鴨着く島

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関係は大いにありそうだ!

2022-07-25 15:58:45 | 日本の時事風景
一昨日のブログ <安倍晋三著『美しい国へ』を再読③> の最後で、――『美しい国へ』の最終第6章と第7章には共通して「子ども」及び「家族(家庭)」について多くのことが書かれているのだが、安倍氏は「家族、このすばらしきもの」と主張し、特に「子どもを産み育てることの損得を超えた価値」に再三言及している――と指摘したが、このことと世界統一神霊協会という名称が「世界平和統一家庭連」に変わったことに関係があるのか、無いのか、をカッコつきで疑問を呈しておいた。

今日のテレビ報道番組(MBC)「ゴゴスマ」(午後1:50~3:50)で、まさにこのことが取り上げられていた。

それによると、世界統一神霊教会が「霊感商法」と言われる資金集めの活動によって世間から糾弾されるようになった1990年代に、統一神霊協会という名称を変更し、1997年には国に対して宗教法人「世界統一神霊協会」から現在の「世界平和統一家庭連合」を申請していた。

だが、主管する文部科学省では「名称を変更するだけの理由が見当たらない」という、言わば「お役所の先例主義」によって、門前払いしていたという。

だが、この「申請ー却下」の押し問答は2015年になって急転直下の動きがあり、ついに申請が受理されたという。

当時の文部科学大臣は自民党の下村博文氏であった。

下村氏本人にに報道番組の記者が質問しているが、下村氏は「申請があったことは承知しているが、許可は部長が出した」という。

これに対して元文科省事務次官だった前村喜三氏は「それは有り得ない。最終判断は大臣だ」と反論している。

下村氏が全く知らなかったと白を切るのならそれはそれで別の問題だが、申請があったと知っており、それが認可されたのであれば、当然、最高責任者である大臣の決裁があったはずで、部長サイドで認可が決まったというのは、おかしい。最終決定を下したのは下村大臣だったと言うべきだろう。


(「ゴゴスマ」の画面より)

ただ、問題はこれだけではない。下村氏は自民党の安倍派の重鎮なのだ。安倍氏亡き後の派閥の後継者候補にも挙げられているほどである。

つまり安倍氏と極めて近い間柄であり、ブログの当初で触れた世界統一神霊協会が「家庭連合」なる名称に変わったことに対して下村氏が安倍氏の「家族、このすばらしきもの」という主張(理念)に忖度して、というより、当時首相であった安倍氏に相談して決定の決裁を出した可能性が浮上して来る。

私は真相はこれだろうと思う。

そもそも安倍氏の尊敬する母方の祖父・岸信介元首相は、1968年に「国際勝共連合」という政治団体を神霊協会とは別に組織して日本の保守政治家に食い込みつつあった統一神霊協会教祖・文鮮明とは親しかったのである。(※反共という理念が一致していた。)

その安倍晋三氏が神霊協会に親しみを感じていたとしても不思議はなく、2021年の秋に開催されたという世界平和統一家庭連合の外郭団体が主催した会合にビデオメッセージを寄せたのは、決して当該団体の強制によるものではなく、みずからの判断で寄せたのだろう。

ところがそれを見た山上容疑者は、ついに安倍氏の襲撃を思い立ってしまった。どのような経緯で山上がビデオを視聴したのかははっきりしないが、おそらく母親が連合から配布されたビデオではないかと思われる。

母親は故安倍氏に対するよりも「神霊協会に対して申し訳ない」と述べていると聞くが、この母親の洗脳はまだ全く解けていないようだ。容疑者よりもこの母親の精神鑑定をしなければなるまい。(※先祖がたとえ地獄に落ちていても、金では救えないのだ。)

それにしても世界統一基督教神霊協会というキリスト教まがいの宗教団体はキリスト教の世界では「カルト宗教」という扱いだが、教祖がメシア(救世主=キリスト)の再臨とはよく言ったものだ。日本人を食い物にして「先祖が地獄にいる。地獄に落ちる」をキャッチフレーズにして恐怖心をあおり、日本から金を巻き上げる宗教のようだ。

宗教と金(宗教法人はいくら収入があろうと無税だ)、宗教団体と政治家、それぞれの癒着は自由と民主主義の敵ではないか。

日本には地域に根差した「祭り」がある。祭ることによって神(祖先)と人(老いも若きも男も女も)が一体になり、日々是好日、今が大事という安らぎと覚悟を生む。

故安倍晋三氏は「家族、このすばらしきもの」と言った。たしかにその通りだ。しかし家族は今ここに、そこに、あそこにある。宗教とは一線を画すべきだったろう。再拝。