夫の症状がひとまず落ち着いてくると、今まで目にも入らなかった庭の荒れ具合が気になりだした。
日照りの続く夏の1ヶ月を留守にしていたので、大事な草木のいくつかは枯れてしまい、
草は伸び放題で無残な状態だ。
だが、その劣悪な環境の中でも健気にも花を咲かせて心を和ませてくれる存在がある。
それは朝顔。
朝顔は、今年は留守にするために種は蒔かなかった。
しかし、1ヶ月ぶりに帰った我が家の庭に、
それも土の無いはずのテラスと踏み石の隙間から蔓は伸びて、花を咲かせていた。
おそらく昨年の花のこぼれ種が、わずかな隙間にある土から芽を出したのだろう。
これはS君の思い出の朝顔で、去年お母様から分けて頂いたもの。
毎朝、ピンクと紫と青の花を順番に咲かせてくれる。
雨戸を開けながら、「今日は何色かな?」と朝顔を見るのが今の楽しみ。
S君、綺麗なお花を今年も咲かせてくれて「ありがとう!」