A Rider's Viewpoint

とあるライダーのものの見方

友人のラーメン屋さんに行く

2008-01-14 09:44:12 | 所感
 年賀状で友人がラーメン屋を開いたことを知った。開店は昨年の8月だということだから僕もずいぶん友達甲斐のないヤツだったようだ。
 彼とは10年以上前、今はなきパソコン通信のツーリングサークルで知り合い、キャンプやオフ会などで懇意にさせてもらっていた。僕に娘が生まれて以来そのサークルの活動から遠のき、次第に疎遠になってはいったが、今でもその時の仲間数人とは年賀状のやりとりが続いている。

 さて、その店の名前を教えてもらってから、さっそく店のホームページと開店時間を確認した。日曜祝日が休みで開店時間がお昼のみ。これは土曜日に行くしかないな。ということで年末年始のお休みが明けた12日に出かけることにした。

 お店の開店時間11:30にあわせて最寄りの駅に着く。駅のホームに降りたのが11:37だったから店に着いたのは開店10分後の11:40頃だろうか(最寄り駅からはむちゃくちゃ近いのだ)。僕が店内にはいると、ちょうど満席になったばかりのようだった。
 店主の彼に黙礼をし、券売機でチケットを買う。ラーメンかつけ麺か迷ったが、今日は雨も降って寒い。特製ラーメンにすることにした。

 ほどなく開店直後の客と思われる親子連れが帰る。奥さんの「今日は雨の中ありがとうございました」という接客が暖かい。いいぞ。無愛想な店は味はともかく雰囲気が良くないからな。
 カウンターに座って彼と二言三言話す。今日の閉店後、ホームページのリニューアルのため僕も知っている彼の親友が写真を撮りに来てくれるらしい。宜しく伝えるように頼む。
 ラーメンが出来、店主が僕に器を手渡してくれる。その際ぼそっと「こわいな」と一言。何を仰いますやら。自営業、しかもその評判が売れ行きを左右する飲食業ななんてとても僕には恐くて出来ない。何代か続いた家業をたたみ、自宅兼店舗を改装してまで始めた新しい商売。その覚悟と志には尊敬の念を覚える。

 さて、いよいよ最初の一杯。意外とあっさりしている。とんこつと魚介系のダシを併せた味。「節」の風味が後味として残るから魚介の風味が強めか。麺もまた決して柔らかすぎることはなく、舌触りも歯ごたえも良い。チャーシューもシーチキンのようにスープの中でホロッと崩れる。うまい。
 器を手にして数分、開店直後のためか具にちょっと冷たさを感じるものがあったのだけが気になったが、麺もスープも瞬く間に完食してしまった。

 正直言って、「感動した」というほどの手放しの絶賛はしない。しかし、非常に正直な嘘偽りのない味であると思う。派手さや目新しさはないが、ラーメン一杯に対し真摯に向き合った実直な味という気がする。
 また店の雰囲気~BGMの選局や奥さんの暖かい心のこもった接客も含め、「自分の近所にぜひ欲しい一店」であることは間違いない。またぜひ食べに行きたいと思う。
 彼の人柄を偲ばせる店、ふたりのお嬢さんの名前からつけたというこの店が、いつまでも続いてくれることを、友人としてだけではなく、ただの食いしん坊の一人として、心から願わずにはいられない。