IOCのトーマス・バッハ会長が7月8日に来日し、3日間の隔離を経て11日に日本側の組織委員長・JOCなどと対面し、挨拶をしたが、「安心・安全に開催されるに違いない東京オリンピック」へのエールの締めくくりに、「大切なのはジャパニーズ・ピープルだ」と持ち上げようとして、「大切なのはチャイニーズピープルだ」と言ってしまった。
単に口を滑らせたに過ぎまいが、本心なのかもしれない。
というのは、一昨日、菅総理と会談し、「感染の状況が好転すれば、観客を入れて欲しい」と申し入れていたからである。
バッハ会長の言い分は、「日本でもサッカーや野球などの試合に観客を入れているわけだから、オリンピックもそうして欲しい」というものだ。オリンピックだけが例外なのはおかしい、ということである。
理屈の上では不平等に思えるが、しかし国外からの来日選手団と関係者、それに海外メディアの人員の数を知れば、やはり感染の危険は無視できない。日本国民への思いやりに欠けているとしか思えない。
第一、去年の3月下旬にオリンピックの延期を決めた時、日本ではまだ全国で感染者の累計が1000名もなかったし、世界でパンデミックの様相を呈し始めたと言っても、全世界で10万くらいなものだった。
そのレベルで「夏にオリンピックを開いたら感染拡大に歯止めがかからない」という理由で一年の延期が決定されたのだ。
それを考えると、いま現在の日本で、東京だけでもこの3日は一日で1000名を超え、全国でも一日で3000名の新規感染者が出ている状況では無観客が正解だろう。
「大切なのはジャパニーズ・ピープル」なのであれば、当然そう言わなくてはならないはずだ。
今日、バッハ会長が広島の平和公園で、もう一人の要人コーツIOC調整委員長が長崎を訪れ、原爆慰霊碑の前に献花をした。
オリンピック開催期間中の「戦争放棄」を世界に向かってアピールするためだそうだが、こういうことは初めて知ったし、有難いことだと思う。
1964年の東京オリンピックの時にはなかったイベントだ(と思う)。
このこと自体は、国境と民族を超えた平和のスポーツの祭典オリンピックの名に恥じない。
けれどもウイルスの方は待ったなしで、東京圏ではもう感染第5波に入ったに違いない。この状況下ではバッハも取り付く島が無いだろう。
バッハ会長の心の内はすでに来年2月の「北京冬季オリンピック」に向いているのかもしれない。北京政府は「われわれは新型コロナに打ち克った」と言っており、向こうでなら通常の開催をしてIOC役員たちもVIP待遇が受けられるはずだ。楽しみで仕方がないだろう。
しかし、中国では丸一年、「感染者数10万、死者数4800」という統計のままだ。つまり武漢市だけで他の都市には感染者がいないということだ。いったいこれが信じられるだろうか。
武漢と人口規模のほぼ同じ東京都では、感染流行のこの1年半で累計感染者数19万余りで、死者数は2300足らず。感染者数は約2倍だが、月当たりで換算すれば、武漢は東京の5倍になる。
だから、私は少なくとも共産党政府発表の5倍の規模の感染者・死者があったと思う。それは武漢から全国に拡散した分はカウントしていないと思うから、実際はもっと多いはずだ。自国の弱点は10分の一に、他国による被害は10倍に膨らますのが共産党流だからだ。
来年2月の北京冬季オリンピックはそんな数値を隠して(報道管制を敷いて)開催されるだろう。そして高らかに「コロナに打ち克ったのは東京大会ではなくわれわれの大会だ」とメディアでもSNSでもどんどん流されるだろう。
そして「やっぱり本当に大切なのはチャイニーズ・ピープルだった」とバッハは確信するに違いない。
習近平の不敵な笑いと、二年連続して放映権料ががっぽり入るバッハ会長のほくそ笑みが目に浮かぶようだ。
単に口を滑らせたに過ぎまいが、本心なのかもしれない。
というのは、一昨日、菅総理と会談し、「感染の状況が好転すれば、観客を入れて欲しい」と申し入れていたからである。
バッハ会長の言い分は、「日本でもサッカーや野球などの試合に観客を入れているわけだから、オリンピックもそうして欲しい」というものだ。オリンピックだけが例外なのはおかしい、ということである。
理屈の上では不平等に思えるが、しかし国外からの来日選手団と関係者、それに海外メディアの人員の数を知れば、やはり感染の危険は無視できない。日本国民への思いやりに欠けているとしか思えない。
第一、去年の3月下旬にオリンピックの延期を決めた時、日本ではまだ全国で感染者の累計が1000名もなかったし、世界でパンデミックの様相を呈し始めたと言っても、全世界で10万くらいなものだった。
そのレベルで「夏にオリンピックを開いたら感染拡大に歯止めがかからない」という理由で一年の延期が決定されたのだ。
それを考えると、いま現在の日本で、東京だけでもこの3日は一日で1000名を超え、全国でも一日で3000名の新規感染者が出ている状況では無観客が正解だろう。
「大切なのはジャパニーズ・ピープル」なのであれば、当然そう言わなくてはならないはずだ。
今日、バッハ会長が広島の平和公園で、もう一人の要人コーツIOC調整委員長が長崎を訪れ、原爆慰霊碑の前に献花をした。
オリンピック開催期間中の「戦争放棄」を世界に向かってアピールするためだそうだが、こういうことは初めて知ったし、有難いことだと思う。
1964年の東京オリンピックの時にはなかったイベントだ(と思う)。
このこと自体は、国境と民族を超えた平和のスポーツの祭典オリンピックの名に恥じない。
けれどもウイルスの方は待ったなしで、東京圏ではもう感染第5波に入ったに違いない。この状況下ではバッハも取り付く島が無いだろう。
バッハ会長の心の内はすでに来年2月の「北京冬季オリンピック」に向いているのかもしれない。北京政府は「われわれは新型コロナに打ち克った」と言っており、向こうでなら通常の開催をしてIOC役員たちもVIP待遇が受けられるはずだ。楽しみで仕方がないだろう。
しかし、中国では丸一年、「感染者数10万、死者数4800」という統計のままだ。つまり武漢市だけで他の都市には感染者がいないということだ。いったいこれが信じられるだろうか。
武漢と人口規模のほぼ同じ東京都では、感染流行のこの1年半で累計感染者数19万余りで、死者数は2300足らず。感染者数は約2倍だが、月当たりで換算すれば、武漢は東京の5倍になる。
だから、私は少なくとも共産党政府発表の5倍の規模の感染者・死者があったと思う。それは武漢から全国に拡散した分はカウントしていないと思うから、実際はもっと多いはずだ。自国の弱点は10分の一に、他国による被害は10倍に膨らますのが共産党流だからだ。
来年2月の北京冬季オリンピックはそんな数値を隠して(報道管制を敷いて)開催されるだろう。そして高らかに「コロナに打ち克ったのは東京大会ではなくわれわれの大会だ」とメディアでもSNSでもどんどん流されるだろう。
そして「やっぱり本当に大切なのはチャイニーズ・ピープルだった」とバッハは確信するに違いない。
習近平の不敵な笑いと、二年連続して放映権料ががっぽり入るバッハ会長のほくそ笑みが目に浮かぶようだ。