シェムリアップの市街地から離れると、小さな高床式の家ばかり。
それも、清潔とは言い難く・・・
見かけるどの牛も、ガリガリに痩せている・・・
小学生くらいの子供が、仕事を手伝ってお金を稼いでいる。
義務教育を受けるのはお金はかからないらしいが、多分その学校にも行っていないのだろう。
私達が乗った船の舵取りをしていたのも10歳前後の男の子。
舵取りの仕事が終わると、お客さんの肩を揉んで1ドルのチップを貰う。
他に、ちょっと驚いたことがある。
遺跡を見学した時、数人の警察官から自分の帽子を5ドルで買わないかと声を掛けられた。
「ニセ警察官じゃない?」と仲間内で話していたら
「ホンモノ」と、その警察官から日本語が返ってきた
それでも疑っていたら、ガイドさんが
「公務員はお給料が安いので、支給物の帽子や手帳・バッジなとを売って生活費の足しにしている」
と説明してくれた。
うーーーん、それっていいの?
そう言えば、案内されたお土産品店で、店員さんに「チップ」と飴をねだられた人もいた。
飴がなかったのでガムを3つあげると「5個」と更に要求された。
それも悪びれた様子ではなく、当然という顔で。
貧困からくるものか、国民性の違いか・・・
日本も戦後の生活は大変だったけれど、20年、30年後は、それなりの生活は出来ていたと思うが、
一体、何が違うのだろうか・・・
現地ガイドのお父さんは、地方の教員をして10人の子供を育てたので生活が苦しかったそうだ。
「もっといい仕事をすればいいのに」との家族の声に
「要職につけば、戦乱があった場合には一番に命が狙われる」と言って都会には出ず、
小さな地方の村で、貧困ながら安全な生活を選んだという。
ポルポト政権時代には、単に知識人というだけで200万人が虐殺され、
その後も内戦が続き、多くの罪のない人達が命を奪われた。
そういう事情で、ここカンボジアの平均年齢は25歳。
ベトナムの27歳よりも、もっと若い。
今回のベトナムとカンボジアの旅は、世界遺産を巡るだけのつもりでやってきたが、
いろいろなことを考えさせられる旅でもあった。
最近では、その若さの将来性に期待して外国からの資本が流れ込んでいるらしい。
若いからこそ国を変えるエネルギーがあるのかもしれないと、
これからの発展に期待したいと思いながら帰ってきた。
カンボジアのシェムリアップ空港に到着した時に、首にかけて貰ったお花飾り。
洗面所に掛けていたら、ドアを開けるたびに甘い香りが