喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

今年のモウリョウは人が多い

2018-08-14 | ふるさと
 朝6時に地区のマイク放送が響く。
「今日のモウリョウは、午後3時半から始めます」。

 モウリョウは、お盆に先祖を迎えるとても大切な行事。
ただし女人禁制が貫かれている。

 地区の最も高い所にある庵寺から鉦を叩きながら集落を下りてくる。
いち早くフクロイセの浜に着いた人たちは、鉦と太鼓を待つ。
 その間、笹舟を作り海に流す。

 みんなが集まり、モウリョウが始まる。
今年は、参加者が多い。
「ナー、モミド。 オーイナ。」

 
 








 長老の父が、鉦を打つ。



 終わると、竜神様と延命地蔵に向けて、自分の歳の数だけ拾ったまなご石を投げてお供えする。


 高齢のおっちゃんたちからは、
「1回では手に乗らない。」
「なんぼ数えたか忘れたわい。」
などの言葉が出てくる。




 私も、わりあいたいへん。


 初盆の家から接待を受け、三々五々帰っていく。
夜6時半からの盆踊りにそなえる。

 再び静かになったフクロイセの浜。


 情報化、グローバル化の世界はここにはない。
超ローカル。
これがまたいい。

 ふるさとのお盆は、そんなことを感じさせてくれる、ふるさとの良さを感じさせてくれる行事だ。

 さあ、今から先祖供養の盆踊りに行く。


               岬人(はなんちゅう)





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坂村真民 「鈍刀を磨く」の教えより

2018-08-14 | 生き方
 今夜の盆踊りの準備をしながら、
坂村真民『詩集 自分の道をまっすぐゆこう』にある
「鈍刀を磨く」をかみしめた。



 鈍刀をいくら磨いても
無駄なことだというが
何もそんなことばに
耳を借す必要はない

せっせと磨くのだ

 刀は光らないかも知れないが
磨く本人が変わってくる

 つまり刀がすまぬすまぬと言いながら磨く本人を
光るものにしてくれるのだ

 そこが甚深微妙(じんじんみみょう)の世界だ
 だからせっせと磨くのだ



 磨きながら、実は一番磨かれているのは、
自分なのかもしれない。


     岬人(はなんちゅう)



 
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平礒の盆踊りの準備

2018-08-14 | ふるさと
 平礒の盆踊りは、先祖供養の色が多く残っている。
 私が幼い頃は、14日・15日と2日間にわたり行われていたが、
今は14日のみ行われている。
 それでも先祖供養という意味で、なくなってはいないのだ。

 準備は、消防団員が行う。
今年は、息子も含め20代から30代の若者が5人もいるので、若者たちに任せている。

 それでも普段、地域のために何もできていないので、
7時から始まる準備に出かけた。


 大がかりな準備はないが、掃除をし提灯をつる。


 私は道の掃除をした。


 この石垣は、どれくらい昔から作られたのだろうか。
先人たちの信仰心、思いを想像しながら掃いていく。


 金兄ちゃんがやって来た。
 大昔、平礒に隠れ住んでいた平家の一門が、源氏の追っ手により生き埋めにされたとされている。
その平家たちを供養している供養塔の掃除のため。


 鏡がたくさん置かれている。
生目様を祀っているのだろうか。


 歴史の表舞台には出てこない、小さな小さな郷の物語。
でもそこにはまちがいなく、先人たちが生きた証が引き継がれ、残っている。



 黙々と掃除していると、ツクツクボウシの蝉の声が耳についた。
この夏、初めて蝉の声を意識して聞いた。
こんなゆったりとした時間が流れている。


                  岬人(はなんちゅう)


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