木のつぶやき

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books224「ジャーナリズム崩壊」上杉隆(幻冬舎新書)

2012年02月26日 21時43分17秒 | books
ジャーナリズム崩壊 (幻冬舎新書)
クリエーター情報なし
幻冬舎

いまテレビで「運命の人」をやってるけど(一度も見てませんが)、ジャーナリストっていう職業についてなんか自分はけっこう誤解していたなとこの本を読んで知りました。なんとなく「そういうもんか」と思っていたことがこの本を読んで「世界(と決めつけるのは正確じゃないけど)の非常識」だってことを学べたように思います。
例えば
(1)取材現場に並ぶ「ハイヤー」の列。・・・来日したニューヨーク・タイムズのフレンチ支局長(当時)「あんなことで本当の取材ができるのか?あれでは一般市民の目線から乖離してしまうのではないか。」
(2)都庁記者クラブの経費を都が持っていたことの問題性(談合体質になる)を追求した岩瀬達哉氏。・・・最近では大阪市労組が事務所やり玉にあげられてますね。根は同じと思います。私の会社でも5年くらい前から労組事務室が「賃料」を徴収されるようになりました。
(3)日本の新聞社は色を嫌う。どちらかといえば、即戦力よりも無色透明な人材を求める傾向にある。・・・民間企業と同じと思っていたけど、「これでは公権力などの取材対象への健全な会議主義など望むべくもない。おとなしく上司の意向に従い、どこまでも政府の作った規則を守り続けて日々の生活を送る、そうした「優秀な」記者クラブの記者たちが大量生産されるだけ。」
(4)無署名の記事が基本・・・ニューヨーク・タイムズとの契約では「記事を書く場合は、必ず自らの署名を明記すること。匿名での執筆は一切認めない。」
(5)日本での「キャスター」は海外ではまったく通用しない概念だ。「キャスター」「アンカーパーソン」という言葉が示すとおり、それは編修における「錨(いかり)」の役割を果たすものであり、編修全般への責任を持つ者のみが許される肩書きだ。資格としては相応の取材経験、編修経験が求められる。つまり、単に番組を進行するだけの日本のアナウンサーや司会者は、海外では決して「キャスター」「アンカーパーソン」とは呼ばれないのだ。
(6)1970年代以降、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストは「訂正(correction)欄」を確立、同欄を充実させてきた。他の海外の新聞の多くもそれを見習って採用しているが、残念ながら、日本では一切見当たらない。訂正欄は、日本の新聞の小さなそれと違って、毎日約1ページにもわたって、過去の記事の誤報について仔細に検証するスタイルだ。
う~ん、次は同著者の「記者クラブ崩壊」を読んでみよう。

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