路隘庵日剰

中年や暮れ方近くの後方凡走

兄ちゃんを追いかけている日暮れ星

2005年11月28日 | Weblog

 「週刊ブックレビュー」を見たり「新日曜美術館」で吉村順三を見たりしているうちに、本が届く。
 便利な世の中になったものだ。

 まずは、伊達得夫『詩人たち ユリイカ抄』平凡社ライブラリーから読み始める。
 気になっていつか読んでみたいと思っていたものの一冊。
 口絵写真のユリイカ本(book cafe 火星の庭でもおなじみ)がどれも美しい。

  その街で無精ひげをはやした編集者と話して
  その男の名は伝説になった
                   谷川俊太郎「神田讃歌」『日々の地図』所収
  
 伝説になった男の書く文章は、そっと掌に載せてやりたいくらいに皆優しい。
 集中幾つかの文章が既読だったのは、彼の存在が戦後詩の証言者としていろんなところに引用されてきたからだろう。

 昼食後家族で買い物。
 靴屋で皆が品定めするのにお付き合い。店内をぐるぐる廻ってやっぱり車の中で待つ。
 その後、本屋へ。
 冬眠鼠さんがそこで自動ドアに頭を激突される、という事態が出来。その際の小生の対応に皆からブーイング。(詳細省略)
 どうもスンマセン。でもほんとに心配しております。何事もなければいいが。

 帰ってきてから、届いたもう一冊の本、竹内洋『丸山真男の時代 大学・知識人・ジャーナリズム』中公新書 を読む。
 三分の二くらいを読み終わる。
 これが大変に面白い。
 いままでに読んだ丸山真男論とは一味ちがって、著者のフィールドに完全に引き込んでの評論だから、やっぱり刺激的だな。
 丸山のポジション(政治思想史)を法学部の中の文学部として分析するところなど、著者の独擅場、という感じ。
 小生もかつて丸山を集中的に読んだ頃があって、そのときの感想は、頭がいい、というのはこういうことか、というもの。明晰である、ということの快感を存分に堪能する読書というものは、そうそうあるものではない。
 
 ひさしぶりに読書の日曜。
 明日からまた肉体労働。