カセットテープがワカメ

キノコ国本剛章の音楽活動・妄想・ノリツッコミなど。

ピッチャーに玉が返ってこない…♪『きりのもり』

2014年12月07日 | My Favorite
 先日の「ゲームミュージック BURST」で演奏した『スーパードンキーコング2・きりのもり』(14:45~)。ROCKテイストを基調としたイベントの中で、異彩を放つ「捉えどころのない」フシギな曲だったと思います。テンドウさんのリードギターヒトミchベンドのかかったシンセサイザー名演でしたなー。それをしっかり支えるさんのドラム松澤さんのバッキング。みんなの力が結集した、よい演奏ができたと思います。今回はアノ曲が持つ「不思議さ」を音楽理論野球を例えにして解説してみたいと思います。
 ひとことで言うと「きりのもり」のフワフワした不思議な感じは「終止感がない」ことに尽きるのです。音楽理論上、たいていの曲は「安定した和音」で終わり、聞いてる人が「あー終わったー。」とホッとするようにできているのです。 コード進行でいうと「Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ」とか「Ⅳ-Ⅴ7-Ⅰ」とか(画像の上半分ね。)
 これを野球のシート番号に置き換えると「2-5-1」「4-5-1」。イニング間の野手の球回しでよく見られる絵に符合します。最終的にピッチャー(シート番号1)に玉が渡らないと試合が始まらないですからね。さらに言うと音楽的にはサード(シート番号5)にチームの主将がいる状況を仮定するとわかりやすい。 サードがピッチャーに歩み寄りながら「この回は下位打線だからな。でも油断するなよ。低めに集めろ」とか言いながら玉を渡すワケです。で、審判の「プレイボール」のコールがあってピッチャーが玉を投げ、試合が再開される…と。
 ところが「きりのもり」ではどうでしょう(画像の下半分参照)。キャッチャーからサードに渡された玉を、サードはピッチャーに渡さずに、なんと!キャッチャーに投げ返すのです。 で、キャッチャーはまたサードに投げ返し、サードはキャッチャーに返す…。 ピッチャーがポツンと立ち尽くしたまま、キャッチャーとサードがずーっと2人でキャッチボールを続けているのです。 ええっ?試合がいつまでたっても始まらない! さらにはセカンド(シート番号4)もそこに割り込んできて「セカンド⇒キャッチャー⇒サード⇒セカンド⇒キャッチャー⇒サード」という玉回しが始まるではありませんか! ピッチャーはポツンと所在ない様子で佇むばかり…。 そして最終的には曲が終わるまで1度もピッチャーに玉が渡ることはありません。なんともモヤモヤした曲。それが「スーパードンキーコング2・きりのもり」なのです。 あー、でもこのモヤモヤ感がたまらなく好き。 日が暮れました。サスペンデッド・ゲーム
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする