よかど!鹿児島

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岡野雅彦氏の講演③/鹿児島の話題・情報(61)

2010-09-27 06:43:50 | 鹿児島の話題・情報

3年前に1億個達成した「痛くない注射針」

不良品を1個も出さない、技術力の高さ

痛くない注射針。21日に写真を掲載しましたが、この針は、金属加工の達人でなければ作り出せない、ユニークな形をしている。針先は細く根元は太いという、今までにはなかった形だ。針の太さが均一のまま細くした場合、薬が流れにくくなる。

そこで2001年、医療機器メーカー「テルモ」が、先端に行くほど細くなる形をした、“痛くない注射針”の開発に乗り出した。

しかし、大きな壁に直面する。従来の注射針は、細長いパイプ状の金属をカットしていたため、当時、あちこちの企業に依頼して回ったが、そこで、太さが均一にしか作れなかったのだそうだ。そこで行き着いたのが、岡野社長だった。依頼を受けた岡野社長は、今までになかった大胆な発想で、注射針を作った。

それは、それまでに培ったプレス加工技術を応用し、1枚の金属板を丸めるというものだった。厚さわずか100分の5mmのステンレス製の板を、太さの違いが出るようカットし、高度な技術で丸めたのだ。そしてついに、不可能と言われた開発を、誰もが思いつかなかった方法で、岡野さ社長は成し遂げたのだ。

テルモの開発に関わった研究員は、「それは、裏打ちされた経験や感性が豊かで、、次はこういう世界が描けるはずだとか、こういうものがそのうちこうなっていくはずだとかという事を常に考えてますよね。そのあたりが普通の技術者とちょっと違うんじゃないかなと思います」 と評している。

会社には、不良品を入れる箱が置いてないそうです。なぜなら今まで不良品を1個も出していないそうだ。普通の企業は、どうして不良品を少なくするかで悩んでいるのに、1個も出さないとは、何という技術なんだろう。まさに下町の魔術師のなせる技なのだろう。もうびっくりというしかない。

かごしま企業家交流協会

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