世の中いろいろイヤーな事件が起きます。こんなときには現実逃避に限る!
というワケで詩情豊かなプログレの名盤をご紹介。
Wind And Wuthering / Genesis (1977)
30年前、キノコさん高1の時。プログレ好きのオモロ~な友達がおりまして。当時日本のヒットチャートではまだまだマイナーだったジェネシスをすすめてくれたんですね。どうですかこのジャケット。詩的というか芸術的というか内省的というか…わかりやすく言うと「暗い」んですよ。ただ「暗い」と言ってもピンクフロイドやキングクリムゾンの暗さとは種類が違う。私の勝手な解釈ではジェネシスは「育ちの良いおぼっちゃまのゼイタクな悩み」なんですね。「あー私の人生はなんて退屈でむなしいんだ。キャビア、フォアグラ、トリュフ、ウニ、イクラ、大トロ…ふっ。食べ飽きた。ナポレオン、ドンペリ、大吟醸天狗舞…ふっ。飲み飽きた。毎日の舞踏会、宮廷音楽会、合コン、カルタとり、タコあげ、ファミコン…ふっ。遊び飽きた。あー人の一生なんてなぜこんなにも退屈で空しいのだ。おおジーザス。アーメン。ラーメンたんめん冷やソーメン」ただ貴族的なメンバーの中でひとり「平民」的に異彩を放っているのがフィル・コリンズね。後に皆さん御存知の通り、スーパーPOPバンドになってヒットチャートを席捲するジェネシスなんですがこの「静寂の嵐(邦題)」の頃は本当に「旗本退屈男」的な絶妙の現実逃避感が醸し出ております。本当はやんちゃな暴れん坊なのにネコかぶってるフィルコリンズにもご注目。いやー、貴族音楽もたまに聞くと良いですなー。