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「なぜ宇宙は存在するのか」野村泰紀

2023-11-30 00:51:52 | 読書
宇宙は膨張していて距離が遠いほど速い。風船の上に点を置き、膨らませるイメージ。ただ宇宙のサイズが大きくなっているわけではない。銀河は広がるが、原子核と電子の距離が広がるわけでなく、従って、人間のサイズが大きくなるわけではない。
銀河の渦は中心から渦巻きのように回転している。遠心力と向心力が働く、実際観測すると遠心力の方が大きい。実際は6倍の質量が必要。それがダークマター。2つの銀河がぶつかるとき、目に見える物質は相互作用や摩擦が働くが、ダークマターは相互作用が少ないのですり抜けていく。
ダークマターという未知の物質が存在することに、そのうち見つかるだろうと楽観的なのが面白い。それが当然存在すると理解する時代が来るだろうと。
物質は引力があり、互いに引っ張り合うので、いずれ収縮するはずなのに、膨張しているということは、何らかの斥力が働いていると考える。それがダークエネルギー。
宇宙は初期から放射→物質→真空と支配されていった。
10-12秒、数百兆℃。その前は電磁気力と弱い力が統合され、電弱相互作用となっていた。それが分かれた際、クオークレプトンが質量をもった。この構造の変化はヒッグス場に満たされているものの凝縮によって起こった。
真空のエネルギー問題に取り組んだ1人である、スティーヴン・ワインバーグ。電弱統一理論を完成させ、1979年にノーベル賞受賞。人間原理という考えに注目した。
20231126広島からの帰りの電車で読み、非常に充実した気持ち。
この本が分かりやすいのはなぜなのか考えると、例えの明確さがあるだろう。類書では理論を素人でも分かりやすくするよう例え話を用いる。しかしその例え話自体が分かりにくく、余計に理解を妨げがちだ。しかし、この本は例えが分かりやすい。(と言ってもある程度難しいものではあるが。)
 
20231120読み始め
20231129読了

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