喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

佐々木公園に咲く、美しく、危ない夾竹桃(キョウチクトウ) 

2016-09-02 | 自然環境
 今、伊方中学校にある佐々木公園には、美しい夾竹桃の花が咲いている。
花言葉は、「注意、危険、用心、油断しない」
美しいものには毒がある。
 以下、昨年沖縄の研修で教えてもらったこと。



 夾竹桃はインド原産の常緑種の小高木で、桃に似ている、とてもきれいなピンク色の花を咲かせます。
葉は竹の葉に似ていて鮮やかなグリーン色、花も濃いめのピンク色をしており目立ちます。
パッとみて、人目を惹きつける美しさのある、華やかな花です。

 夾竹桃は、日本では一般家屋の庭や市街の街路樹、高速道路沿いにもよく植えられています。
もちろん世界中に咲いている、ふつうに観る花です。
たいていの人は、夾竹桃を見たことがあるのではないでしょうか。

 しかしこの夾竹桃には、意外なことに、恐ろしいほどの「毒」があります。
花~根まで毒の成分をもっているのです。
しかもこの毒は人間や動物を死に至らしめる、とても危険な猛毒なのです。

 身近なきれいな花に毒があるなんて怖いですね!
夾竹桃の毒について、その成分や毒にまつわる中毒、事件の話、
さらには他にもあるきれいで毒性のある花についてもご紹介します。


1 夾竹桃の毒の成分
 夾竹桃の毒は、強力な経口毒性のものです。
 1種ではなく、いくつかの毒の成分をもっており、
その中には青酸カリより強力な猛毒も含まれているそうです。

 夾竹桃の毒は、花、葉、枝、実、根、茎とまんべんなく含まれており、
さらには周辺の土壌にも毒を広げてしまっているのです。枝でも葉でも調理に使ったりしてはいけません。
ペットや家畜がなめたり食べたりしたら大変ですから要注意です。
そして枯れて腐葉土になっても、毒性は残ります。
コワイですね。


2 夾竹桃の毒で起こる症状
 夾竹桃の毒にあたったときの症状として起きるのが「おう吐、吐き気」です。
さらに四肢の脱力や倦怠感、下痢が起こります。
腹痛や、非回転性めまいもよく起きる症状です。
最悪の場合は死に至ります。


3 夾竹桃の毒の致死量
 夾竹桃の毒の致死量は,乾燥葉で50ミリグラム(牛が経口で摂取した場合)と報告されています。
 夾竹桃の毒成分のひとつは青酸カリより強い猛毒とされていますが、
この純粋な毒成分を食べてしまった場合、人間の致死量は0.3ミリグラムと言われています。
 フグの毒の致死量が1~2ミリグラムと言われているので、ものすごい猛毒だとのことです。

4 夾竹桃を燃やした煙にも毒がある!
 夾竹桃の生の葉を燃やして出た煙も、毒を含んでいます。
この煙を吸い込むと、下痢やおう吐、めまいや不整脈などさまざまな症状がでます。
最悪の場合、心臓麻痺も起きると言われています。
 家の庭に生えている夾竹桃を処理したいときは、居住区の自治体に相談するのがよさそうです。
くれぐれも、自分でたき火で燃やしたりしないようにしましょう。

 1980年の事件では、千葉で牛にあげる飼料の中に夾竹桃の葉が混入していて、
乳牛20頭が中毒になり、9頭が死んでしまうという痛ましい事件がありました。
 
 夾竹桃の枝を箸や串の代わりに利用して肉を刺し、肉を焼いて食べて中毒になった有名な事件がフランスで起きています。
1975年のフランスの夾竹桃バーベキュー事件では、10人いた男女のうち7人が死亡してしまったそうです。

 もっと前には、フランス軍が肉を焼くのに夾竹桃の枝を使って肉を焼いたら毒成分が肉にしみでて、
兵が亡くなってしまったという事件も起きています。
 また、太平洋戦争時に日本軍も夾竹桃の枝を串や箸代わりにして、多くの兵を亡くしたと言われています。

                                          「WELQより」
   

 

 もちろんそんな危険な植物はのけてしまうという手もある。
 でも自然界には様々な危険な動植物がいるわけで(人間にとってみれば)、
それを全て除いてしまうことは不可能。
それについてしっかりと知ることが大切だろう。
 かつて佐々木公園に夾竹桃を植えたときも、そんな教育の大切さを思っていたのだろう。
自然な生き方、たくましい生き方、豊かな生き方をしていきたい。
 

                 岬人(はなんちゅう)                              
コメント
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