A Rider's Viewpoint

とあるライダーのものの見方

魍魎の匣を観る

2007-12-26 23:17:30 | つれづれ
 日曜日夜、魍魎の匣を見に行った。京極夏彦の同名小説を原作とした映画だ。
 日本人形のような美少女が箱に詰められていてにっこりと微笑む。
 この奇妙なイメージと、箱の中の少女がつぶやく「ほう」という言葉が妙に印象深かったことを思い出す。

 映画を見終わり、改めて小説の頁をパラパラと繰ってみると、映画と違う点が多いことに驚く。
 しかしながら、この映画は魍魎の匣だ。小説を読んで頭の中に思い描くイメージの断片は、明らかに映画の中の画面に当てはまる。映画を観て「ああ。こんな画像だったんだな」と妙に納得している自分に気づく。

 僕自身も魍魎に取り付かれてしまったのだろうか?
 ラストシーンの最後の画、箱の中の少女が「ほう」と言って微笑む場面に心奪われてしまった。

***

 匣の中には綺麗な娘がぴつたり入ってゐた。

 日本人形のやうな顔だ。勿論善く出来た人形に違ひない。人形の胸から上だけが匣に入ってゐるのだらう。
 何ともあどけない顔なので、つい微笑んでしまつた。

 それを見ると匣の娘も
 につこり笑つて、
「ほう、」
 と云つた。
 ああ、生きてゐる。

 何だか酷く男が羨ましくなってしまつた。

***

 ……ちょっとヤバいかもしれない。(^^;