俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

6月26日(火)

2012-06-26 15:52:23 | Weblog
★梅雨空に星あることを見て眠る  正子
梅雨雲の間に、ほんの一つか二つ仄かに灯る星を見つける。そのときの安堵とよろこび。これでまたゆっくりと眠り、明日を生きることができる。仮に明日はまた雨降りであっても。この世の万象を受容すると共に、夢や希望を静かに保ち続けるあたたかさが感じられます。(小西 宏)

○今日の俳句
模様替えし部屋に藺草の匂い立つ/小西 宏
住まいは夏を旨とすべし、と言われるように、夏はことに部屋を夏向きに模様替えする。新しい花茣蓙を敷くと、藺草のいい匂いがする。開けた窓からの涼風とともに寛いだ気持ちになれる。(高橋正子)

○半夏生

[半夏生/大船植物園] 

★湯沸かしてつかはずにゐる半夏生/能村登四郎
★鯉の口朝から強し半夏生/藤田湘子
★半夏生咲けばひろびろ空がある/高橋信之

 俳句を始めてしばらくしたころ、「半夏生」という植物があると聞いた。句会では、その半夏生がどこにあるとか、見に行ったとか、見に行こうとかいう話で持ちきりだった。いったいどんな植物なのか、耳には「半化粧」と聞こえる。白粉の半分落ちたお化けでもあるまいが、ちょっと怖いもの見たさの気持ちを起こさせる植物であった。半夏に咲く植物から命名されたと聞いた。
 日吉本町に引っ越して、近所を歩いているとき、ちらっと庭を見て、「もしや半夏生」と思った植物があった。帰って、ネットで検索して半夏生に間違いないと確信をもったが、都市の住宅の庭にも植えられている。日吉本町の古刹金蔵寺にも、半夏生がある。下の方の葉は緑だが、上の方の数枚は白い。そこにひも状の花がつく。花より、葉が白いところが面白い。6月24日に訪ねた大船植物園にも半夏生が群生していた。アマチュアカメラマンが半夏生の前に大勢たむろしていた。花菖蒲によりも、睡蓮によりも沢山カメラマンが集まっていた。いったいどんな写真を撮りたいのか、興味があるところだ。幻想的な写真か。

★睡蓮の池をかくして半夏生/高橋正子

半夏生(学名:Saururus chinensis)は、ドクダミ科ハンゲショウ属。 開花時期は、7/1頃~7/20頃。上の方の葉っぱが、ペンキをべったり塗ったように白くなるのがおもしろい。「半化粧」「半夏生」、両方の名前で呼ばれる。葉の半分ほどが白くなることからの別名「片白草」(かたしろぐさ)。「半夏生」の名前の由来は、夏至から数えて11日目頃の日を「半夏生」と呼ぶが、その頃に、花が咲くことからという。 花期に葉が白くなるのは、虫媒花であるために虫を誘う必要から、このように進化したのではないか、といわれている。花は葉と同じく白で、紐状。花が咲き終わって夏の盛りの頃になると、白い葉の白い部分は色落ちして、ふつうの緑色っぽくなる。山の水辺に群生することが多いが、都会でもときどき植えられてるのを見かける。

◇生活する花たち「木槿・半夏生・柘榴の花」(横浜日吉本町)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする