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to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

ウォーロード/男たちの誓い

2009-05-12 22:08:10 | the cinema (ア行)
我ら天に誓う
共に生きんとするより、共に死なんとす

原題 THE WARLORDS/投名状
製作年度 2008年
製作国・地域 中国/香港
上映時間 113分
監督 ピーター・チャン
音楽 ピーター・カム 、チャン・クォンウィン
出演 ジェット・リー/アンディ・ラウ/金城武/シュー・ジンレイ/グオ・シャオドン

香港や台湾の映画賞を総なめにした歴史アクション・ドラマ。
清朝末期、太平天国の乱での実話を基に、男たちの友情と裏切りをダイナミックに描く。監督は『ラヴソング』のピーター・チャン。
19世紀末期。清朝軍の将軍だったパンは自分の部隊を全滅に追いやられ、失意の中で荒野を彷徨う。そんな時、謎の女リィエンと出会い、心癒やされる。しかし、翌朝すでにリィエンの姿はなく、その後パンは、盗賊団のリーダー、アルフと彼を兄のように慕う男ウーヤンと遭遇する。彼はそこで、あのリィエンと再会する。彼女はアルフの妻だった。そんな中、盗賊団の過酷な境遇を目の当たりにしたパンは、生き抜くためには軍隊として朝廷に仕えることが最善と訴え、アルフに受け入れられる。こうしてパン、アルフ、ウーヤンは義兄弟の契り“投名状”を交わし、運命を共にすると固く誓い合うが…。
原題となっている「投名状」とは、水滸伝に由来する、戦乱の中国での忠誠を誓う証のこと。

2007年中国興行収入ナンバー1を記録。香港アカデミー賞8部門独占、台湾アカデミー賞3部門受賞。ジェット・リー、アンディ・ラウ、金城武の3大スター夢の競演で話題の(といっても、殆どCMを観なかったが)作品、観てきました~♪

舞台はアヘン戦争で腐敗した19世紀清朝末期、太平天国の乱が勃発した中国。
清朝末期の四大怪奇事件の一つとされている、両江総督・馬新貽の暗殺事件を元に
ピーター・チャン監督が、
ジェット・リー演じるパン(馬新貽。ほとんどの役名が変えられている)が暗殺されるまでの
3人の義兄弟の絆と宿命、裏切りと悲哀を描いている歴史ドラマ。

1870年4月18日に起きた両江総督・馬新胎の暗殺事件がベースで、
この暗殺の実行犯はすぐに逮捕されるが、その後も殺害の動機を一切語らず死刑となってしまった為、
実際には謎に包まれたままで、清朝末期四大怪事件として有名な話。
ジョン・ウー監督の『男たちの挽歌』も、元をただせばこの事件を基にした「ブラッド・ブラザーズ」に影響を受けて世に出した作品といわれている。
それをピーター・チャン監督が、登場人物の名を変え、独自の解釈とキャストの肉付けをして、
壮大な男のドラマを描いているが、
このキャスト3人を揃えておいて、アクションに期待するなというのが無理!

投名状を交わした男たちの心に去来する、或いは根ざす、様々な葛藤。
それは嫉妬からくるものか、根本的に求めるもの、見つめるものが違うのか・・・という部分も確かに見所でした。
  聡明で野心もあるパン。彼の欲しいもの―それは?
  粗野だが、儀に厚いアルフ。彼が捨てられなかったもの―
  純粋で前向きなウーヤン。彼が大事にしたもの―!!
彼らの演技、アクションは素晴しいです

華やかなレッドクリフの後だけに、地味に見えるけれど、個々の演技はコチラのほうが素晴しい。
が、
素人の私が観ても、ここはカットされたのだろう的な部分が多々アリ、大幅カットされたインターナショナル版の編集が残念。
実際には10分以上も本国版や、香港版に比べるとカットされているようです。

まあ、一番解り難かったリィエンがなぜアルフを嫌い・・・という部分は、
あの少ないセリフで解れよってことらしいですが、
ウーヤンの部分はかなりカットされたエピもあったようで、それはなぜ?な部分でした。

金城ファン、アンディファンは必見ですよ~!
アクション、演技ともに凄いですから

出演シーンは短かったけど、蘇州城主・ホアン役のグオ・シャオドン、素敵でした♪
アンディと彼のシーンがとても印象的でした・・・。

ある公爵夫人の生涯

2009-04-16 00:42:50 | the cinema (ア行)
原題 THE DUCHESS
製作年度 2008年
製作国・地域 イギリス/イタリア/フランス
上映時間 110分
原作 アマンダ・フォアマン
脚本 ソウル・ディブ/ジェフリー・ハッチャー/アナス・トーマス・イェンセン
監督 ソウル・ディブ
音楽 レイチェル・ポートマン
出演 キーラ・ナイトレイ レイフ・ファインズ/シャーロット・ランプリング/ドミニク・クーパー/ヘイリー・アトウェル/サイモン・マクバーニー/エイダン・マクアードル

イギリスの元王太子妃ダイアナの生家としても知られるスペンサー家。18世紀後半にその名門貴族に生まれ、17歳でデヴォンジャー公爵夫人となった実在の女性、ジョージアナの華やかにしてスキャンダラスな結婚生活を描いた歴史ドラマ。
18世紀後半のイギリス。スペンサー家の令嬢ジョージアナは、世界有数の名門貴族であるデヴォンジャー公爵との結婚が決まる。美しく聡明なジョージアナはたちまちロンドン中の注目の的に。ところが結婚してすぐに、彼女はデヴォンジャー公爵が男子の後継者をもうけることにしか興味がなく、自分をまるで愛していないという現実を突きつけられる。社交界の華として人々の羨望を集めながらも孤独が募るジョージアナ。そんな時、彼女はエリザベスと出会い、友情を築くことで大きな心の慰めを得るのだったが…。

裕福でありながら、愛だけは得られない生活に、他に愛を求めた公爵夫人と、
世継ぎの男子を得るために「夫の務め」を果たすだけならまだしも、その財産と立場に物言わせ手当たり次第に子を孕ませる愛無き夫。

この時代に社交界の華となり、ギャンブルも好きだったと言うジョージアナは、同時代のマリー・アントワネットと比較されるほどのギャンブル好きだったらしいが
そこも史実に忠実に描かれ、彼女のギャンブルに嵩じる姿を映し出している。

16や17で2度ほどしかあったことも無い公爵と嬉々として結婚することも、この時代では普通であったろうし、
娘を産んで、夫に愛を求めて得られず、男の子は何度も流産し―
やっと見つけた親友も寝取られた挙句、居座られ―
離婚を切り出せば、子供を人質にとられ、阻まれる。。。

やっと辿り着いた愛する人も、お互い様でありながら男の沽券を振りかざし、女の身で不倫を公認は応じてもらえず、
また、ここにきていきなり愛に目覚めたのか、彼女の勇気ある決断も生かされない。


彼女の人生に良くも悪くも、大きく影響するレディ・エリザベス・フォスターの背景がイマイチしっくりこない語られ方ではあるけれど、
この女性も自分なりに、母として逞しくこうあらねば生きて来れなかったのだろうという気もする。
あの密会の手助けはフィクション部分かも知れないけれど、
最後の、数年後の子供たちの人数と、性別が気になったので調べてみたら
エリザベスは公爵との間にも実際男の子と女の子をもうけている、、

連れてきた子供だけならまだしも、夫とこの子供と長年同居してきたと言うことなのだろう・・・
そんな今では考えられない貴族の生活。
子供の為に、夫の手を握り返した、その決断にやはり聡明な女性であったことを感じるシーンだった。

キーラは、このところこういう時代物が多いような気がするが、コスチュームものが似合う上、
プライドの高い悲劇の公爵夫人がやはり嵌ってた
彼女の恋の相手が「マンマミーヤ」の新郎だとは、ずっと気がつかなかったし、ちょっと地味な印象。
エリザベス役のヘイリー・アトウェルの顔が、ずっと伊藤淳史にみえて困ったのはナイショ
久しぶりのレイフ・ファインズと、大好きなシャーロット・ランプリング、今回は残念な役どころではあったけど、
二人のシーンはやはりピシッと引き締まって良かった

今でいう時代のファッションリーダーでもあった、実際のジョージアナも、美しいがどこか悲しげに見える。

やたらデヴォンジャー公爵が口にする「男の務め」「女の務め」は、時代が変わって、国を違えても今も双方のストレスの元になっていることも多い。
耐える女の強さ、美しさも感じる作品でした

イエスマン \

2009-04-05 00:59:40 | the cinema (ア行)
それは、今まで
誰も気づかなかった
幸せになる方法


原題 YES MAN
製作年度 2008年
上映時間 104分
原作 ダニー・ウォレス
監督 ペイトン・リード
音楽 ライル・ワークマン マーク・オリヴァー・エヴァレット
出演 ジム・キャリー/ズーイー・デシャネル/ブラッドレイ・クーパー/ジョン・マイケル・ヒギンズ/テレンス・スタンプ/リス・ダービー/ダニー・マスターソン

原作は番組プロデューサーや司会者などマルチに活躍するイギリス人ダニー・ウォレスが実際に全てに“イエス”と答え続けた6ヵ月間に渡る実践を綴ったベストセラー体験記。
仕事でもプライベートでも「ノー」を連発し、親友の婚約パーティーまですっぽかしてしまう後ろ向き男カール(ジム・キャリー)。生き方を変えようと決心した彼は、いつどんなときも「イエス」と言うルールを自分に課す。その結果、偶然知り合ったアリソン(ゾーイー・デシャネル)から好意を持たれるなど、運気を上げていくカールだったが……。(シネマトゥデイ)

コチラは先週ぽっかり暇になった時、丁度時間がぴったりで観ることが出来ました♪
久しぶりのジム・キャリー。
お相手は、お気に入りの『テラビシアにかける橋』にも出ていたズーイー・デシャネル。
何気にいつもジムキャリーのお相手は超~キュートな女優さんが多い!
怪しい自己啓発セミナーのテレンス・スタンプは、昨年製作のもので4本出演、コレがその4本目。
全部観たことになるな~(笑)強面でキョーレツで可笑しい♪
監督は「チアーズ!」「恋は邪魔者」のペイトン・リード♪

―もしも、全てに"YES"と答えたら。―
なんだかウソ発見器の逆ですよね?(笑)
でも、これは実行しなければならないとなると、私だったら胃潰瘍になるかも~(笑)

離婚以来、私生活では友人の誘いから逃げ続け、
仕事ではローンの申請書に来る日も来る日も『却下』のスタンプを押し続け、
全てに"NO"の後ろ向きな男・カール。
それでも持つべきものは友人で、引きこもりがちなカールに結構普通のトモダチが、
ちょっと普通じゃないトモダチも(笑)後ろ向き男を心配して、色んなところに引っ張り出します。

で、"NO"といい続けた男、"NO"しか言わなかった男が、ある日を境に"YES"を乱発!ってか
何かを判断をする時に"YES"しか言わないでいたら・・・!!!

確かに、普通に話をしていても、否定から入られるより、
うんうん、で聞いてもらった方が、人間関係もいいってもんだけど、
ちょっとふられて"YES"って言ったが為に辿る苦難の道
でも、いい続けるうちに劇的変化!
恋も仕事も順調か~~って時に、どうしてもあわわの事案===

覇気の無い男から、大変身、いつものジム・キャリーに戻って顔芸もみせてくれます。
コネタもあるし、いつものように下ネタも(笑)
大爆笑はないけど、普通に楽しめました~。

作りとしては「もしも昨日が選べたら」に似てるけど、ラストのインパクトはこちらが弱いかな。
個人的に、エンドロールの時のレースが一番冷汗ものだった~~

いつか晴れた日に

2009-03-20 14:04:31 | the cinema (ア行)
SENSE AND SENSIBILITY
上映時間 136分
製作国 イギリス/アメリカ
初公開年月 1996/06/
原作 ジェーン・オースティン
脚本 エマ・トンプソン
監督 アン・リー
出演 エマ・トンプソン/アラン・リックマン/ケイト・ウィンスレット/ヒュー・グラント/グレッグ・ワイズ/エミリー・フランソワ/トム・ウィルキンソン

英国の女性作家ジェーン・オースティンの1811年の小説『分別と多感』をもとにE・トンプソンが脚色し、第68回アカデミー賞脚色賞にノミネートされた恋愛ドラマ。
19世紀初頭。イングランド南東部のサセックス州にある私園“ノーランド・パーク”を構えるダッシュウッド家の主ヘンリーを失った彼の妻と3人の娘。法律の定めるところにより私園を含め財産は先妻の息子ジョンに相続されるのを心配したヘンリーは、死の床でジョンに妻と娘の世話を頼んでいたが、ジョンの妻の反対にあいその約束は反故にされてしまう。彼女たちは悲しみにひたる間もなく、早速新しい家を探し始めるが……。 

ジェイン・オースティンの読書会」をご覧になった方は、観賞後多くの方がオースティン作品について語られ、或は興味を持たれたあの6作品中の一本。
あの作品中では最も若い、独身女性(でも男に興味なし)アレグラが担当した、
分別と多感』の映画版です~。
(つい最近、またUKでドラマになるという記事を観たような気が、、、)

19世紀初頭のイングランドの法律によって、それまで何不自由のない生活を送っていた母と3人の娘が、
父の死後は屋敷も追われ、爪に火を燈すような極貧生活に・・・

父の死後先妻の子ジョンとともにダッシュウッド家に乗り込んできた、彼女等の義兄のイジワルな妻・ファニー(ハリエット・ウォルター )の仕打ちに屋敷に留まれなくなる一家は、
従兄のジョン・ミドルトン卿の小さな別荘バートン・コテージに引っ越す事になる。
ファニーには気の弱い弟・弟エドワード・フェラース(ヒュー・グラント)がいて、屋敷を訪ねた折、
分別ある長女エリノア(エマ・トンプソン)と心惹かれあうが・・・

一方次女のマリアンヌ(ケイト・ウィンスレット)には引越し早々、
ジョン卿の親友で隣人のブランドン大佐(アラン・リックマン)が来訪、マリアンヌに一目惚れされるが、
彼女が一目で恋におちたのはジョン・ウィロビー(グレッグ・ワイズ)という白馬の王子だった・・・・

ここで繰り広げられる姉妹を翻弄する優しいけど優柔不断な男や、
その場しのぎの愛情で、責任を取れない男―。
時代は変われど、たった一人の自分のつがいを求める姉妹のひたむきな姿を
様々な人間模様を交え、優しく描いていく。

内容は「プライドと偏見」に「若草物語」を足したような(笑)
さほど人物も入り組んでいないし、ドラマ性もあって一気に観れた。
この頃からヒューさまったらこんなカンジだったのね~とか、
ケイト・ウィンスレットもやはり大人顔だったとか感じながら
やはりここで一番はアラン・リックマン!
相変わらず濃いけど、抑えた演技でその濃さをカバー(?)少しミステリアスな隣人を好演

何もかも無くして傷つき、もうだめだという時でも
支えてくれる誰かがいて、
心の傷が癒えた時、
荒地に双葉が芽吹くように、、、昨日と違う今日、
いつか霧が晴れるように、大切な真実がみえてくる....


常識的で我慢強く、いかにも長女タイプのエリノア。
情熱的で行動的なマリアンヌは、意外と打たれ弱いかも。
さて、この姉妹のうち、あなたはどちらのタイプの女性でしょうか?

イースタン・プロミス

2009-01-22 00:24:19 | the cinema (ア行)
ここでしか、生きられない。
製作国 イギリス/カナダ/アメリカ
上映時間 100分
脚本 スティーヴ・ナイト
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
出演 ヴィゴ・モーテンセン/ナオミ・ワッツ/ヴァンサン・カッセル/アーミン・ミューラー=スタール/イエジー・スコリモフスキー

「ヒストリー・オブ・バイオレンス」のデヴィッド・クローネンバーグ監督とヴィゴ・モーテンセンが再びコンビを組んだ戦慄のバイオレンス・サスペンス。
クリスマスを控えたイギリス、ロンドン。助産婦のアンナが働く病院に、10代の幼い妊婦が運び込まれる。少女は、女の子を産んだ直後、息を引き取った。少女のバッグからロシア語で書かれた日記を見つけ出したアンナは、孤児となった赤ちゃんのためにと少女の身元を調べ始める。ロシア語の分からないアンナは、挿まれていたカードを頼りにロシア料理の店を訪ねる。そしてその店の前で、運転手だという謎めいた男、ニコライと出会うアンナだったが…。allcinema ONLINEより

マフィアの実態を描いたもの。主演のヴィゴ・モーテンセンが、色っぽいらしい(笑)
というぐらいの知識で観始めたら、これが初っ端から凄かった!
公開時に予感がしてパスしたのに、DVDでも目を背けたくなるシーンがぁ~

タイトルの「イースタン・プロミス」(東の約束)とは、英国における東欧組織による人身売買契約のことだそうで、
ロンドンの裏社会で暗躍する"法の泥棒"というロシアの組織のファミリー、
その組織の謎めいた運転手。
親切心から、孤児となった赤ん坊の身内を捜す助産婦が図らずも組織と絡んで起きる事件を追う、
男くさい作品でした。

マフィアものといえば「ゴッド・ファーザー」「インファナル・アフェア」「ディパーテッド」などが印象に残っているけど、
ロシアン・マフィアを描いた作品は初めてかも。
とつとつとした女性のナレーションが、繰り返し入るのですが、とても物悲しく
この男くさい作品に東欧諸国の貧しい女性の嘆きとなって、哀愁を与えています。

幼い少女の残した日記を、助産婦のアンナ(ナオミ・ワッツ)が手に入れて、訪れた先が悪の巣窟で・・
もう、ある程度先が読める展開でも心臓バクバク。
彼女が無謀に詰め寄るシーンは、「闇の子供たち」の宮崎あおいちゃんを思い出し、
思わず「バカ!」と言ってしまいました

主演のヴィゴ・モーテンセンの冷徹で、ミステリアスなニコライも予想通りでしたが、
その予想は、多分に願いのこもったものでしたが(笑)
ニヒルな容貌に、女性に対する優しさが不思議に似合っていて素敵でした。

強い父にコンプレックスを隠せない、キリル役のヴァンサン・カッセルも、
イカレた小心者の虚勢を張った男を熱演、凄まじかったです!

何度かクローズアップされるニコライの指のタトゥーは、サンクト・ペテルブルグの十字架で、
その刑務所に入っていた証しなのだそう。
日本でも昔、流人には腕に刺青を彫っていた習慣があったように、
ロシアでも犯罪者に刑務所内で彫られることが多かったというのがびっくり。しかも指だし

ロンドンの裏社会を舞台にした息苦しさ、怖さはありますが、
メリハリの効いたバイオレンス・サスペンス、
ラストについてはネタバレでニコライの本心について話してみたくなりますね

WALL・E/ウォーリー

2009-01-10 00:41:18 | the cinema (ア行)
それは、700年の孤独が生んだ《奇跡》
製作年度 2008年
上映時間 103分
声の出演 ベン・バート/エリサ・ナイト/ジェフ・ガーリン/フレッド・ウィラード/シガーニー・ウィーヴァー

西暦2700年の荒廃した地球と広大な宇宙を舞台に、独りぼっちで地球に残された“地球型ゴミ処理ロボット”WALL・E(ウォーリー)の恋と冒険を描くディズニー/ピクサー製作のファンタジーアニメ。
暦2700年の地球。宇宙に逃れた人間が残したゴミを、700年もの間片付け続ける“地球型ゴミ処理型ロボット”WALL・E(ウォーリー)。ある日、地球にイヴという名のピカピカのロボットが現れた。ずっと孤独だったウォーリーはイヴに恋をするが、イヴが宇宙船にさらわれてしまい……。(シネマトゥデイ)

昨年後半の私的超~目玉作品でしたが、年を越してやっと観ることができました。
でも・・・字幕版に時間が合わず、「これきっとあまりセリフないんじゃん?」と
軽い気持ちで「吹き替え版」のチケットを、、、
ぃや~~、冬休みでした(爆)忘れてました!
もぞもぞ動くたくさんのちびっこに挟まれての観賞でしたー

ストーリーは何度も劇場予告を観て予想の範疇でした。
でも、その動き、色使いは流石にディズニー・ピクサー
いじらしく健気なウォーリーに胸を熱くしてきました!
カレが恋してしまうイヴちゃんは、恐ろしく戦闘能力があってハラハラなんだけど、
彼女には何度も笑わせてもらった!ツボにはまりました!

 イヴの目が、目が~可愛いー

巨大宇宙船の中で、何にもしないでただ生かされてる個性のない集団と化した人類。
700年、ただ生かされていたことに何の不安も抱かず働かず、
文明の中にどっぷりの、無個性の集団は
チャリチョコ」を思い出しました。
そしてただ一人地球で働くウォーリーは「天空のラピュタ」の番人だったロボットを思い出しました。
そういえば、顔もどことなく似てました。

ウォーリーのコレクションの中には、
劇場の中にいたたくさんのちびっ子にもお馴染みの物もあったはず。
親は外で待ってて、子供たちだけで観ていた小学校低学年の少年グループ。
私の前にいた幼稚園生の大集団。(この子達はとっても集中してました!)
これからの世代のこの幼い子供たちに、この作品のメッセージは届いてくれたでしょうか
忘れないでいてくれるでしょうか
大人にとっても、日々の反省をもって見るべきところのある、
ウォーリーの姿であり、地球の姿。
そして救われるイヴの活躍でした


永遠のこどもたち

2008-12-30 17:29:44 | the cinema (ア行)
愛を信じたら、本物の光が見える。
原題 EL ORFANATO/THE ORPHANAGE
製作国・地域 スペイン/メキシコ
製作年度 2007年
上映時間 108分
監督 J・A・バヨナ
音楽 フェルナンド・ベラスケス
出演 ベレン・ルエダ/フェルナンド・カヨ/ロジェール・プリンセプ/ジェラルディン・チャップリン/マベル・リベラ

『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロをプロデューサーに迎え製作されたスペイン発のホラー映画。
孤児院で育ったラウラ(ベレン・ルエダ)は、長らく閉鎖されていたその孤児院を買い取り、障害を持つ子どもたちのホームとして再建しようと夫のカルロス(フェルナンド・カヨ)、息子のシモン(ロジェール・プリンセプ)とともに移り住んでいた。だが、シモンは遊び相手のいない寂しさから空想上の友だちを作って遊ぶようになり、その姿にラウラは不安を覚える。そして入園希望者を集めたパーティーの日、シモンはこつ然と姿を消してしまい……。(シネマトゥデイ)

かなり前になるけど、一度だけ観た予告が怖そうで、
またも私の中のセコムが警報を鳴らしたの(笑)で、気になりつつもパスする予定だったのですが
我想―個人映画美的女人blogのmigさんが、ホラー苦手の方にもと、オススメしてらっしゃったので行ってきました!
結論から言うと、とっても良かったです~

怖いし、やっぱり「ホラー」なんでしょうが、
私にはホラー的怖さには感じられず、サスペンスフルなドキドキ感のほうが上回ってました。

いかにもな古い洋館といい、光の効果的な使い方などにも
ちょっと「パンズ・ラビリンス」を彷彿とさせる雰囲気があるけど、
あのような痛いシーン(拷問トカ縫い針など)はなく、そこが苦手だった私にはセーフでした。

内容も、忽然と消えたわが子を案じ、狂気のように捜し求める夫婦の葛藤が描かれ、
手がかりを求めるうちに行き会う人たちや、
不思議な現象を通して、混乱しながらも立ち向かうラウラの姿を、
ただ祈りとともに見守っていました。

母というもの。その子育ての日常に起きるささいな行き違い。
親なら誰にも覚えのあるその時の優先順位―ああ、しかし、時は巻き戻せない....



そして悲運というよりも、宿命というのでしょうか、
人それぞれに神から与えられた”命題”というようなものも感じる物語でした。
ラウラが辿り着く真実――それは神が彼女に望んだことなのでしょうか。

シモンのつぶやいた「大人にならないんじゃない。・・・なれないんだ」が最後思い出され、
そして・・嬉しそうなカルロスの表情にも胸が詰まります。
このラストもまたギレルモ・デル・トロらしいですね。
とっても良かったです~

青い鳥

2008-12-19 23:13:41 | the cinema (ア行)
製作年度 2008年
上映時間 105分
原作 重松清
脚本 飯田健三郎/長谷川康夫
監督 中西健二
音楽 まきちゃんぐ
出演 阿部寛/本郷奏多/伊藤歩/井上肇/太賀

重松清の同名短編を阿部寛主演で映画化したヒューマン・ドラマ。いじめ問題が深刻化した中学校に現われた吃音の臨時教師・村内先生が、心に傷を負った生徒たちと真正面からぶつかり合う姿を描く。共演は「テニスの王子様」「シルク」の本郷奏多。監督はこれがデビューの中西健二。
新学期、東ヶ丘中学2年1組には休職した担任に代わり、臨時教師の村内先生が着任した。前の学期、男子生徒の野口がいじめが原因で自・殺未遂へと追い込まれ、転校を余儀なくされていた。マスコミにも騒がれ、学校側は生徒指導の強化などにより、生徒たちの反省と改心が進んだとして事態の沈静化を図っていた。そんなクラスにやって来た村内先生は、極度の吃音だったが、着任早々言葉少なに発せられたひと言は“忘れるなんて、ひきょうだな”という意外なもの。そして、日直に命じて転校した野口の机を教室に戻させ、その机に向かって“野口君、おはよう”と語りかけるのだった。だれもが野口のことを忘れようとする中、村内先生の挑発的ともとれる行動は、生徒ばかりか教師や保護者たちにも大きな波紋を投げかける。

先月から公開されていたのに、丁度忙しくなってきてしまって、
先日ようやく見ることが出来ました。
原作は未読ですが、奇をてらわない演出で学校の今と過去の過ちをみつめるいい作品でした。

「イジメているつもりはなかった。だってアイツ笑っていたじゃん」という少年。
黙って傍観者だったクラスメイトたち。
一度だけイジメる側にまわった少年・・・

中学2年といえば、身体も心も、
少しづつ子供時代にさよならを告げ、大人になっていく自分に気づき
焦りと不安がどこかに棲みつき、情緒が不安定になったりする時期。。

そんな2年1組の生徒に静かな強敵、村内先生が
彼らの心に、ちゃんと本気で聞かなければいけないこと、
真に反省することは何かを、伝えにやってくる。
村内先生は、うまくしゃべれないから、大切なことだけ本気で喋ります―。


人は弱いから、強くなろうとする。
でも、強くなんて、ならなくていい。頑張るだけでいいんだ。
今より少しでも、人の気持ちを想像するだけでいいんだ。


嫌なこと、忘れたい過ちから逃げずに、
そこにいて傷ついた心を救済する為に、正面からボールを投げる村内先生。

イジメの直接シーンはなく、生徒たちの今の様子やセリフから
コチラに想像させるのもよかったです。
全体にセリフは少なめですが、
生徒たちの不安や心の揺れなどがちゃんと伝わってきて、どの子も上手かったです。
本郷奏多くんは、こういう繊細な役が多い気がしますが、彼は本当に上手いですね!
阿部ちゃんも、違和感なく、静かな信念を持った村内先生を演じていてなかなか良かったです

青い鳥って何?
大人を納得させる反省文の後の、いかにもな、何故か青い鳥・・・

教師や、大人や、友人―、
ヒトが本気で言った言葉に対しては本気で聴かないといけない。
何がイジメで、ナニがイジメじゃないのか、
昔子供だった私たちにも、今、勇気がない子供たちにも向けてとんで来る、
優しく厳しい村内先生の投げたボールはこころで受け止めましょう。

村内先生を語る2つのアイテム、一枚の集合写真と一冊の文庫本。
最後にその本が明かされるのですが、、涙で見えませんでした(悲)残念です。


1408号室

2008-11-30 00:07:34 | the cinema (ア行)
この部屋はあなたのココロを破壊する
原題 1408
製作年度 2007年
上映時間 104分
監督 ミカエル・ハフストローム
音楽 ガブリエル・ヤーレ
出演 ジョン・キューザック/サミュエル・L・ジャクソン/メアリー・マコーマック/トニー・シャルーブ/ジャスミン・ジェシカ・アンソニー

ホラー小説の巨匠スティーヴン・キングの同名小説を基にとあるホテルの1408号室で連続する騒動を軸に描かれたサスペンスホラー。

作家で、アメリカ各地の超常現象などをルポしていたマイク(ジョン・キューザック)のもとに、一通の手紙が届いた。その内容はドルフィンホテルの1408号室には絶対に入ってはならないというもの。好奇心をかき立てられたマイクはホテルに出向き、入るのをやめさせようとする支配人のオリン(サミュエル・L・ジャクソン)を説得し、何とか1408号室に入るが……。(シネマトゥデイ)

「私は貝になりたい」は時間が長い~~ってことで、久しぶりの映画は友人との意見も一致、
怖いけど、こちらを観て来ました~。
友人も殆ど予告も凄く前に一度見たっきりだというので、あまり期待もしないで観たのですが、
思ったよりは怖くなかったというのが印象でした。
ま、私の前の席の年配の二人連れの方は何度か飛び上がっていらっしゃったのがイスの背もたれの揺れで解りましたが

オカルト作家でありながら、超常現象を一切信じないマイク・エンズリンが、
再三のホテルの支配人の忠告を無視、
1408号室へと足を踏みいれて異常を感じるまでの早かったこと
そしてそのきっかけが、ケガ、、、
そのあたりはなんだよ~、クチほどにもないんだから~って感じがしないでもなかったけど
それからはほとんどずっと密室でのマイクの姿を追うだけなので、
途中はちょっと飽きてしまいました(爆)

怖いことは怖いのですが、
ほとんどがジョン・キューザックの一人芝居なので、カレのちょっととぼけた顔立ちの所為か
それともあの部屋で起こることが特別目新しくない所為か、
カレの行動もほとんど予測通りで、読めちゃったし
とにかく最後まで一度も目をつぶることなく観賞~。

窓辺に向かう人たちは、「スターダスト」の幽霊王子たちを思い出しました

そんなわけで、怖いコワイという予告の割りにそんなでもなかった!
でも・・クルって解っていても、「カーペンターズ」には驚いたわ
もしかしたら一番びっくりしたかも!

イーグル・アイ

2008-10-24 23:22:23 | the cinema (ア行)
それは、全てを見ている。
原題 EAGLE EYE
製作年度 2008年
上映時間 118分
製作総指揮 スティーヴン・スピルバーグ/エドワード・L・マクドネル
脚本 ダン・マクダーモット/ジョン・グレン[脚本]/トラヴィス・アダム・ライト/ヒラリー・サイツ
監督 D・J・カルーソー
出演 シャイア・ラブーフ/ミシェル・モナハン/ロザリオ・ドーソン/マイケル・チクリス/アンソニー・マッキー/ビリー・ボブ・ソーントン/イーサン・エンブリー

まったく面識のない男女が、謎の女の脅迫で絶体絶命の状況に追い詰められる恐怖を描くアクション・スリラー。スティーヴン・スピルバーグによる原案を、『ディスタービア』のD・J・カルーソー監督がスリリングに映像化。

アリアという謎の女性の電話で引き合わされた互いに面識のないコピーショップ店員のジェリー(シャイア・ラブーフ)と法律事務所の事務係レイチェル(ミシェル・モナハン)は、愛するものを奪われ、アリアの指示通りに行動することを強いられる。2人はすべてが謎のまま命令に従って行動するが、やがてFBIの追っ手が迫る。(シネマトゥデイ)

イキガミでは国家の繁栄という名目によって管理、監視される社会が描かれていた。
ここでは、正体不明の誰かがどこからか全てを監視、いきなり命の危険に曝され、抵抗も出来ない恐怖を与えられる。
携帯で。街の電光掲示板で。時にはビルの広告画面で、彼女は二人を操作していく。
スピード感があり、飽きさせないアクションと展開に目が離せませんでした!

冒頭、軍のカメラが捕らえたターゲットはテロリストである可能性は51%。
コンピューターは実行は危険と表示するが、大統領の鶴の一声で民間人を巻き込んだ国防省の1発のミサイル。
テロを警戒するアメリカ―。

家賃の支払いさえ滞っている貧乏生活をしていたジェリーには、軍に勤める双子の優秀な兄がいて、
ある日事故で急死したと連絡が入る。
幼い頃から父親の目から彼を護ってくれた兄の葬儀から帰ってきた時から彼は"機動"させられる。
アパートに送りつけられた、大量の軍事用機材の謎。
彼の口座に振り込まれた大金の謎。
彼をテロリストとし、追うFBI。そのFBIから逃がそうとするかのような謎の声の主は果たして敵か味方か。

母子家庭のため、息子の晴れの音楽の演奏の場にも立ち会わず、駅まで見送ったレイチェルは、
その夜のうちに携帯によって"機動"させられる。
彼女の目の前の広告スペースに息子の様子が映し出されて、有無を言わせず行動を強いられる。
なぜ彼女が選ばれたのか?!

コンプレックスを持ってはいたが兄への信頼は揺るがない。
この一点で、矢継ぎ早に繰り出されるアクションの中で、シャイアくん演じるジェリーに惹きつけられてしまったのかも。
息つく暇もない逃亡劇も、どこかで覚えがあるシーンの繰り返しなんだけど、
考えていては置いて行かれます(笑)
凄いスピード感にやや眼が疲れますが、これはやはり劇場で!

Yahooのインタビューで、この作品の舞台の現実味についてシャイアくんは、
一日の通話の内、5回に1回は政府が記録している」というCIAとかFBIの人の言葉を紹介している。
今の防犯カメラにはマイクがついていて、誰かが大きな声を出すと、カメラに内蔵されたマイクが探知し、危険度が高いと判断すればその発信源にズームする仕組みになっているんだ。僕たちがプライバシーのない世界で生きていることがよくわかったよ。」とも、、、。

つい先日、TVのある番組で、街に溢れる監視カメラを追うという特集を組んでいた。
防犯目的のカメラが設置されている事は承知していたが、
個人の商店やクリニックなどまでもが、無数に設置しており、
街中での私たちを知らぬ間に監視、撮影、或は記録されているのには驚かされた

今のところ法的規制はないのだそうで、これから論議の対象となると思われるが、
これだってアリアにちゃっかり利用されるというもの。
ヒトの安全の為のツールが、見方を変えれば自由を奪う征服者の手先にもなるという現実。
油断をしてはいけません


ところで上のインタビュー続きで、シャイアくんは好きな日本の文化は日本映画だと言い、『生きる』を挙げていました。
主人公がブランコに乗っている姿をみただけで今でも泣けるんだそうです。なんていい人なんでしょう!
急に彼が好きになりました(笑)

イキガミ

2008-10-13 00:36:48 | the cinema (ア行)
人生最期の24時間。あなたは誰のために生きますか?
上映時間 133分
脚本 八津弘幸/佐々木章光/瀧本智行
監督 瀧本智行
出演 松田翔太/塚本高史/成海璃子/山田孝之/金井勇太/佐野和真/柄本明/劇団ひとり/井川遥/笹野高史/塩見三省/風吹ジュン

2005年に「週刊ヤングサンデー」で連載開始以来、衝撃的な設定や世界観で大反響を呼んだ同名原作の映像化。
「国家繁栄維持法」で千人に一人の確率で選ばれた18歳から24歳の若者の命が奪われる世界で、厚生保健省の国家公務員・藤本賢吾(松田翔太)は、死亡予告証、通称“逝紙(イキガミ)”を死亡者に配達する仕事をしていた。しかし、死亡する人間の最期の輝きを目の当たりにした彼は、説明しがたい葛藤(かっとう)に苦しみ始める。(シネマトゥデイ)

その社会では「イキガミ」を受け取ってからの残された時間は24時間。
小学校入学時に受けた予防接種のときに無差別に選ばれた千人に一人の運命は決まっていた。
人生で最も輝くはずの18歳から24歳で命を奪う体内のカプセル。
――そして突然残り24時間を告知される。

藤本の最初の配達先は、やっとメジャーデビューのチャンスが訪れた路上ミュージシャン。
彼には苦楽を共にした友がいたが、、袂を分かってから後ろめたい思いがあり・・・
2人目は、母を憎み引きこもる議員の息子23歳。
彼には母に愛情を感じる想い出もなく、、、絶望していた―
3人目は、怪しげな金融関係の仕事をする若者。
事故で両親を亡くし、失明した妹を施設から引き取るまさにその日、イキガミは届く。

チラシにある死ぬ気でいきてみろ。に、
若者ならずとも、誰の胸にもささる鋭い痛みがあるでしょう。

カウントダウンが始まるその時、残された時間で出来る一番大切なこと
彼らは迷わず走ります。
「後で、」は、ないのだから―。

“国家繁栄維持法”によって管理、監視される社会の怖さもありましたが、
“死”の恐怖を実感した国民がより充実した“生”を全うすることというコンセプトは、
残された時間がその24時間の何100万倍もあると信じて疑わない現代の若者に
何事かを考えるための一つのメッセージだと思えました。


そのような社会がどうとかよりも、
抗えないタイムリミットを前にした人の挫折感、焦燥感、それぞれの決意に引き込まれて
「容疑者~」に続いての涙の観賞となりました
極限状態で、精一杯の時間を生きる彼らの一瞬の輝きは誰のものか?
苦悩しながらも彼らと誠実に向き合い、逃げる事のない藤本役の松田翔太くんも新人公務員っぽくてよかったです。

冒頭登場の浅利くんは、あまりにも大人になっていて確信がもてませんでしたが、凄い成長を感じて嬉しかったですし、
結婚しようよ」以来の金井くん、「未来講師めぐる」以来の塚本くん、
佐野和真くんは先日の「ガリレオ~Φ」にも出ていましたが難しい役になりきっていて
みんなとっても好かった
もう、、特に山田孝之くんは、こんな役は上手いですね。。。
何時も重く暗い役ばっかりで、たまには「恋がしたい×3」の時のような彼も観たいですが、
こういう役は憎らしいぐらい上手いです~特に、イキガミを受け取ってからの演技は秀逸。
これまでの人生を思う、後悔、安堵感、割り切れぬ生への願い、悲しさが伝わってきました

劇中で金井勇太くんが歌う歌、
フィルハーモユニークの『みちしるべ』がEDで流れますが、
3人の若者のドラマが脳裏を駆け巡り、とても合っていて良かったです~

同じ年頃の子を持つ友人Yとレイトで観賞。
親目線で観ていた、普段リアクション薄い彼女もすっかり涙の1本。オススメです
レイトの割りに8分ほどの入り、でも20代の女性を中心の客層でしたが、静かないい雰囲気で、
この頃昼間はついてなかったので、レイト観賞に嵌るかも

アイアンマン

2008-10-04 11:22:37 | the cinema (ア行)
装着せよ──強き自分
原題 IRON MAN
製作年度 2008年
上映時間 125分
監督 ジョン・ファヴロー
出演 ロバート・ダウニー・Jr/ジェフ・ブリッジス/テレンス・ハワード/グウィネス・パルトロー/ショーン・トーブ/スタン・リー/サミュエル・L・ジャクソン

演技派ロバート・ダウニー・Jrを主演にマーベル・コミックの人気キャラクターを実写映画化した痛快SFアクション。監督は俳優としても活躍する「ザスーラ」のジョン・ファヴロー。
億万長者で発明家の軍需産業会社社長トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は、視察に訪れた軍のキャンプでテロリストの奇襲に遭い、胸を負傷してしまう。やがて自分の会社の兵器がテロリストに悪用されている衝撃の事実を知ったトニーは、自ら戦闘用のスーツを作り、“アイアンマン”となってテロリストに闘いを挑む。(シネマトゥデイ)

「ゴシカ」は未見だし「ラッキー・ユー」や「インクレディブル・ハルク」ではほんの一瞬だったので、
遅まきながらロバート・ダウニー・Jrの魅力に気付いた作品かも~

1996年にアニメが日本で放送されていたことさえ知りませんでしたが、
原作アメコミではベトナム戦争のところ、舞台をアフガンに置き換えての大人にも楽しめるヒーローもの!
面白かったです!!

米国政府と契約を結ぶ巨大軍事企業スターク・インダストリーズの社長で、同社の天才発明家でもあるトニー・スターク。
彼は自社新型兵器のデモ実験に参加するため訪れたアフガニスタンの帰途、武装したロリストの襲撃により胸に深い傷を負い拉致される。
そこで彼は自社の兵器が、彼らテロリストの元ににも流れている事実に愕然とし、
彼の命を救ったイェンセン博士(ショーン・トーブ)の協力の下、脱出用のパワードスーツの開発をする。
からくも脱出に成功した彼は捜索中のローディ(テレンス・ハワード)とともに帰国し・・・



強力な破壊力を持つ自分の開発した兵器で市民が苦しむ様を見せ付けられたトニーが
帰国してからは別人のようにパワードスーツの製作にうち込む。
今度は自分の為でなく、弱者を守るヒーロー"アイアンマン"としての改良を重ねていく。

3ヶ月ぶりに帰国したスーパー・セレブのトニーがハンバーガーを本気で欲しがるのも可愛かったし、
彼の不器用な助手(?)の人工知能コンピューターくんとのやりとりも面白い♪

アイアンマンとしての初飛行の際のトラブルや、軍機にしがみつくレプリカにしかみえないミニアイアンマンとか
迫力の爆撃シーンや戦争ビジネスの裏事情など、ダークな中にもコミカルさがあって楽しい♪

ヒーローはだぶってちゃいけないっていうんで、トレーナーについて鍛えたロバートの逞しい身体もですが
ひた向きさとここ一番での不器用さが、中年にしてこんなにも可愛いくてステキだなんて

彼を取巻く友人・ローディや秘書のペッパー・ポッツは原作とはかなり設定が違っているようだけど、
2人共に持ち味が活かされたアシストぶりで、よかった!
ローディはちょっと控えめに気になることも言ってましたがたぶん実現するよね♪

終盤の闘いのシーンでは、「インクレディブル・ハルク」を思い出してしまった
だって、どうしても悪って一回りアレなんだもん(笑)

パワードスーツ、一人で着れないっていうのがミソだけど、
ドラゴンボール悟空ばりの手のひら攻撃高速飛行
男の子の憧れるヒーローに間違いないですねっもちろん、ヒーロー好きの女の子にも♪
めげない、悲壮感のナイ、中年ヒーローカッコよかったですあっという間の2時間でした!

おくりびと

2008-09-18 23:51:53 | the cinema (ア行)
キレイになって、
逝ってらっしゃい。

製作年度 2008年
上映時間 130分
脚本 小山薫堂
監督 滝田洋二郎
音楽 久石譲
出演 本木雅弘/広末涼子/山崎努/余貴美子/吉行和子/笹野高史/杉本哲太/峰岸徹

一見近寄りがたい職業、納棺師に焦点を当て、重くなりがちなテーマを軽快なタッチでつづる人間ドラマ。監督には『壬生義士伝』の滝田洋二郎。人気放送作家の小山薫堂が初の映画脚本に挑戦している。
楽団の解散でチェロ奏者の夢をあきらめ、故郷の山形に帰ってきた大悟(本木雅弘)は好条件の求人広告を見つける。面接に向かうと社長の佐々木(山崎努)に即採用されるが、業務内容は遺体を棺に収める仕事。当初は戸惑っていた大悟だったが、さまざまな境遇の別れと向き合ううちに、納棺師の仕事に誇りを見いだしてゆく。(シネマトゥデイ)

公開初日に、友人のリクエストで行ったのですが、午前中に次の次の回まで売り切れということで、諦め、
レディースデイで場所を変えての観賞でした。
レディースデイというより、敬老の日?かしら??みたいな、、
平均年齢75?いや、、もっと上だったかも。

納棺師―
さまざまな人生の、さまざまな経緯をもって死を迎えた人を、
清め、飾り整え、送り出す準備をするという。納棺までのプロデュース。

憧れて掴んだはずの音楽の道に見切りをつけたものの
その職業に就いた大悟の戸惑い、驚愕の日々。
周囲に知れることとなってからの孤独と祈りの日々・・・

死者とその家族、
大悟の生い立ちを絡めながら、夫婦や親子のすれ違う時、
故郷で新しく生きる男の奮闘ぶりを、ユーモアを交えながら静かに描いていく。

ベテラン納棺師(山崎努)に天職といわれた新人納棺師の、
ふたりの所作が美しい、見事。
死者の尊厳を守ることによって形作られた一連の流れは胸を打つ芸術。
繊細な楽器を扱うかのような優しい手の動きに見とれてしまう。


そして、なんといっても素晴しい田園のチェリスト。
庄内平野をバックに、子供用チェロを奏でるモックン、完璧じゃないですか!
度々出てくる演奏シーン。アップでもその滑らかな手の動きは職人芸です。
チェリストという設定なので、もしかしたら溝口肇さん?と思った音楽は
心の傷を癒していくかのような優しくて美しいメロディ。
久石譲さんのオリジナルでした~どれも素敵でした!

モックンは音楽家の役は5年ほど前のドラマ『幸福の王子』以来でしょうか。
あの時チェリストだったのは菅野実穂さんでしたが、なんとなく縁を感じますね、チェロ。
アイドル出身なのに、ほとんど普通の役をやらない役者さんだと思っていましたが、
この作品が彼の持ち込んだ企画だと聞いて、またニヤリとしてしまいました。

脇を飾る方々も、適材適所
上手さも然ることながら、みなさんがいつものと感じられる位置取りに納得です!

"石文”のエピはなんか良かった

親しい方を誘って観賞されるのもよし、
ご夫婦でご覧になるのもいいですね。おくりびとは、やがてのおくられびとなんですから。。。


ただ、、これは時間帯なのか、初日には某シネコンの150席くらいのシアターだったのが
この日550席くらいあるシアターは、こんなオバサンの私の母親世代で埋め尽くされて(笑)
ず~っとガサガサ音立ててるし動きまくるし
始まっても普通にず~~っと友達(?)親子(?)でしゃべってるし、
ケイタイは鳴るし(操作ができなかったらしい)もう・・気が散ったし、セリフが聞き取れなかった(悲)
ま、それだけ高齢層の気になる作品ではあるので、
夕方とか夜の方が狙い目かも~ですね♪

ウォンテッド

2008-09-15 22:05:07 | the cinema (ア行)
“1を倒して、1000を救う”
原題 WANTED
製作年度 2008年
原作 マーク・ミラー/J・G・ジョーンズ
監督 ティムール・ベクマンベトフ
音楽 ダニー・エルフマン
出演 ジェームズ・マカヴォイ/アンジェリーナ・ジョリー/モーガン・フリーマン/テレンス・スタンプ/トーマス・クレッチマン/コモン/デヴィッド・オハラ

オスカー女優アンジェリーナ・ジョリー、「つぐない」のジェームズ・マカヴォイが規格外の壮絶アクションを繰り広げる痛快エンタテインメント大作。監督は「ナイト・ウォッチ」のティムール・ベクマンベトフ。
ウェズリーはルーティン・ワークにウンザリしている普通の若者。しかし彼の運命は、セクシーで謎めいた女フォックスとの出会いによって激変する。ギリシャ神話の時代から、神に代わって“運命の意志”を実践してきた秘密の暗殺組織“フラタニティ”。ウェズリーはその王位を継承する選択を迫られるのだが…。

この秋一番楽しみにしていたマカヴォイくんのアクション作品!先行上映で観て来ました♪
期待が大き過ぎると肩透かし食らっちゃう事が心配ではありますが、わくわくしながら行って来ました!
そして大満足っていうより、期待以上かな~

ストーリーは結構シンプル。登場人物もそんなに多くないので解りやすい
列車や車を使ったアクションはド迫力
は、刃物は苦手ですが、、、凄い秘密兵器があるのです
CG多用も効果的で、あり得ないを楽しむ大人の為の痛快アクション映画になってます

初っ端の登場シーンから、アンジーのかっこよさ炸裂ーッス♪
鬼教官っぷりもサマになってて、まさにはまり役ですね~!

アンジー姐さん、メチャ柔軟ー

さえないビビリのウェズリー(マカヴォイ)の口癖ご~め~んなさぁ~~いはツボ
暗くてヘタレな彼が、泣き喚くシーンは、こちらがびびっちゃうくらいですが、
流石、眠れる獅子が目を覚ますとわずか数週間で凄腕暗殺者となり、
気取ったボス、モーガン・フリーマンにターゲットの指令を貰うまでになり・・・

 でも、非情にはなれない奴。。

インタビューで、本当は汗をかくのが好きではなく、ジムにも通わないと言うマカヴォイくんですが、
後半のアクションシーンはかっこいいですよー

 超・カッコイイ!!!デレ~~ッ

暗殺集団の報復モノなので、それなりに残酷なシーンも多いのですが、
ご~めんなさぁ~~いつって、ちゃんと謝っちゃう暗殺者・マカヴォイくんが楽しい♪

大好きなプリズン・ブレイクを思い出させる音楽もかなり好き
これは是非とも映画館の大画面でスリルと興奮を味わってもらいたいです~

ところで・・・本編まえに
「K-20」「20世紀少年第2章」の予告が!嬉しかったな~~
「イキガミ」も、前回見た予告とは違っていたし・・予告良すぎ?少し見せ過ぎが気になります

家の鍵

2008-09-13 00:16:44 | the cinema (ア行)
原題 LE CHIAVI DI CASA
製作年度 2004年
上映時間 111分
製作国 イタリア/フランス/ドイツ
監督 ジャンニ・アメリオ
原作 ジュゼッペ・ポンティッジャ 『家の鍵-明日、生まれ変わる』(集英社文庫刊)
脚本 サンドロ・ペトラリア、ステファノ・ルッリ
出演 キム・ロッシ・スチュアート/アンドレア・ロッシ/シャーロット・ランプリング

父と子の絆、障害を抱えた子どもと家族の深い苦悩を描いた感動ドラマ。監督は「小さな旅人」「いつか来た道」のイタリアの名匠ジャンニ・アメリオ。主演は「アパッショナート」のキム・ロッシ・スチュアートと新人アンドレア・ロッシ。共演にシャーロット・ランプリング。
若きジャンニは、出産で恋人を失い、そのショックから生まれてきた我が子を手放してしまう。15年後、障害を抱えたその息子パオロは亡くなった母親の家族によって育てられていた。ジャンニは、15年間一度も会ったことがないパオロをミュンヘンからベルリンのリハビリ施設へ連れて行くことになっていた。道中、パオロにどう接したらいいか戸惑うジャンニ。やがて到着したリハビリ施設でジャンニはより重い障害を持つ少女の母親ニコールと出会う。そして彼女との交流が、ジャンニの心に少しずつ変化をもたらしていく。

たぶん誰でもいきなり15歳の少年の父にはなれない。
子供が1歳なら親年齢もたぶん1歳。子供が小学生なら、親としても小学生といえるだろう。
まして、障害を持つ少年の親にいきなりなるというのは無謀に近い。

果たして、ミュンヘンに向かう列車の中で始めて会った息子に、不安と戸惑いを見透かされるジャンニ。
しかし、若さから責任放棄したかれも、本来優しい人物なのだろう。
ぎこちないながらも根気よく、かいがいしく面倒を見る姿に、
彼の贖罪の意識と、次第に湧き出る愛情にこころがほころんでくる。

ミュンヘンでは、そんな彼に新しい出会いがまっていた。
パオロより重度の障害の子を持つニコールの穏やかな態度と、人生の全ての時間を娘に費やしてきた母親の言葉は、
時にジャンニを救い、親としての苦難の覚悟も教えてくれる。
母親と言う名で武装したニコールのこころの奥の本音をみせる、シャーロット・ランプリングが素晴しい。
やわらかな笑顔が消えて長い長い沈黙の時、気の遠くなるような孤独な彼女の人生の闘いを感じさせて、胸が潰れそうになる。



パオロの激しいリハビリの時、ついに彼はその厳しい道を選び取っていたように思える。

ぎこちない親子の旅路に、ジャンニがホッとする一幕も、
恐怖に駆られる出来事も、
息子を知らないことからくるもの。
パオロは何が出来て、何が出来ないのか。いや、何を、いつ必要とするのか。
健常者の親子は知らなくても大事に至らない事が、ふいにジャンニを不安にさせる・・・

パオロの心を捉えたと思った次の瞬間、それが実体を伴わない虚しさと、
やりきれない悲しみに突き落とされる・・誠実で優しく、弱い父親。
キム・ロッシ・スチュアートが繊細に演じていて心の揺れが伝わってくる。




この作品中で、ほとんどの障害者家庭では、
障害児の介護や、子供の精神的ケアを含めて、その人生を捧げ面倒を見続けるのは母親の役目になっていると
ニコールの言葉として語られる。
その後に続く重い言葉を、男性はどう受け止めるのだろう。

ニコールの言葉を胸にジャンニは一歩を踏み出したけれども、
その道は、きっと果てしなく、厳しい。
しかし、悲しいばかりではない親子の旅はまだ始まったばかり・・・
ラストのふたりがとても愛しくなります