【横浜・中区】「外交官の家」は”横浜山手西洋館”の一つで、「ブラフ18番館」と同じ”山手イタリア山庭園”の中に建つもうひとつの西洋館。 ニューヨーク総領事やトルコ特命全権大使などを務めた明治政府の外交官内田定桘氏の邸宅として明治四十三年(1910)に東京渋谷の南平台に建てられた。 横浜市は平成九年(1997)に内田定桘氏の孫・宮入氏からこの邸宅の寄贈を受け、”山手イタリア山庭園”に移築・復元した(国指定重要文化財)。 室内には復元された家具や調度などがあり、当時の外交官の暮らしが体験できるようになっている。北側に隣接する水や花壇を幾何学的に配した庭園は、イタリアの庭園様式を模したもの。
■”ブラフ18番館”と”外交官の家”との間にプロムナードがある。 ブラフ18番館の西側の敷地から石段を上がると貝殻型の壁泉があり、壁泉越しに眺める外交官の家は、トンガリ屋根の八角塔屋があってメルヘンチックだ。 壁泉から葉を落としたメタセコイアの並木道を進み、メタセコイアの木の間から外交官の家を眺めながら正門に向かう。
寄棟造天然スレート葺で塔屋付の外交官の家は、傾斜した屋根に突き出たように四方向にドーマー・ウィンドウを設けていて、まるで古建築にみられる煙出しのようだ。 外壁は全て下見板張りで、多く設けられた鎧戸付き窓が華やかな印象を醸し出している。 正門から外交官の家の敷地内に入る。 洋館を一周して外観を拝観し、北側に設けられた水や花壇を幾何学的に配した整形花壇を眺めた後、付属棟から洋館内に。
△山手イタリア山庭園の中央に”プラフ18番館“と”外交官の家”を分けるようにプロムナード(遊歩道)がある
△プロムナードの途中にある貝殻型の壁泉越しに眺めた”外交官の家”
△プロムナードの背の高いメタセコイアの木々の間から眺めた外交官の家の東側の外観....北東の位置にある八角形の塔屋
△プロムナード側にある通用門越しに眺めた正面(南側)と東面の外観....洋館の様式を色濃く表す”鎧戸”付き窓が目を引く
△正門から眺めた”外交官の家”(以後”洋館”)
△洋館は華やかな装飾が施された特徴のアメリカン・ヴィクトリアン様式の建物
△寄棟造天然スレート葺で木造二階建の塔屋付洋館....傾斜した屋根に垂直に突き出して設けられたドーマー・ウィンドウ(ジェットドーマー)が東西南北4ヶ所に設けられている
△外壁全面は華やかな印象を醸し出す下見板張り・オイルペンキ塗り
△洋館と前庭の芝生に置かれたテーブルと椅子がある光景は趣がある....芝生の右手が馬車廻し?
△窓が多い東面に比べて西面は簡素な造りで、並べた4つの小窓があるだけ
△洋館の北東の位置に設けられたトンガリ屋根八角形の塔屋が特徴的
△下見板張りの外壁に設けられた鎧戸付き窓
.△陽が入らない洋館の北面....元町市街が一望できる
△洋館の北側窓から見下ろせる整形花壇
△整形花壇はイタリアの庭園様式を模した水や花壇を幾何学的に配した花壇
△整形花壇の西側には「バラと輝く噴水の庭」が広がる庭園....イタリアの庭園様式を模したもの
■1階は多くの来賓をもてなすフロアで、ダイニングルーム、小客間、大客間そして八角形塔屋のサンルームがある。 最初の部屋は、おもてなしの重要な場であるダイニングルーム、その東隣に落ち着いた雰囲気の小客間、その外側には朝陽が差し込む大きな窓のサンルームが備えられていて、まさに憩いのひとときに打って付けだ。
サンルームの腰壁には無双窓があり、足元に涼しい空気を取り入れるようになっていて面白い。 小客間の南隣が大客間で、玄関に一番近い部屋。 大客間には庭に張り出したベイ・ウインドウ(出窓)があるが、部屋をより広く感じさせるトリックのようだ。
△洋館の西側に設けられた付属棟.....この棟から館内に入る
△1階のダイニングルーム....1階は多くの来賓をもてなすフロア....ダイニングテーブルは残された1本の脚から再現されたもの
△ダイニングルームに備えられているマジョリカタイルをしつらえた暖炉型ストーブ
△ダイニングルームから見た小客間
△小客間の右奥は大客間、左はサンルーム
△小客間と奥(南側)に大客間
△八角形塔屋の1階のサンルーム....陽の光が差し込む鎧戸のないガラス張り窓、腰壁は引き違いの無双窓になっていて足元から涼しい風を入れられる
△洋館の東側1階にあるサンルームと大客間を繋ぐ通路....腰壁にはサンルームと同じ無双窓を設けた造り
△大客間から見た小客間
△大客間....左には庭に張り出したベイ・ウインドウ(出窓)、右手の壁に暖炉がある
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