鴨着く島

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オリンピックは開催するが、東京圏は無観客!

2021-07-09 10:17:51 | 日本の時事風景
IOC、同調整委員会、東京都、JOC、オリンピック組織委員会による「5者協議」が開かれ、東京オリンピックは日程通り開催されることが最終決定された。

ただし、東京、神奈川、千葉、埼玉の首都圏で行われる競技については「無観客」で、ということになった。一昨日に発表された東京および沖縄への緊急事態宣言延長、そして他の神奈川、千葉、埼玉(大阪も)は、まん延防止措置が延長される。

どちらも期限は8月22日までと大幅な期間延長だ。オリンピックが8月8日に終わっても、そのあとすぐにお盆休みに入り、人流が抑えきれないだろうとの読みからだろう。

しかしその一方で、愛知、福岡、北海道などへの措置は、予定通り明後日7月11日に終了するという。

これにはちょっと首をかしげる。福岡や愛知や北海道から大阪圏や東京圏の大学・専門学校に来ている学生などは、一足先に夏休みになるだろうからどんどん郷里に帰るだろう。そして自粛を解かれた開放感に「酔う」に違いない。片手落ちの感は否めない。

今朝、菅総理の会見を見ていたが、いつになく饒舌というか、手元に目を落とすこともなく、会見場を見回す余裕すらあったように思えた。これはIOCのバッハ会長の「東京オリンピックを安全に開催するためなら、どんな措置でも取って協力する」という強いバックアップの言葉があったからだろう。

これまで「観客の上限はどうの、こうの」と観客を入れて開催することに固執していたのが、ここへ来て最大の後ろ盾であるIOCの理解が得られたとばかり、「無観客」に落ち着いた。菅総理としては「不退転の決意」に違いなく、むしろさばさばしたというのが本音だろう。

とにかく最低限、開催さえすれば、一応のメンツは立つ。IOCもアメリカの馬鹿テレビメディアからの多額の放映権料が保証される。国民もアメリカの馬鹿テレビによる「アメリカファースト」の放映プログラムに制約はされるが、ビデオを駆使すれば一応我が家で観戦はできる。

考えようによっては、くそ暑い真夏の東京で開催されるあらゆる競技を、冷房の効いた茶の間で涼しい顔をしながら見られるから、熱中症を心配しないで済む。(※ただし、使用電力のピークが電力各社のマックスを超えなければの話だが・・・)

まあ、いずれにしても「前代未聞のオリンピック」になることは間違いない。

「東北大震災と福島の復興を成し遂げたことを世界に示す」ことが目標(売り)だった東京オリンピック。それが無理と分かると、今度は「人類が新型コロナ禍に打ち克った証にする」はずだった東京オリンピック。

このどちらのスローガンも、もはや空しく響く。福島は未だ汚染水や汚染土の処分の目途が立たず、廃炉にあと40年(!!)は掛かるというし、新型コロナ禍の克服は道半ばだ。

せめてオリンピック期間中に台風が直撃したり、「線状降水帯」が東京の空を覆わないことを願うばかりだ。