何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

福山八幡宮-(1) (福山)

2021年04月06日 | 寺社巡り-広島

【広島・福山市】江戸時代初期の天和三年(1683)、福山城第四代城主水野勝種が福山藩初代藩主水野勝成の築城の際に野上口と延広小路へ遷された2つの八幡宮を、備後福山総鎮守社として松廼尾山に移転させ両社八幡宮とした。
社殿は本殿、幣殿、拝殿、随身門、鳥居、惣門等それぞれ東西に同一規模、同一形式にて並べ建てられ、東御宮を延広八幡宮、西御宮を野上八幡宮として祀られた。 以来、水野氏改易後も歴代藩主の崇敬厚く、福山の城中城下の他、近郷や近在より多くの崇敬を集めた。
御祭神は、応神天皇(人皇第15代/誉田別命)、神功皇后(応神天皇御母君/息長帯比賣命)、比売大神(紀理姫命・多岐都姫命・市杵島姫命)の三柱。

◆福山城から城の北側に鎮座する福山八幡宮に向かう。 道脇を流れる小さな川に沿って白壁の築地塀が続き、塀の間に少し離れて同じ形式の2つの惣門がある。 門構えは寺院のような雰囲気だが、門前に社号標石が立ち、門を通して境内参道奥に立つ鳥居が見える。
小川に架かる緩やかに反った石橋を渡り、門柱に「福山八幡宮 東御宮」の聯が掛けられている惣門に。 惣門をくぐって境内に入ると直ぐ右手に東参集殿、左手に大きな軒反り屋根の手水舎が建つ。 両側に石灯籠が立ち並ぶ切石敷きの参道を進んで朱塗りの鳥居に....樹林を背に立つ笠木が大きく反った鳥居は両部鳥居で、日本で三番目に古い木造鳥居だそうだ。
木々の中の階を上りつめると、創建時に朱門と呼ばれた随身門が建ち、左右の格子の中に随身像が鎮座....左に赤の衣冠束帯姿の凛々しい顔の若相像、右に黒の衣冠束帯姿の老相像が椅座して社を護っている。 随身門の社殿側の左右には趣のある木製の狛犬が安置されている。 見るとと吽形には頭頂に立派な一角があるので雌の狛犬、そして阿形は雄の獅子ということになる。
随身門をくぐると神々しい雰囲気の境内が広がり、正面に東御宮が鎮座している。 東御宮の左には回廊で結ばれた合祭殿、その奥に西御宮の荘厳な社が建ち並んでいる。 拝殿側面の真ん中あたりから幣殿及び本殿の周囲は、緑色に塗られた連子窓付きに透塀で囲まれている。 連子窓の連子の隙間からカメラを突っ込んで幣殿と本殿を撮ったが、本殿正面の両脇間に禅宗様の花頭窓を設けていて驚いた。 花頭窓のある社殿は始めて見る。 また、両側面一間には四隅を落とした花頭をイメージさせる窓枠の格子窓があって興味をそそられた。

△堀のような川と築地塀で囲まれた福山八幡宮の西御宮の切妻造本瓦葺の惣門....奥に東御宮の惣門がある

△東御宮の切妻造本瓦葺の惣門....西御宮の惣門と同じ造り

△惣門は薬医門の形式....門扉は上に連子を入れた桟唐戸/門柱に「福山八幡宮 東御宮」の木札が掛けられている

△東御宮の総門をくぐると右手に東参集殿、左手に手水舎が建つ

△大きな軒反りの入母屋造銅板葺の手水舎

.△入母屋造桟瓦葺の東参集殿....切妻破風の入口が2つある

△両側に石燈籠が並ぶ切石敷きの参道奥に両部鳥居が立つ

△笠木が大きく反った朱塗りの両部鳥居....日本で三番目に古い木造の鳥居....東西両鳥居の束額に掲げられた社号額の「八幡宮」は近衛左大臣基熈の筆

△両部鳥居から見上げた社殿境内への石造りの階と随身門

△両部鳥居の傍に鎮座する姿勢がいい狛犬....左の吽形は頭に角があるので雌の狛犬、右の阿形は雄の獅子だろう

△切妻造銅板葺の随身門....正面左右の格子の中に御幣と随身像が鎮座

△軒廻りは二軒繁垂木、組物は平三斗で中備は本蟇股

△正面(南面)の左右に椅座の随身像が鎮座....左は赤の衣冠束帯姿の若相の像、右は黒の衣冠束帯姿の老相の像

△随身門を通して眺めた拝殿

△随身門の社殿側(北面)に安置されている木製の狛犬、左の吽形は一角がある雌の狛犬、右の阿形は雄の獅子

△西側から見た東御宮の随身門....全体に朱漆塗りが施され創建時には朱門と呼ばれた

△境内の東端から眺めた社殿前の境内

△東御宮の右から随身門、拝殿、本殿....拝殿と本殿の間に幣殿が建つ

△拝殿の四方は全面がガラス入り格子窓と腰部は羽目板

△入母屋造銅板葺の拝殿....鳥衾付き鬼板が乗る唐破風の向拝

△拝殿の2本の梁上に板蟇股と彩色された本蟇股が乗る/兎毛通は猪目懸魚、梁上の板蟇股と破風板の金飾りに水野家の家紋「丸に抱き沢瀉」が配され、水引虹梁上の彩色された金蟇股の脚間に虎のような彫刻

△東御宮の側面と後方に巡らされた連子窓付き透塀

△菱格子窓を設けた幣殿と正面に千鳥破風を乗せた方三間の入母屋造檜皮葺の東御宮本殿....大棟と千鳥破風に外削ぎの千木、また計5本の堅魚木が乗る

△幣殿と本殿が連なり、本殿に擬宝珠高欄を巡らす....軒廻りは二軒繁垂木、組物は出組で中備は脚間に彫刻を施した本蟇股、軒支輪がある/千鳥破風の拝は猪目懸魚、妻飾は虹梁大瓶束

△少々見え難いが正面両脇間に禅宗様の花頭窓を設けている

△東御宮本殿の大棟と千鳥破風に外削ぎの千木、また計5本の堅魚木が乗る

コメント
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