長年にわたって聴覚障害者と医療の問題に取り組んできた広島県手話通訳問題研究会(「広通研」)医療班が1998年に出した「病院で役立つ手話」の改訂版が出た。
前回の収録見出し単語数が348語、今回は679語なのでほぼ倍増。7年間の地道な活動の中からコツコツ積み上げられた手話単語集であることが理解できる。広通研医療班の活動は、1982年の広通研創立間もない頃から続いているのではないだろうか。すでに20年以上になる。
本書の構成は、19の診療科ごとに(+受付+介護保険関連単語あり)
(1)各診療科の基礎知識
(2)診察を受ける前の心得
(3)よく用いられる医療用語の解説と手話表現
(4)かかりやすい疾患の予防法
(5)よく使われる会話の例文とその手話表現
となっている。
(2)受診前の心得や(4)予防法にまで書き及んでいるのは、普段の手話通訳の実践の中から「聴覚障害者が医療機関に関わる時に大切にしなければならないこと」が病院の中だけにあるのではないことを、制作に関わった方達が痛感しているからだと思う。単なる手話辞典としてだけでなく、手話サークルなどで聞こえない方達と共に医療問題を学ぶうえでの良いテキストにもなると思う。
なお、2006年2月には全日本ろうあ連盟から「医療の手話シリーズ」が発行されているが、重複して掲載されている見出し語が679語中163語(24%)あった。その中には手話表現の解説が異なる見出し語もあったので、広島県域以外の方が利用される場合には、地元のろう者の手話表現を確認することが必須だと思う。
詳しくは検証していないが、これまでの「新しい手話」の経過と同様、一部の研究者によって短期間に創作された全日本ろうあ連盟の手話表現が必ずしも視覚的に分かりやすいとは言えず、全国に広まるかどうかは各地域のろう者が判断していくことと思う。
前回同様、対応ビデオ(今ならDVDが良い!)の発売を期待したい。
<参考>
2006年4月3日読売新聞記事
前回の収録見出し単語数が348語、今回は679語なのでほぼ倍増。7年間の地道な活動の中からコツコツ積み上げられた手話単語集であることが理解できる。広通研医療班の活動は、1982年の広通研創立間もない頃から続いているのではないだろうか。すでに20年以上になる。
本書の構成は、19の診療科ごとに(+受付+介護保険関連単語あり)
(1)各診療科の基礎知識
(2)診察を受ける前の心得
(3)よく用いられる医療用語の解説と手話表現
(4)かかりやすい疾患の予防法
(5)よく使われる会話の例文とその手話表現
となっている。
(2)受診前の心得や(4)予防法にまで書き及んでいるのは、普段の手話通訳の実践の中から「聴覚障害者が医療機関に関わる時に大切にしなければならないこと」が病院の中だけにあるのではないことを、制作に関わった方達が痛感しているからだと思う。単なる手話辞典としてだけでなく、手話サークルなどで聞こえない方達と共に医療問題を学ぶうえでの良いテキストにもなると思う。
なお、2006年2月には全日本ろうあ連盟から「医療の手話シリーズ」が発行されているが、重複して掲載されている見出し語が679語中163語(24%)あった。その中には手話表現の解説が異なる見出し語もあったので、広島県域以外の方が利用される場合には、地元のろう者の手話表現を確認することが必須だと思う。
詳しくは検証していないが、これまでの「新しい手話」の経過と同様、一部の研究者によって短期間に創作された全日本ろうあ連盟の手話表現が必ずしも視覚的に分かりやすいとは言えず、全国に広まるかどうかは各地域のろう者が判断していくことと思う。
前回同様、対応ビデオ(今ならDVDが良い!)の発売を期待したい。
<参考>
2006年4月3日読売新聞記事
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個人で「聴覚障害者の参政権情報目録」を公開しております。
私の勘違いでなければ、「せたつむり2002」の時から時々訪問し、資料を参考にさせて頂きました。
当方のHPに、「HP・BLOG表現広場」というページがあります。内容をご覧頂き、ご賛同頂けますなら、貴ブログのリンク付けについて、ご承諾を願えれば幸いです。
HP潮さい・管理人
sanpo@dune.ocn.ne.jp
「聴覚障害者の参政権情報目録」拝見しましたが、その詳細な資料に、すぐに一人の方のお顔が浮かびました。
リンクどうぞよろしくお願いします。私の方でもいずれ「HP潮さい」をご紹介したいと思います。