風に誘われて

あの山から、あの海から、私を呼ぶ声が聞こえます。
風が「行こう!」と誘います。
風に誘われて、さあ立ち上がろう!!

姉夫婦を迎えて  ①オホーツク海に沿って

2013-09-29 | 北海道の夏 6年目 (2013)
本来は、お花の綺麗な時期の7月に来道するはずだったのが残念ながら都合で流れ、
やっと9月に実現した姉夫婦の9日間北海道旅。

来る直前に急激な冷え込みがあったので「暖かい格好で」とアドバイスしたが、
到着する日からまた暑い夏が戻ってきて、「暑い」 「薄手の服を持ってこなかった」との苦情あり
まあ、お天気ばかりはどうしようもない。
寒くて風邪をひくよりはマシと思ってくださいな。


        

空港には朝に到着。
早い時間なので、その日がゆっくり過ごせる。
お天気がいいので、オホーツク海に沿ってのドライブ。

朝日ヶ丘公園⇒能取湖⇒サロマ湖⇒ワッカ原生花園⇒能取岬⇒モヨロ貝塚


ひまわり畑
女満別には常にどこかで《ひまわり畑》が見られるように種まきの時期をずらしてくれているが、
その心遣いが嬉しい。
7月には空港付近で満開だったが、今は朝日ヶ丘公園の《ひまわり》が満開
青い空、白い雲、黄色のひまわりは絵に描いたよう。



能取湖のサンゴ草(アッケシソウ)
数年前の絶滅状態から少しずつ危機を脱して、小さな芽が出つつある。
以前の状態になるには10年位はかかるとの声もあるが、この様子では5年位で戻るかも・・・



昼食は、いつもの「かがり屋」で。
期待通り、新鮮で美味しい。



サロマ湖にある「ワッカ原生花園」は、もう花の最盛期は過ぎているので、
サンゴ草群生地までの散策路を歩く。
ここのサンゴ草は、色づくには少し早いが、能取湖よりは隙間なく広がっている。



今日の夕食は、ご近所さんに頂いた「バフンウニ」を中心に。
私は、とげの大きい「ムラサキウニ」より、この「バフンウニ」のほうが美味しいと思うが
「バフン」という名前がイマイチ・・・
味は抜群なのだが

セスナ機で空中散歩

2013-09-25 | 北海道の夏 6年目 (2013)
つい先日は、旭岳に初冠雪というニュースが!
先月には春の花チングルマを見たばかりというのに、本当に北海道の夏は短い。


滞在先の前に広がる畑は、つい半月ほど前にジャガイモの収穫が終わったと思ったら、
今日はもう、小麦の種まき。


我が家の畑も、トウモロコシ、玉葱などの収穫は既に終わり、今日は枝豆とじゃがいもの収穫。
役目を終えた野菜は次々と抜かれて、畑はだんだんと寂しくなる。


             

今月上旬にあった空港祭りの抽選で、なんとセスナ遊覧が当たった 

  
パイロットも入れて4人乗りの小さなセスナ機。
席は操縦席の隣なので眺めがいい


パッチワークのような畑の景色


網走市街地


左に見えるのはオホーツク海、手前の湖は「藻琴湖」向こうは「濤沸湖」 
そして遥か向こうに見えるのは知床連山

ほんの20分程だったが、思いがけない、秋の空中散歩。
私を引き当ててくれた人に、ありがとう 

十勝へ女性3人旅 美術館巡り

2013-09-22 | 北海道の夏 6年目 (2013)
十勝旅の宿泊は、モール温泉で有名な「十勝川温泉」
温泉宿に女性3人で泊まるとなると、お決まりは夜更けまでのおしゃべり。
一緒に温泉に入り、美味しい食事を頂いた後は、他愛ない話で盛り上がり・・・
さあ寝ずにおしゃべりを・・と思っていたのに、私だけ布団に入った途端にバタンキュー
やはり昔の乙女は、夜に弱くなったものだ 

    


十勝には花ガーデンが多いが、美術館も結構多い。
3人で相談した結果、今回は3ヶ所の美術館を巡ることにした。


 ① 中札内美術村にある「北の大地美術館」
ここでは、絵を観ると言うより、この大きな窓から見える林を見るのが一番の目的。


林を写すSさんの姿を後ろからIさんが写し、更にその2人の姿を私が写す。

一幅の絵のように見えるこの大きな窓は、四季折々の美しさを見せてくれる。
今回は、晩夏の林。
緑濃い夏を過ぎ、少し寂しげな林もまた美しい。


ランチは、美術村にある「ポロシリ」で。

カフェテリア方式なので、つい目が欲しがり手が伸びる。
気がつくとお盆の上は隙間もない位に小鉢が並んでしまい、お腹いっぱい
結局、楽しみにしていたデザートを食べられなかったのが今でも残念

 ② 神田日勝記念美術館 (鹿追町)

絶筆となった農耕馬の半身の絵がシンボルとなっている「神田日勝記念美術館」

最近「日曜美術館」で放送されたこともあって、この美術館を訪れる人が増えたのでは・・?
と思っていたが、この日は平日ということもあるせいか、私達3人だけの貸し切り状態。

ここを訪れる人は、それぞれの神田日勝への思いがあるはず。
絵に対してだけの思いがあれば、開拓民としての苦労を含めての背景を思う人もあり、
32歳の若さで急逝したことへ思いを寄せる人もある。
音声ガイドを耳に、自分に合ったペースで、自分だけの世界で静かに鑑賞できたが、
こんな贅沢時間は地方ならではのこと。
都会ではなかなか味わえない貸切美術館の空気を存分に味わえた


 ③ 福原美術館 (鹿追町)

ここではフラッシュを使わなければ撮影OKなのが嬉しいし、
神田日勝の絵が結構あるのも嬉しい。

  
静物画も緻密で、尚且つ温かみもあって素敵。


神田日勝の絵は暗いという印象を持っている人が結構いるが、こんな弾けた絵もある。

32歳という年齢を考えると、これからもっと画風も変わり、また彼の違った一面が出てきただろう。
そんなことを考えながら、ここもまた3人貸切状態の静かな館内を存分に愉しんだ

十勝へ女性3人旅 大森カントリーガーデン 

2013-09-19 | 北海道の夏 6年目 (2013)
ここ滞在地で知り合った友人は土いじりが大好きで、
「以前からずーっと行きたいと思っていた」というのが広尾町にある「大森カントリーガーデン」

お花の綺麗な時季に一緒に行こうという話になったが、同行の3人のスケジュールがなかなか合わず、
やっと行けたのはお盆過ぎの、お花の季節が終わる頃。
それぞれ夫を家に残し、しばし家事から解放されて女性だけの1泊旅行。

  
入口は丸太を重ねたり束ねているだけの素朴さ。
「作りのが簡単そうだし、温かみがあるし、自分の家の庭作りに取り入れたい」って話になったが、
よく考えてみると、北海道の広い庭なら可能だけれど、我が家の狭い庭では無理・・


   
ここは1000種に近い品種の宿根草を販売していて、昨年からカフェもオープン。
カフェの中からは、手入れの行き届いた花いっぱいのガーデンが眺められ、
横のコーナーではガーデニング・グッズや小物を販売。

 
  
本来は苗の卸し販売が主らしいのだが、その苗の見本を兼ねてのガーデンがとても素敵
結構広いガーデンなのに、よく手入れされていて気持ちいい。

このところ北海道の花ガーデンが人気になっているが、
その多くのガーデンが、ここで苗を仕入れているとか。
 


ふと目にした白いギボウシが何故か心に残り、庭を見終わったあとにその話をすると、
どういう訳か3人とも同じように気になっていたことが判明。
「3人が同じように心惹かれたのだから」と、その花を購入することにしたが、
残念ながら正確な花の名前も分からないし、場所もハッキリ覚えていない。
すると売店の女性が
「では、その花が咲いていた場所まで一緒に行きましょう」とついて来てくれた。

忙しいのに、ただ1本の苗の為に、ガーデンのあちらこちらを歩き回って探してくれることに感動したが、
このような心遣いが、このお店のそこかしこに感じられる居心地のいいガーデンと販売店だった。


因みに、3人の心を捉えた白いギボウシの名前は《ダイアナリメンバード》
あのダイアナ妃を偲んで名付けられた新しい品種だとか。

子供キャンプのボランティア

2013-09-11 | 北海道の夏 6年目 (2013)
8月上旬
子供キャンプに、ボランティア・スタッフとして参加

  
このキャンプ場は山・川ありの自然がいっぱい。
こんな場所で、アウトドアに詳しいスタッフのもとでキャンプ生活が出来る環境は、さすが北海道!

山に行って木の種類を調べたり、川でラフティングをしたり、養蜂業の見学をしたり。
夜は星空を眺め、星座の話を聞いたり。
他にも草木染めや、ボルダリング(ロッククライミング)などなど・・盛りだくさんのプログラム。
もちろん、キャンプには欠かせないカレーライス作りも。



ただ、楽しんでいる子供たちのそばで、スタッフはとても忙しい
特に女性は一人しかいなかったので、早朝から夜まで私は食事作りのオバちゃんとなり
衛生面に気をつけ、食欲が湧くように、子供の好きな味にと孤軍奮闘

あわよくば、ラフティングができるかも・・・釣りが出来るかも・・・の夢は儚く消え去り
ひたすらキッチンで、気温の暑さと火の熱さに汗を流し続けた5日間。

泊まるところも初めて体験するバンガロー。
最初は「バンガローは虫がいるかも・・、布団がなければ眠れないかも・・」と気にしていたが、
一日が終わるとクタクタで、そんなことを考える余裕もなくバタンキュー。
(ただ夜中にトイレに行く時は、真っ暗闇に懐中電灯だけで恐かった

そんな忙しさの中の楽しみは子供の成長を見ること。
個性のぶつかり合いの中で、それぞれが何かを掴んだに違いない。

食事作りという裏方スタッフだったけれど、「また来年も来るね」と手を振ってくれた子供たち。
別れの時に走ってきてハグしてくれた子もいた。
わずか5日間だったけれど、心が触れあえた喜びと、久し振りに働いた実感と充実感。
こんな心のご褒美があるから、つい「来年も」と思ってしまう。
さて、来年も元気でお手伝いできるといいのだが・・・

旭岳 裾合平(すそあいだいら)でリベンジを果たす

2013-09-08 | 北海道の夏 6年目 (2013)
8月4日
2週間前に旭岳に行って花いっぱいの景色を眺めることは出来たものの、
裾合平が積雪のために途中で引き返したことが、どうしても胸に引っかかったまま・・・
この年齢になると「来年また」ということが当たり前に出来るとは限らない。
日程的に可能ならば今年のうちにもう1回トライと、やってきた。

  
北海道の、それも高山の夏は駆け足で過ぎていく。
2週間前は散策路近くに一面咲いていた《チングルマ》は綿毛に変わっていた。

   
登山道の真ん中に島のように咲いていたのに、今は綿毛でちょっと寂しい。
さてさて、この先のある裾合平に咲くと言う花たちは、咲いているのか、もう散っているのか・・・と、
期待と不安が入り混じる。


  
《ワタスゲ》が風に揺れていると思えば、もう《コケモモ》の実が赤く色づいている。


  
《ミヤマリンドウ》と《エゾオヤマリンドウ》



2週間前には全く見かけなかった《マルバシモツケ》



もう残っていないだろう・・と侮っていたら、まだ何カ所も残っていた雪渓。
雪を踏み抜いて転ばない様に、滑らない様にと、何とか歩き・・・


前回引き返した分岐点を右に進んで、しばらく歩いたら・・・


花の回廊が広がったーー

  
右も左も、行けども行けども、遥か彼方までの視界の全てが《チングルマ》を中心に花の群落!

  
「カムイミンタラ」(神々の遊ぶ庭)と呼ばれる由縁がよーく理解できる。
まさしくこの場所は神が遊ぶ場所かもしれない。
天国の景色はきっとこんな場所なのでは・・と、しばしその風景に身を委ねる。

  
私は《チングルマ》の花が大好き
この花畑の中で寝ころびたい



遠目では《チングルマ》が目立つけれど、よく見ると色々な花が咲いている。
今まで雪に埋もれていたので、雪解けとともに一斉に咲き出したのだろう。


  
《ツガザクラ》と《アオノツガザクラ》


  
《エゾコザクラ》


  
《ミツバオウレン(三葉黄蓮)》と《エゾノハクサンイチゲ》かな?


  
《ミヤマバイケイソウ》
ある場所で満開と思えば、雪が解けたばかりの場所は芽が出たばかり。
こういう状態を見ると、ここは早春・春・夏・初秋が隣り合っていることを感じる。



この薄いネットを被った花は初めて見たが、何と言う花なのだろう?
花に詳しい友人に訊いても、花図鑑で調べても分からずじまい。
(誰か教えて!)
(※早速、花に詳しい友人から「ミヤマサワアザミでは?」の連絡あり。 ありがとう!)

気になっていた裾合平に行くこともでき、花の群落も見ることができ、2週間前のリベンジ大成功!
だが、やはり「姿見駅」から片道3時間の道のりは相当堪えた。
はたして来年は行けるかな・・・?

今年もゴッホ祭へ

2013-09-06 | 北海道の夏 6年目 (2013)

今年も昨年と同じ7月27日に、女満別で「ゴッホ祭」が開催された。
ゴッホと女満別の関係は、黒澤監督の映画「夢」で、
主人公が夢の中でゴッホと出会うシーンを撮影したことから始まった。

確かに、麦畑が広がる風景や、その麦畑にカラスが群れ飛ぶ様子は、
ゴッホの最後の作品と言われる「カラスの群れ飛ぶ麦畑」によく似ている。


  
昨年は、この「ゴッホ祭」に参加したことで、沢山の町の人たちと知り合うことが出来た。
このご縁は、中学生の時から大好きだったゴッホが繋げてくれたと今でも信じている。

ゴッホに、そして、温かく迎え入れてくれた地元の人たちに感謝をしながら
昨年のゴッホ祭で知り合った友人達とワインで乾杯

道北の旅 名寄 &塩狩峠

2013-09-04 | 北海道の夏 6年目 (2013)
    
道北3泊4日の旅では美味しいものを沢山頂いたが、
その中で一番印象に残っているのが名寄(なよろ)のカフェ・レストラン
地元野菜や鹿肉を使った丁寧なお料理のほか、ジャムもパンもジュースも手作り。

  
最初に出された前菜プレートには、
パプリカのきんぴら、茄子ピザ、夏野菜のトマト煮、ピーマンのマリネ、ズッキーニと生ハムのピンチョス。
その後は、鹿モモ肉のロースト、ロコモコ、カルボナーラ、ピザなどでお腹いっぱい!
そして何より、最後に頂いたソフトクリームの美味しかったこと!

レストランというよりカフェの雰囲気のお店なので大して期待もなく入ったが、予想に反して嬉しい誤算。
店主ご夫婦のお人柄からくるのだろう、とても居心地がいいのが何よりのご馳走でもある。
また行きたいお店が出来て、道北へ行く楽しみが増えたのが嬉しい。


                            

  
これも、行こうと思って行ったのではなく、唐突に現れた所が、あの「塩狩峠」だった。
塩狩峠とは、言わずと知れた小説「塩狩峠」の舞台となった場所。

私が抱いていた「塩狩峠」のイメージは、もっと標高が高く山深い場所と思っていたので、
ヒョイとカフェに降り立って、その横に標識とモデルとなったかたの石碑を見た時は正直なところ驚いた。
この近くには作家の三浦綾子が執筆した部屋が移築されているらしいので、
次にはゆっくり訪れてみたい。


帰りの車の中から、大雪連山に低くたなびく雲が見えた。

道北には何度も訪れたけれど、今回の旅で、今まで知らなかったことや、また行きたい場所が見つかった。
こうして北海道の魔術にかかってしまうのだろうが、これが元気で生きる力となるのなら有難い魔術だ。

道北の旅 砂澤ビッキという彫刻家

2013-09-02 | 北海道の夏 6年目 (2013)
7月24日~27日

滞在先で親しくなったご夫婦と、3泊4日の道北への旅に出掛けた。
このご夫婦とは毎年夏の1ヶ月を隣同士の家で過ごして3年目になる。

この旅で一番印象に残ったのが、音威子府(おといねっぷ)にあるミュージアム。
この地にアトリエ兼住居を持っていた砂澤ビッキ(故人)の作品を展示しているが、
作品や生き方を知るにつけ、その強烈さに圧倒された。


砂澤ビッキは、1978年に音威子府に居を移し、
亡くなるまでの10年間で1000以上の作品を残したと言う。
単純に計算すると1年間で100、ということは一つの作品を作るのに3~4日。
凄いな~


  
廃校になった小学校をアトリア兼住居として使っていたが、
その場所は今ではビッキのミュージアム「アトリエ3モア」となっている。


  
ビッキが使っていたノミや彫刻刀が展示、というか、
ビッキが戻ってきたら、すぐにでも作品作りが出来そうな空気が流れていた。


  
この部屋の作品は手で触ることができるというのが嬉しい。
手から伝わるノミ跡の感触から、ビッキの心が伝わってくるような温かさを感じた。

左の作品は、誰もが思い思いに差し込んで造ることができるそうで、
他の場所で展示する時は、一旦分解して会場で組み立てるとか。
その場その時で形が変わるのはちょっと面白い。

右の椅子は、足が猫や鹿のようでもあるし、見る角度によっては女性の足のようでもある。


  
ビッキが内装を手掛けた札幌のバー「inai inai bar」の内部をそのまま移築したカフェ。
円形のカウンターや、ビッキ文様と呼ばれる印形の木彫りやアクセサリーが温かい雰囲気を醸し出している。



これは、かつて音威子府駅前に建てられていたトーテムポールだが、
今はこの部屋で風化にまかせられ、自然にかえるのを待っている。
ビッキは自分の作品が風化していくのは自然の流れと捉え、敢えて修復せず
「自然のままの樹木を素材にしている限り、それが衰退し崩壊していくのは当然のこと」と
気に留めなかったそうだ。

館長さんの話の端々から、村の人たちのビッキに対する思い入れと愛情をひしひしと感じた。
こんなにも村の人たちから愛されたビッキの人となりをもっと知りたいし、作品ももっと見てみたい。