風に誘われて

あの山から、あの海から、私を呼ぶ声が聞こえます。
風が「行こう!」と誘います。
風に誘われて、さあ立ち上がろう!!

秋色の十和田湖

2015-11-02 | 北海道の夏 8年目(2015)
十和田湖畔に泊まった翌朝、早起きして「休屋早朝自然散策」に参加した。
これは朝6~7時の1時間、ボランティアガイドさんが十和田湖畔を散策しながら説明してくれるのだ。
(十和田湖のホテル宿泊者は無料、それ以外でも300円と格安)


 
湖畔の朝は、ちょっと肌寒くもあるが空気が澄んでいて気持ちがいい。



せっかくの紅葉日和なのに、この日の参加者は私達を含めて4名と少ない。
2名のガイドさんと6人で出発。

最初は空気が刺すように冷たく、ちょっと薄暗かったが
歩き始めてしばらくすると湖面に太陽があたり始め、全体がピンク色に染まってきた。



「恵比寿大黒島」やら「兜島」やら「鎧島」などの小島も紅葉が綺麗。



高村光太郎の最後の彫刻作品「乙女の像」
左右対称で、同じポーズで立つ像は智恵子をイメージし、
光太郎の「智恵子を自然の中に立たせたかった」という想いが込められているそうだ。

この像の側に「乙女の像」に対する光太郎の詩が刻まれていた。
単に像を眺めていた時と違って、読んだ後は、
光太郎が亡き智恵子への追慕をこめて制作したことがより理解できた気がした。


十和田湖畔の裸像に与ふ
                    高村光太郎
  銅とスズとの合金が立ってゐる。
  どんな造型が行はれようと
  無機質の図形にはちがひない。
  はらわたや粘液や脂や汗や生きものの
  きたならしさはここにない。
  すさまじい十和田湖の円錐空間にはまりこんで
  天然四元の平手打をまともにうける
  銅とスズとの合金で出来た
  女の裸像が二人
  影と形のように立ってゐる
  いさぎよい非情の金属が青くさびて
  地上に割れてくづれるまで
  この原始林の圧力に堪えて
  立つなら幾千年でも黙って立ってろ。




散策が終わるころには湖畔にも日が差してきて、紅葉した葉の色も鮮やかさを増す。
さあ朝食が待っている。
たくさん歩いた後の食事は美味しい


私達の泊まった宿・・・
ネットの口コミが良くて決めたのだが、その期待は裏切られっぱなし。
「これでお客さんが離れないのか」と不思議に思っていたら、その理由が何となく分かった気がした。
十和田湖畔の中心地を歩いたが、ホテルもお店も軒並みシャッターが降りて衰退しているのだ。
廃業する宿が多くて数が少なくなれば、企業努力も必要なくなるのかもしれないと、変な納得。
でも、十和田湖や奥入瀬渓流の名に胡坐をかくのではなく、頑張って欲しいものだ  

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