風に誘われて

あの山から、あの海から、私を呼ぶ声が聞こえます。
風が「行こう!」と誘います。
風に誘われて、さあ立ち上がろう!!

オンネトーに魅せられて半世紀

2015-06-24 | 北海道の夏 8年目(2015)
昔々、半世紀近く前の若かりし頃、大きなリュックを背負い北海道を周遊したことがある。
当時はリュックを背負った姿から「カニ族」と呼ばれた若者が北海道を廻ることがブームになっていた。

九州からは寝台列車で東京に行き、姉の家に宿泊。
その後は夜行列車で青森に向かい、青函連絡船で函館へ。
その後、函館⇒洞爺湖⇒襟裳岬⇒釧路⇒阿寒湖⇒摩周湖⇒野付半島⇒網走⇒稚内⇒礼文島⇒旭川⇒札幌と周遊し、
また函館から青函連絡船で青森に渡り、更に夜行や寝台列車を乗り継いで九州に戻った。
まだ飛行機に乗ることが一般的なことではなく、JRが国鉄と呼ばれていた時代で、
今のように旅館やホテルが多くはなく、ユースホステルや国民宿舎を利用したものだ。



その中で印象に残っているのが、滞在時間5分のオンネトー。
一日に1~2本しかないバスが終点のオンネトーキャンプ場で折り返す僅かな時間を利用して、
オンネトー湖畔まで走って行って、またバス停まで走って戻っただけのごく短い滞在だった。
が、その蛍光ブルーに輝く湖水の色は、いまだに忘れられない美しさだった。

その後は訪れる機会がなかったが、8年前に北海道滞在を始めた時以来20回位は来ているのではないだろうか。
しかし諸条件で色が変化する湖と言われる通り、あの最初に見た時の色には巡りあえず・・・
夫からは「昔の思い出は美化されるものだよ」と冷ややかな言葉もあったが、
それにもめげず、今年も2週間足らずの間に3度訪れた。
これはもう、老い先短い高齢者の「再び、あの色を」の執念のようなもの。
さて、今年は昔に見たような色のオンネトーをみること出来るのだろうか・・・


                                        

1回目 (6月7日)


雌阿寒岳(左)と、阿寒富士(右)


 
見る場所、見る時間、お天気具合などで、色が変化するので見飽きない。


                                        

2回目 (6月12日)

 
今日は、湖水を風が吹き渡ったり風がやんだりで、その度に色が変化する。
 


キャンプ場を抜けた先の湖岸
ここでは湖が近いので、より湖が身近に感じられるし、時季ごとのお花が咲いていて楽しめる。
 

帰る頃になってパーッと日が差し湖面が蛍光ブルーに輝いた
50年前に見たのも、こんな色だったような気がして感動
 

                                        

3回目 (6月15日)
この日は、朝起きると風がなくて無風状態。
こういう日は湖面が綺麗に違いないと、オンネトーに走る

 
思った通り湖面が安定していて、鏡のように対岸の木々が映って綺麗


 
こんな美しい湖面が見られるのに、訪れている人は本当に少ない。
もっと多くの人に見せてあげたいような、でも、このままそっとしておきたいような・・・



今年見るオンネトーは、この8年間で一番美しいような気がする。
50年も経てば周囲の環境条件も変化しているので、通常では以前と同じ色を保つことは難しいだろうが、
何とかここまで美しい色を保たれているのは、北海道だからこそだろう。
オンネトーへのアクセスは鉄道も路線バスもないが、
この不便こそが、環境汚染を防いでいるのかもしれない。

今年は待ち望んでいた色を見ることが出来たし、
もうオンネトー通いも卒業していいかな・・・と思ったりしているが・・

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