やや曇り。日中でも草取りするのにいい陽射し。
オドリコソウが群落をつくっている。中にポツポツとスミレが花をつけている。それらをいっせいにまとめて引き抜く。雑草という草はないが、もとより草ゝに格差はない。
本棚探っていたら、探している本は出てこなくて、あれコンナところに、という本が出てくる、というよくあるパターン。
で、急遽、鶴見太郎『橋浦泰雄伝 柳田学の大いなる伴走者』(晶文社 2000年)再読することにした。
もう十年以上前の本の気がしないが。
1950年、日本民俗学会は満場一致で3人の人物に名誉会員の称号を与えることを決する。柳田国男と折口信夫と、そして橋浦泰雄である。
つまり、橋浦は日本民俗学の先達の一人と誰もが認める人物であるわけだけれど、実は画家であり、日本共産党員であって戦前からのバリバリのコミュニスト、戦後は生協運動のパイオニアでもあって・・・。ということで、興味津々ならざるをえない人物であるわけだ。
まあ詳しいことはメンドクサイので、といういつものパターンであるけれど、明治21年鳥取に生れて、文学青年をへてナップの幹部になり、そのまま柳田に入門し、という人生の見事なのはその時々の交友がどうやら終生変わらない、という才に恵まれていたらしいこと。有島武郎、白井喬二、柳瀬正夢、というような人生の節目に出会う人物たちから、左傾しようが逮捕されようが変わらぬ交情を注がれる。あの気難し屋の柳田国男も橋浦には最後まで温かな情を示し続ける。なんたって橋浦の家を建てるためにみんなが彼の絵の頒布会を行って、そこに全国からいっせいに金が集まってくるんだからすごい。
というわけで、社交ということの大切さをあらためて思った読書でありました。