためにノース・カロライナにやって来た良家の子女アリー(レイチェル・マクアダムス)と、地元の材木屋で働く青年ノア(ライアン・ゴズリング)は、ノアの一目惚れの猛アタックの末激しい恋におちる。
身分違いの青年との恋をあきらめさせようと、アリーの両親は急遽チャールストンの大学へ入学させてしまう。
ケンカ別れになったまま、ノアは365通の手紙の返事ももらえないまま1年後第二次世界大戦へ・・・

湖畔の白い療養所。
そこで愛する人に忘れ去られたデュークの寂しさと、執念に心をうたれる。
自身の記憶が無いことから、他人に対するおびえがありながらも、その悲しい恋に惹きこまれ聞き入るアリーが悲しい・・・

7年の長い空白のあと、再会したアリーを連れてボートで出かけた白鳥のオアシス。
そこで「もう旅立つころだ」と、渡り鳥の帰るときを告げる若き日のノアも切ない。
10代の二人の他愛も無い夢物語を心の支えに、やっと生きてきたノア。
そしてその夢のカタチを実現させた――その白い湖畔の家。
せめて、その家がどういう経緯で療養所になったのかの説明が欲しかったところ・・。

この作品では終始、一途なノア側に立って観ていたような、私としては珍しい現象だった。

出会って間もない二人が、夜の街でダンスをする時の曲が"I'll BE SEEING YOU"
ラスト近く、奇跡を信じながらノアがもう一度口にする・・・

ハァ・・・羨ましい程の物語でした


50回目のファーストキス

2007-03-25 00:35:21 | the cinema (カ行)
製作 2004年 アメリカ
監督 ピーター・シーガル
出演 アダム・サンドラー/ドリュー・バリモア/ロブ・シュナイダー/ショーン・アスティン


ハワイの観光客相手にナンパする気楽なプレイボーイが、ふと立ち寄ったカフェで知り合ったブロンド娘に一目ぼれ。
せっせとアタックし、意気投合。翌日の約束を取り付ける。
ところがたった一晩で彼女の態度は急変彼のことも何も覚えていない。
1年前の事故で脳を損傷し、記憶障害を起こしている為、前日のことは毎日忘れてしまうのだと聞く。

この“前向健忘”と呼ばれる記憶障害を抱える女性ルーシーをドリュー・バリモアが、彼女のハートを掴むために毎日ゼロからのアタックを繰り返す陽気な獣医をアダム・サンドラーが演じる。

記憶が残らない”という本人にとっては深刻な問題だが、
家族のやさしさ、恋する男のひた向きさをコミカルに描き重くならない。

どたばたの前半部分は、このまま行っちゃうとツライと思っていたが、
ポジティブなプレイボーイの毎日の「初めまして」攻撃は素直に可笑しかったし
水族館の関係者を巻き込んでのナンパが笑える。
毎日くり返される「ファーストキス」にも次第に胸が熱くなって、
気がついたら・・
このラストは凄い凄すぎるよ

若年性アルツハイマーとはまた別の記憶障害。
毎日忘れられるのは切ない。
毎日、昨日を覚えていない本人も悲しい。
だけどこんな風に明るくタフに、生きていけたら素晴しい!そう思わせる素敵なラストシーンでした
そして、音楽も私的には懐かしい曲がいっぱいで楽しめました。

この胸いっぱいの愛を

2007-03-04 00:09:54 | the cinema (カ行)
DVDで

もしも、過去にタイムスリップし、ひとつだけやり直すことができるのなら、愛する人を救えるかもしれない……
『黄泉がえり』の原作者、梶尾真治の中編小説「クロノス・ジョウンターの伝説」を基に、塩田明彦らが脚色した2005年のファンタジー・ドラマ

出演:伊藤英明/ミムラ/勝地涼/宮藤官九郎/吉行和子/愛川欽也

故郷である門司に向かった主人公・鈴谷比呂志(伊藤英明)は、かつて自分が住んでいた20年前の北九州・門司にタイムスリップしていることに気づく。
そして彼は、難病にかかり手術を拒否してこの世を去った、大好きだった“和美姉ちゃん”(ミムラ)に再会。和美を救えなかったという思いは、比呂志の胸の中にずっとひっかかっていた。
目の前にいる20年前の自分“ヒロ”(富岡涼)は、これから和美の身に起こる悲しい出来事を知らない。現在の自分と過去の自分の狭間で葛藤しながら、かつての自分が叶えられなかった願いを果たそうと・・・
そして、同じようにこの時代に思いを残した3人の人々。20年前の1986年を舞台に、彼らの思いが呼び寄せる物語が展開し、その過程で、なぜ比呂志たちはタイムスリップしたのか-予想外の事情が明らかになってゆく。

『黄泉がえり』は音楽に惹かれて観に行きましたが、そんなに感動ーというほどでもなかったので、実はこの作品も期待してませんでした。
がっ私はこの作品のほうが良かったです。
一見地味なキャストながら、4人のエピソードも上手くからめてあり、
それぞれの心情も解かりやすく語られていて切ない思いに共感できる。

日頃は私が薦める映画や本などには興味を示さないが、めずらしく一緒に観賞しました
ヒロを演じた富岡涼くん「こんなに上手かったなんて・・」と驚き、「勝地涼はカッコイイ」と絶賛しつつ
ラスト近くではうるうるしていたよう・・

『バックトゥザフューチャー』『ジュブナイル』『リターナー』でも、過去に帰ってきた未来の自分に出会ったことを覚えてるシーンがあるけど、ヒロは覚えてないのかな~?
というのが一番気になっていたようです。
そうでした。この3つとも一緒に観たのでした。ありましたねぇ、3つとも!!
この作品の場合、”和美姉ちゃん”(ミムラ)が20年前に出会ったのが彼だと記憶していました。
そして聞こえる彼の声・・・
ここで終っても良いと思いましたが。。。

だれにでもある後悔の念。できなかった思い。4人は2週間で大切な忘れ物を取り戻した様にみえ
温かい気持ちになれました
全編に流れる音楽が素敵な選曲だと思ったら、やっぱり大好きな千住明さんの担当でした~
スケールがでかいほうが大きい感動を呼ぶとはかぎらないと思えた作品でした....