俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

6月1日(金)

2012-06-01 04:39:10 | Weblog
★青年ら鮎を食べんと畳の間に  正子
ご子息のお友だちだろうか、と想像します。食欲旺盛な年頃の青年たちその彼らが集って食べようとしているのが鮎、すがすがしい風が吹き抜けて行くような情景です。 (多田有花)

○今日の俳句
薫風や沖まで青き播磨灘/多田有花
すっきりとすがすがしい季節を堅実に詠んだ。海の色はところによって違うが、薫風が似合うのは播磨灘の青さだろう。(高橋正子)

○ネット短信
■ネット短信No.148/2012年5月31日発信
□発信者:高橋正子(花冠代表)
□電話:045-534-3290

■□第13回(紫陽花)フェイスブック句会のご案内
□花冠会員・同人以外の方も歓迎いたします。投句は、6月2日(土)
です。ご投句をお待ちしています。
①投句:当季雑詠(夏の句)を計3句、紫陽花など
②投句期間:2012年6月2日(土)午前0時~午後12時(24時)
③互選期間:6月3日(日)午前6時~午後12時(24時)
④入賞発表:6月4日(月)午前0時
▼投句場所(facebookページ「インターネット俳句センター」):
http://www.facebook.com/IntanettoPaiJusenta
■□高橋正子の俳句日記(ブログ)
以下の方の句をご紹介していますので、ご確認ください。俳句の
コメントもお願いします。
小川和子(6/6)古田敬二(6/5)河野啓一(6/4)高橋秀之(6/3)祝恵子(6/2)
http://blog.goo.ne.jp/kakan02/
●インターネット俳句センター
http://kakan.info/

◆後記/信之◆
☆81歳の誕生祝いのメッセージを多くの方から頂きました。ありがとうございます。10代のとき結核を発病し、6年間の療養生活を送り、その快復を待たず、主治医の許しも得ずに大学に進学した私にとっては、ずいぶん長生きしたものだと思っています。家族をはじめ、多くの方々の支えがあったからだと感謝しております。自分の力で生きていくものではなく、生かされていくものだと思い、ありがたいことです。花冠における私の活動にも多くの方々のご支援をいただいています。これからもよろしくお願いします。

○植田


★いとけなく植田となりてなびきをり/橋本多佳子
★鶏鳴のあとのしづけさ植田村/鷹羽狩行
★夕明りして千枚の植田寒/岡本眸
★たつぷりと水面の光る植田かな/辺見狐音
★裏は植田前は大きな日本海/坂上香菜
★通勤の今日より植田道となり/村田文一
★合鴨の入りし植田の賑へり/松元末則
★お札所の森の浮べる植田かな/上崎暮潮

 植田は、田植えを終わって間もない田で、苗が整列し、水田に影を映している。やがて苗が伸びて青田となる。

 天皇陛下は5月30日、皇居内の生物学研究所脇にある水田で恒例の田植えをされた。開襟シャツにズボン、長靴姿で水田に入り、もち米のマンゲツモチとうるち米のニホンマサリの苗を、しゃがみながら1本ずつ植えた。苗は皇居内で昨年収穫された種もみから育てた。この日は計100株を植え、31日以降にさらに100株植える。田植えは昭和天皇が農業奨励のために始め、陛下が引き継いだ初夏の行事。秋には稲刈りをし、収穫した米は皇室の神事などに使われる。

 4月29日に母の見舞いに新横浜から山陽道の福山まで新幹線に乗った。そのときは、
★代田見せ列島下る新幹線  正子
という句を作った。5月22日に母が亡くなったのでまた下りの新幹線を福山まで乗った。東海から近江あたりまでは、田圃はすっかり植田に代わっていた。雨の少ない瀬戸内は雨を待って田植えが始まるのがほとんどだろうから植田は、ぼつぼつという感じであった。日本から水田の風景が消えたら、もう日本ではなくなる。車窓から見ても、直に見ても、折々の水田風景は美しいものだ。飛行機に乗って上空から眺めると、日本中が水浸しになったように植田が広がっている。いとけない苗の緑や、青い空や白い雲まで映る植田。雷雨でもきそうになれば、植田の水はくらくかき曇る。

 子どもの頃の田植は、手で植えていたから、15センチか20センチに伸びた苗を、苗代から一本一本抜き取り一握りになったら藁で束ね、田水に浮かせ置く。一定の間隔を取った駒や布の印をつけた綱を田に張り、その印のところに苗を挿す。根元をいためないように、指で苗を包むように添えて、泥に挿す要領で植えていく。このようにして苗が植わった田圃は、きれいに整列した苗と水の比例が美しい。植田を吹きわたる風がさざ波を起こす。植田こそが水田の風景のなかでもっとも美しいと思える。

★近江には近江の植田水ひかり/高橋正子
★植田となりし遥か向こうに田植せり/高橋正子
★山影の植田は山の影映す/高橋正子
★植田道子が落ちないように連れ通る/高橋正子

◇生活する花たち「蛍袋・時計草・紫陽花」(横浜日吉本町)
コメント (1)
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