鴨着く島

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「日本が進むべき道」

2019-03-10 14:07:06 | 日本の時事風景

『反日・中韓の詐偽を暴いた』の著書ヘンリー・ストークスはこの本の終章でブログのタイトルにあるように「日本の進むべき道」を項立てをして、おおむね次のように述べている。

 

1、中国は、いつかは名実共に日本を追い落とし、アメリカとともに太平洋を支配したいという野望を抱いている。

”平和で温厚な文明の獅子‘‘(中国のこと)は、今後もねつ造した歴史をカードにして日本攻撃(反日)を仕掛けてくるに違いない。

2、韓国もまた国内問題を「反日」に転嫁することで、政権を維持しようと躍起になっている。

3、2015年7月に安倍政権は「安全保障関連法案」を成立させようとしたが、マスコミの多くは「憲法違反」だとして大騒ぎし、安全保障論議をまともにしようとしていない。

4、国際法で「自衛権」は認められている。集団的自衛権も日本の当然の権利として有している。

5、安全保障について自らのものとして論議ができない最大の原因は、戦後70年、アメリカに自国の防衛を委ねてきたことにある。

6、日本が今日まで存続できたのは、アメリカの軍事力という後ろ盾があったからである。アメリカの軍事力がなければ、日本はとっくに他国に攻め込まれ、蹂躙されていたに違いない。

7、日本が”真の独立国家‘‘として存続していくためには、本書で述べたように、「戦勝国史観」から脱却し、日本国民自身が徹底的に論議を重ねた上で、自主憲法制定へと踏み切るべきだ。

8、独立国家ならまず憲法を改正し、国を守るために軍隊が必要であること、アメリカに防衛を依存しすぎることなく、自らの国は自らが守るという気概を取り戻すべきである。

 

1・2は「反日」が両国のガス抜き的なプロパガンダであることを言っており、この「詐偽性」については、この本で詳しく述べてある通り。ただし、彼らの拠って立つ論拠はアメリカの「東京裁判」(極東軍事法廷)であり、アメリカによる日本悪者仕立ての戦略であった。本書によれば、日本をことさら貶めることでアメリカの原爆投下や都市への無差別攻撃の国際法違反を糊塗しようとした「戦勝国史観」(戦勝国がやった違法性には目をつぶり、戦敗国がやったことだと正しいことでも認めない。もしくは無視をする史観)が日本人の自身の過去(戦前)を見る目を徹底的に曇らせたのだった。

3・4は安倍内閣が成立させた「安全保障関連法」についてで、国際的にはどの国も「自衛権」を持っているという正論を述べている。ただし、集団的自衛権についてはアメリカとの間に二国間安全保障条約を結んでいることで、前提が崩れてしまうことを考慮していない。

国連憲章が想定しているのは国連加盟国同士では二国間の軍事的同盟は暫定的でなければならず、本来は集団的に(多国間で)「国連安全保障理事会」において解決を見なければならない取り決めである。世界各地の紛争地域において出動している「多国籍軍」がそれである。

日本がもし安全を脅かされたら、安保理に訴える。そして必要なら日本国内に紛争解決のための軍隊が派遣されるが、現在は日米安保があるので米軍のみが出動するが、これは本来の国連本位の姿ではありえない。必ず「多国籍軍」でなければならないのだ。

5は全くその通りである。アメリカ軍も日米安保を楯にとって日本を「守る」はずであるが、そのことに関してはトランプ大統領が「アメリカが日本を守るのに、日本がアメリカを守らないのはおかしい」と安保堅持論者にとっては痛い正論を吹っ掛けて来たのは記憶に新しい。

6は、おかしな論議だ。一体どこの国が日本に攻めて来る(来た)というのだろう。確かに朝鮮動乱の時は日本の九州に韓国人が逃れてきたことはあったが、軍隊が来たことはなかった。また中国は貧しくてそれどころではなかったし、もし中国共産党軍が攻めるとしたら、まずは台湾だったはずだ。ソ連が北海道に侵入する可能性が高かったと言えば言えるが、そうなったらそれこそ国連軍の出番となったろう。

7で言う所の「戦勝国史観」はアメリカの仕組んだ東京裁判によるものだったという筆者にしては、そこから脱却する方法が「アメリカに防衛を依存しすぎることなく、自らの国は自らで守るという気概を持つこと」では、心情論に傾きすぎてはいないか、と首をひねる。

アメリカの創作した東京裁判が、日本国民から自国の誇らしい過去を直視する目を奪い、中国韓国の今日の「反日プロパガンダ」をねつ造する根拠となっているのであれば、この際、日米安保を停止してみるのが一番ではないか。そうすれば日本人は自らの国の過去の汚点ばかりをあげつらうばかりでなく、大功績のあった植民地解放の戦後史を誇らしく思うようになるだろう。