万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

銀河の万華鏡映像

2006-08-07 20:20:10 | 万華鏡ブログ
IKA展招待部門に出品された石田千香子さんの万華鏡「Garaxy」の内部映像です。3ミラー・テイパードミラーシステムの3D映像は、大きな球体の映像が特徴です。この作品で石田さんはミラー上に丸いガラスの半球を散らしています。その効果はこの写真のとおり、鏡に映って、天空に浮かぶたくさんの星となりました。カメラのレンズに近い所に位置する半球は焦点が合わずにボヤッとしてしまいましたが、銀河(系)というタイトルのイメージにぴったりな映像ですね。奥の大きな球状の映像から発して交差する光線のようなラインと球状の映像との組み合わせも面白い効果です。
表情の違うガラスを組み合わせて三角錐のように組んだ外部も大変丁寧な造りで、その一面をいくつかの円模様のデザインが内側に描かれた、細かい凹凸のあるガラスを使っています。内部映像の表現と完璧なまでにマッチしたデザインなので、作家さんご自身で描かれたのではないかと思います。石田さんの作品は、残念ながら数点しか存じ上げませんが、余分な装飾を避け、シンプルな形状で、しっかりとしたテーマを持ち、万華鏡の美しさ、映像の奥深さを表現なさっていて、その個性が魅力的だと感じました。
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不思議なガラスの球体が万華鏡!?

2006-08-06 21:13:51 | 万華鏡ブログ
今日はIKA展 招待部門で発表された若林寛さんの面白い万華鏡「ドラゴンボール」をご紹介します。日本人作家の中でも一味違う万華鏡を製作なさっている若林寛さんは、仕掛けや素材のユニークな万華鏡で毎回、私たちを驚かせます。今回の大型の作品は、直径が15cmぐらいの大きなガラス球がてっぺんに載ったどっしりとした感じの作品です。ちょっとはなれたところから見ると透明な静かな球体ですが、近くに行って上から見るとその球面に広がって、変化する万華鏡映像が映し出されています。アイホールを覗くと見える万華鏡でなく、映像の方が迫ってくるところが大変面白いと思いました。万華鏡はガラス球の下に電気仕掛けで回っています。静かなガラス球に命があるかのように、生き生きとそして、次から次へと色の世界が展開します。近づくとセンサーでも働くのかなと思ったほど急に展開する映像に大いに驚かされました。万華鏡の概念の枠を超えるような若林さんの作品にこれからも注目したいと思います。
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糸車タイプ万華鏡の内部映像

2006-08-05 16:53:46 | 万華鏡ブログ
昨日の中村和正さんご夫妻の万華鏡の内部映像です。角度の狭いミラーシステムの先端をカーブしてカットしてあるのだと思いますが、変形3ミラーというミラーの組み方だそうです。不思議な映像ですね。糸車状のオブジェクトを回すと、映像の形はそのままに、色の流れができて、吸い込まれるような感じがします。実際のオブジェクトはいくつかの色のステンドガラスが並んだ細い輪ですが、鏡を通してこんなに豊かな映像になるのが、面白いですね。中村さんはIKA展招待部門では「双子座」という作品を出品なさっていますが、こちらはさらに進化した糸車タイプで、2段の構成になっていて、上がこのような3ミラーの映像、下が2ミラーの中央が盛り上がった映像です。横に長いアイホールなので覗きやすく、映像も大きいので、とても印象的です。この映像タイプに何か素敵なネーミングはないでしょうか。
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アトリエ星の谷・中村さんご夫妻の万華鏡

2006-08-04 12:49:29 | 万華鏡ブログ
「おとなも楽しむ万華鏡」展から中村和正、ミヱ子ご夫妻の作品をご紹介します。先日「人生の楽園」というテレビ番組で紹介されて、すっかり有名になられた作家さんです。1998年から山見浩司さんの指導のもと、ステンドガラス製の万華鏡の製作を始め、クラフト展やグループ展などで精力的に活動、実力をつけて、IKA展や万華鏡大賞展などで数々の受賞歴があります。2001年からは長野に移住なさってアトリエ星の谷をオープンし、ご夫妻で万華鏡を製作なさっています。活動の様子はウェブサイトにも紹介されています。http://www7.ocn.ne.jp/~kazunak/
この作品はオブジェクトの形態から糸車タイプの万華鏡とご自身で名づけたシリーズですが、大変ユニークな映像が見られます。次回ご紹介する予定です。本体にデザインされたステンドガラスのパターンが目を惹き、形状の面白さからこれは何だろう?と思わせる作品には、作家さんの工夫やアイディアがたくさん詰まっているようです。あれこれ様々なタイプのオブジェクトやミラーシステムに挑戦なさっているので、中村さんの作品を見る機会があったら、ぜひそれぞれを覗いて楽しんでいただきたいと思います。
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ブレスレット万華鏡

2006-08-03 20:47:52 | 万華鏡ブログ
「おとなも楽しむ万華鏡」展から豊田まりさんのブレスレットタイプの万華鏡をご紹介します。バングルやベルトなどについているのは、小さくても本格的な万華鏡。いろいろなデザインがあって素敵ですね。実際に腕につけたときに万華鏡の重みでバランスを崩すことがないように、モニターのお友達の協力を得て、試行錯誤の上、形になった作品だそうです。小さなミラーをきれいに組むのも大変な作業です。湿気の多いときは特に大変だそうですから、梅雨が明けたばかりの今回の作品の多くは、ご苦労の末の作品でしょう。ひとつひとつ外装のデザインと映像を合わせるよう、オブジェクトを選ぶときが一番わくわくするそうですが、そんな想いが伝わってくるような気がしました。ブレスレットタイプのほか、ペンダントタイプやブローチ、そして手持ち型の作品も出品していらっしゃいます。豊田さんにとって万華鏡は癒しのアイテムというより、「元気の出る」ものだそうです。最近作品に広がりが出たと感じられる豊田さんです。見てくれる人にも元気になってもらえるような作品作りをこれからも目指していくことでしょう。
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おとなも楽しむ万華鏡

2006-08-02 20:10:29 | 万華鏡ブログ

横浜そごうで開かれている「おとなも楽しむ万華鏡」展(8月1日から7日まで)に行ってまいりました。日本の作家さんのみが出展している展示会です。素材も形もいろいろあって、本当に「大人が楽しめる」作品展でした。個性豊かな日本の作家さんたちの最新作が並び、ひとつひとつ手にとって見られる嬉しい作品展でもあります。そしてお店番をしているのが作家さんなので、制作上のエピソードなどお話を伺うチャンスもあります。今日ご紹介するのは 中村明功・あや子ご夫妻の「DreamingJewels 2」シリーズの作品です。本体の筒は木製で、あや子さんのレトロ調な手描きのデザインが目を惹きます。細部まで丁寧に描かれた図案は、ひとつひとつ違っていて、独特の雰囲気ですね。先端部のオイル入りの球体の中にバーナーワークによるガラス片がゆったりと動き、外から見てもその美しさを楽しめます。ミラーを組み、万華鏡に仕上げるのは明功さん。オーソドックスな正三角形に組まれたミラーシステムを通して、視野いっぱいにオブジェクトの重なりが広がります。手に持って覗いたとき、とても懐かしさを感じる作品です。奥に見える四角い箱はオルゴール万華鏡です。右手にあるねじをまわすとオルゴールが動き、オブジェクトセルが回転します。閉じた万華鏡なので、左側のスイッチを入れると明かりがつく仕組みです。小さなアイホールから、やはりバーナーワークによる色合いの美しいガラスオブジェクトが、音楽の調べにのってきれいな色のハーモニーを見せてくれる作品です。中村さんは万華鏡を好きな人なら知らない人はいない、万華鏡の総合情報サイト「1分間の悦楽 万華鏡の世界」の管理人さんです。 http://kaleido-japan.com/

 

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夏の万華鏡

2006-08-01 21:15:53 | 万華鏡ブログ
今日から8月。夏を表現する万華鏡をご紹介します。 ザ・シーパロット工房の作品、四季シリーズの「Summer」です。2000年に発表された四季シリーズがいったん終了して、2005年からオブジェクトセルの形が変わって、次の四季シリーズとして作られているものです。深い青の光沢のあるガラスが夏の海の色でしょうか。先端部に見えるオブジェクトの鮮やかな色合いが夏らしい明るさを見せています。コバルトブルーのガラスケインとダイクロイックガラスを焼きつけたガラスジュエルがボディーのアクセントになったこのスタイルは、この工房の特徴的なスタイルですが、様々な色合いやテーマで異なった趣の作品になっています。この「Summer」の特徴は、ミラーシステムの第3面に夏の花々が水彩で描かれているところです。どのように見えるかというと、鏡の三角柱の筒のうち2枚の鏡に映りこむ映像は反射を繰り返して、中心のある円形になりますが、もう一面の絵が描かれた面は、その映像の周りに映りこむのです。描かれた花々と、大きなオイルセルの中の色とりどりのオブジェクトがつくる明るい華やかな映像が、きらめきとともに見えています。光がたくさん入る構造のセルなので、映像は透明感と輝きにあふれています。このように奥行きのあるオブジェクトセルの万華鏡の場合、一番きれいに見えるためには、オブジェクトがミラーシステムに近くなるように、斜め上に向けて見ると良いと一般的には言われますが、いろいろな向きで見たり、光の当たり方を替えてみたりして違った見え方があることも楽しんでいただきたいと思います。
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