医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

<東京医科大>地検入手「不正合格者リスト」大学側も調査へ

2018-07-13 19:44:58 | 医療界
 文部科学省の私立大学支援事業を巡り、受託収賄容疑で逮捕された同省前科学技術・学術政策局長、佐野太容疑者(58)の息子を不正合格させたとされる東京医科大が、過去に不正合格させた受験生の氏名などを記録したとみられるリストを作成し、東京地検特捜部が入手していたことが関係者への取材で判明した。同大は6日の記者会見で過去の不正合格について「あったという認識はない」と否定しつつ、弁護士に依頼して事実関係を調査する方針を明らかにしている。

 関係者によると、リストは近年のものもあり、受験生の氏名に加え、同大側に依頼したとみられる親族の氏名などの記載もあるという。同大関係者は毎日新聞の取材に「今回の事件のような裏口入学は過去にもあったと聞いたことがある」と証言。一方で、別の同大関係者は「最近は合否判定が厳格になっており、不正合格など考えられない」と話している。

 佐野前局長は官房長だった2017年5月、同省の「私立大学研究ブランディング事業」の対象大学選定で便宜を図るよう同大の臼井正彦前理事長(77)から依頼された見返りに、今年度の同大入試で息子を不正合格させてもらった疑いがあるとして逮捕された。臼井前理事長や鈴木衛前学長(69)は特捜部の任意の聴取に不正への関与を認めているという。

 同大の今年度の入試はマークシート方式の1次と、小論文などの2次で実施。事務方が合計得点順に受験生の名前を並べた書類を作成し、鈴木前学長や副学長ら10人弱で構成する入試委員会が合否を判断する仕組みだった。【巽賢司、遠山和宏、金寿英】

2018年7月13日 19時34分(最終更新 7月13日 19時34分) 毎日新聞