鴨着く島

大隅の風土と歴史を紹介していきます

4年ぶりのあいら木市

2024-01-21 21:24:57 | おおすみの風景

1月の半ば過ぎの日曜日に開催される「あいら木市」は、植木物の市というのが始まりだったようだが、植物はじめ家庭で使う刃物やら仏具やら何でもござれの露店市である。

起源は相当古いようで、江戸時代からという。近くの町串良町でも、こちらは「二十三夜市」といい、古くから正月の23日前後に開かれている。

今度の市で、なかなか面白い大道芸にであった。

葛飾柴又の寅さん風のスタイルでバナナのたたき売りをする「だいどう小平太」という人の芸で、寅さんが諸国に出張ってテキヤの口上をするまねをしながら、実際に見物人にバナナを売るのである。

町内の某銀行前の駐車場が舞台で、見物人はさくらではなく、実際に売値を飛ばして買い求めていたのだが、たたき売りの値踏みなどあってないようなものだから面白い。

「可哀相だよ、屋根屋のふんどし」から始まって、寅さんが映画『男はつらいよ』で使っていた口上の数々がこれでもかと登場する。しばしなつかしさに浸ることだった。

朝早くは曇っていて、雨になるかもしれないと思ったのだが、その心配は全くなく、午後になると何と快晴になっていた。

たたき売りが終わってからこの芸人さんに聞くと、寅さんの衣装やかばんなどは現地柴又まで買いに行っているとのこと。自分も年末に柴又に行って来たというと、ちょっと驚いたようだった。

芸人さんの名は「だいどう小平太」で、この独自のスタイルになって20年だそうだ。ユーチューブでも流しているという。

※帰宅後に調べてみると、間違いなくそのサイトがあり、いくつかのたたき売りシーンがあった。

このあと同じ舞台でカラオケ仲間と「のど自慢」に出たが、青空のもとで唄うのはのびのびして気持ちが良い。

木市の賑わいは途切れることなく、どこかからか焼き鳥を焼く匂いや子供たちのはしゃぐ声が聴こえて来たりして久しぶりの「縁日」を味わった。