木のつぶやき

主に手話やろう重複の仲間たちのこと、それと新聞記事や本から感じたことを書き込んでいきます。皆様よろしくお願いします。

日本手話学会に参加して来ました(その3 森壮也さん発表)。

2008年09月21日 22時30分26秒 | sign language
森壮也さんの発表「ミャンマー手話の分析のための予備的考察」も良かったです。実はこの話の概略は地元のろう会長さんの講演で一度聴いてるはずなんですが、その時は実は手話通訳者養成の読み取り通訳実習としての講演だったものですからどうも内容が頭に残っておらず、今回森さんのお話を聞いて改めてミャンマーの実状を理解することができました。
ミャンマーといえば軍事政権になって首都が強制移転されちゃった国というくらいの知識しかないのですが、ろう者の世界にもその暗い影が色濃く差していることを改めて感じる発表でした。
その新しい首都から離れた南部(たぶん離れているのじゃないかと思う)のヤンゴンのろう学校はNGOによる経営ながら歴史もあり手話による教育もキチンと行われているにも関わらず、もう一つのろう学校「マンダレーろう学校」は社会福祉省管轄下で厳しい政府管理の下にあるとのこと。
そんな国への森さんたちは「標準手話」策定の支援のために招かれたとのこと。でも、簡単に言っちゃうと、政府の意向による「標準」ということでは「ただ支援すればいいというものではない」という問題指摘でした。
そうした状況は中国なんかにもあって
「中国手話と呼ばれる中国政府によって公認された中国の標準手話は、ろう者が日常的に使用している手話とは語順を異にし中国での標準語である普通語と同一の語順である。また手話の文法要素である非手指動作を一切欠いているといっても過言でない。」
のだそうです。
これは「アジアの他の地域でも・・・」って書いたのですが、日本はそうじゃないって言えるのでしょうか。私など1981年に手話を学び始めたころはシムコム手話を教わりながら、(ろう者が実際に会話している手話が読めないのは)「あれは『伝統的手話』といってろう者どうしだけで通じる手話なんだよ」(だからあなたがあれを学ぶことは無理)って言われて育ってきたのです。その状況って25年以上たった今もあんまり変わっていないような気がしてしまいます。
そんな意味で次に紹介する神田先生の発表はちょっとインパクトありました。
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