正直なところ,僕はガ○ダムやらウェヴァンゲリウォンなどの「人型ロボットに乗って何かと戦う」といった類のアニメとは縁が薄いのだが,全く無知というわけでもない。
そこで,そういう知識を数学の授業でも生かせないかと思いついたのが,極座標の説明の仕方である。
「敵機,□時の方向に出現!距離,250!」とかいう,司令室で誰かが叫ぶ,アレはまさに極座標そのものである。
自分が極(原点)で,そこからどれだけの距離,また進路からどの方向に敵の機体だか機雷だかがあるのかを表現するというのは,まさに自己中な極座標の考え方そのものの応用である。
したがって,もし学生に「極座標って何の役に立つんですか?」と聞かれたら,上に述べたような場面で必須だと答えるつもりである。
なお,この状況では自機の移動に伴い,極と進路が時々刻々と変わる。そういう場合は数学においては moving frame,つまり動径座標と呼ばれるものに相当する。
この例えについてはたぶん過去にブログに書いたこともある。
他にもこの類の,学生に身近な(?)たとえはないかと考え続けているのだが,その一つを開発中である。
それは,行列式の Laplace 展開などと呼ばれる,あの「第○行で展開する」といった話についてのものである。
よく,敵からの攻撃に備えて,「何とかシールドを展開します。」とか,技を繰り出すためだか何かで「何々フィールド,展開!」とか司令室や操縦席で誰かが唱えるシーンがある。
斥候か何かから通信が入る。
「敵,出現!サイズは 4,名前,A と判明!全成分,分析完了!データ,転送します!」
司令長官が叫ぶ。
「4次の行列式 |A| を算出!」
で,パネルの前に張り付いている何人かのうち,先輩らしき人物が後輩らしいのに言う。
「よし,新入り,お前がやってみろ!手順は頭に入っているな?」
新入り呼ばわりされた人物は,初々しく,「ハイ!」と威勢よく返事をしたのち,作業にとりかかる。
まず,「掃出し法,始動!」と叫び,第何行に第何行の何倍を加えるだとか,汗だくになりながら掃出し計算を何度か行う。
その結果,「第2列,掃出し完了!」とコールされる。もちろんどっかの誰かが復唱する。
先輩が「これから,第2列に関して Laplace 展開!」と叫ぶ。実際の作業は新人君の仕事である。
「符号確認!」
行列の左上の (1,1) 成分から「符号変化なし」でスタートする。そうすると,右隣の (1,2) 成分は「符号変化あり」になる。その下に行くと,交互に「符号変化なし」と「符号変化あり」が割り振られる。
新入りは,パネルのスイッチをバチンバチンと音をさせながら上に入れたり下に入れたりして,符号変化を指定していく。
ときどき先輩に
「おバカッ。お前,訓練所で何を習ってきたッ。+ や - は,符号をそう置くって意味じゃなくて,『符号変化なし』,『符号変化あり』のサインだっただろうがァッ。もっぺん訓練所に入り直してこいッ。」
とか怒鳴られつつも,新人君は歯を食いしばって必死に作業をこなしていく。
で,3次の行列式の値を求めなければならない。
先輩「さあ,これからどうする?お手並み拝見と行こうか。」
新人君の回想シーン挿入:
いかつい教官:いいかぁ,お前ら,サルスで立ち向かう相手は,2次か3次だけにしておけ。4次以上のときはなぁ,サルスの方法じゃあ歯が立たねぇんだよ。間違ってサルスっちまうと,命を落とす羽目になるぞ。しっかり肝に銘じておくんだな!
回想シーン終了。
新人君の心の声:よし,相手は3次に落ちた。今ならサルスでとどめを刺せる!
新人「サルス(Sarrus. サラスともいう。)の方法で行きます!
1×(-4)×2 たす・・・。」
こうして無事に4次の行列式の値が求まる,というわけである。
そこで,そういう知識を数学の授業でも生かせないかと思いついたのが,極座標の説明の仕方である。
「敵機,□時の方向に出現!距離,250!」とかいう,司令室で誰かが叫ぶ,アレはまさに極座標そのものである。
自分が極(原点)で,そこからどれだけの距離,また進路からどの方向に敵の機体だか機雷だかがあるのかを表現するというのは,まさに自己中な極座標の考え方そのものの応用である。
したがって,もし学生に「極座標って何の役に立つんですか?」と聞かれたら,上に述べたような場面で必須だと答えるつもりである。
なお,この状況では自機の移動に伴い,極と進路が時々刻々と変わる。そういう場合は数学においては moving frame,つまり動径座標と呼ばれるものに相当する。
この例えについてはたぶん過去にブログに書いたこともある。
他にもこの類の,学生に身近な(?)たとえはないかと考え続けているのだが,その一つを開発中である。
それは,行列式の Laplace 展開などと呼ばれる,あの「第○行で展開する」といった話についてのものである。
よく,敵からの攻撃に備えて,「何とかシールドを展開します。」とか,技を繰り出すためだか何かで「何々フィールド,展開!」とか司令室や操縦席で誰かが唱えるシーンがある。
斥候か何かから通信が入る。
「敵,出現!サイズは 4,名前,A と判明!全成分,分析完了!データ,転送します!」
司令長官が叫ぶ。
「4次の行列式 |A| を算出!」
で,パネルの前に張り付いている何人かのうち,先輩らしき人物が後輩らしいのに言う。
「よし,新入り,お前がやってみろ!手順は頭に入っているな?」
新入り呼ばわりされた人物は,初々しく,「ハイ!」と威勢よく返事をしたのち,作業にとりかかる。
まず,「掃出し法,始動!」と叫び,第何行に第何行の何倍を加えるだとか,汗だくになりながら掃出し計算を何度か行う。
その結果,「第2列,掃出し完了!」とコールされる。もちろんどっかの誰かが復唱する。
先輩が「これから,第2列に関して Laplace 展開!」と叫ぶ。実際の作業は新人君の仕事である。
「符号確認!」
行列の左上の (1,1) 成分から「符号変化なし」でスタートする。そうすると,右隣の (1,2) 成分は「符号変化あり」になる。その下に行くと,交互に「符号変化なし」と「符号変化あり」が割り振られる。
新入りは,パネルのスイッチをバチンバチンと音をさせながら上に入れたり下に入れたりして,符号変化を指定していく。
ときどき先輩に
「おバカッ。お前,訓練所で何を習ってきたッ。+ や - は,符号をそう置くって意味じゃなくて,『符号変化なし』,『符号変化あり』のサインだっただろうがァッ。もっぺん訓練所に入り直してこいッ。」
とか怒鳴られつつも,新人君は歯を食いしばって必死に作業をこなしていく。
で,3次の行列式の値を求めなければならない。
先輩「さあ,これからどうする?お手並み拝見と行こうか。」
新人君の回想シーン挿入:
いかつい教官:いいかぁ,お前ら,サルスで立ち向かう相手は,2次か3次だけにしておけ。4次以上のときはなぁ,サルスの方法じゃあ歯が立たねぇんだよ。間違ってサルスっちまうと,命を落とす羽目になるぞ。しっかり肝に銘じておくんだな!
回想シーン終了。
新人君の心の声:よし,相手は3次に落ちた。今ならサルスでとどめを刺せる!
新人「サルス(Sarrus. サラスともいう。)の方法で行きます!
1×(-4)×2 たす・・・。」
こうして無事に4次の行列式の値が求まる,というわけである。