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香港デモ

2019年06月15日 | 時事
香港、逃亡犯条例の改正延期…説明不足を理由に
雨傘革命の再来のようになっていましたね。

この逃亡犯条例というのは、たとえば香港人が中国で罪を犯し、香港に逃げ帰った場合、中国側に引渡しができないという一種の治外法権状態なのを改善させようという、ごく当たり前のもののはずです。どこの国でも犯罪人の引渡しについては条約で取り決めを結んでおり、それがない国(香港は都市)に対して新たに条例を設けようとすることはなんら不自然ではないように思えます。歴史の勉強をしていれば、治外法権が認められている状態の方が不平等であるということは明白ですからね。

しかし、これがなぜ香港でここまで暴動に近い大規模デモに発展しているのかというと、香港は中国でありながら長らくイギリスの統治下にあった特殊な状況にあり、返還後は一国二制度といって中国でありながら自由な経済活動と民主政治が認められてきたわけです。それゆえにこの条例が制定されると「中国側から香港にいる反中国派をあらぬ罪をでっち上げられて中国に送還されてしまうのではないか」ということを危惧しているのですね。つい最近も中国では天安門事件についての報道・ネット規制を徹底的に進めていましたし、本土ではとてもじゃないですけど民主主義であるとは言えず、このようなデモも北京では二度とできないでしょう。NHKがこの報道をするたびに映像を遮断してしまうようで、知る機会さえ与えないという徹底振りが見られます。政治には口出ししない代わりに、経済については社会主義国家とは思えないほど活発になっているわけですが(笑)香港は明らかに統制が及ばない目の上のたんこぶのようになっており、この条例制定を機会に引き締めがきびしくなるのではという住民の不安は、おそらく的を得ているでしょう。

というわけでデモが起きたわけですが、香港政府はとりあえず延期ということで収束を図ろうとしている模様です。最初にも言いましたが言い分としては犯罪者が野放しになっていいはずがないので、もう一度しっかりと説明をし、市民が懸念していることが決して起こらないという確信と安心を与える方向にシフトしたもようです。これで強行採決しようものならもっと大事になっていたでしょうから、とりあえずの措置としては譲歩したと言えますね。ただこの先送りで皆が納得するかはわかりませんが・・・

こういう政情不安が続くと、普通の観光客も近づきにくくなりますしいい事はありません。まあ日本ほどおとなしすぎるのも問題ですが、デモもほどほどにするべきですな。