俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

6月9日(土)

2012-06-09 02:34:00 | Weblog
★蛍ぶくろ霧濃きときは詩を生むや  正子
蛍袋は下向きに咲き中はがらんどう。蛍をこの花に入れて遊んだと言う謂われが有る様ですね。濃い霧となれば尚の事、その先が見えない所に灯す蛍袋を想像すると益々メルヘンの世界に誘われます。霧の名の付く歌詞や詩も多く詠まれて居る様に詩を生む情景が揃い既に御句に詩情を感じました。(佃 康水)

○今日の俳句
車窓から月のたゆとう大植田/佃 康水
米どころを列車で走っている時であろう。折しも月がかかり、たゆたっている大植田を目の当たりにすることができた。月のかかる植田がのびやかに詠まれている。(高橋正子)

○智久さんの結婚披露宴
 祝辞と乾杯の発声
(高橋信之)
 智久さん、亜紀子さん、ご結婚おめでとうございます。ご両親をはじめご参加の皆さん、おめでとうございます。乾杯の前に新郎新婦のことなどを少しご紹介させていただきます。
 新郎の智久君は、私たちの俳句雑誌の同人でして、俳句をほとんど毎日、携帯で送っていただいています。年に一度の「インターネット俳句コンテスト」にもご投句頂き、一昨年の第十九回コンテストでは。金賞を受賞いたしました。それは、「かき氷分け合う海の眩しさに」という句です。この句は、「かき氷分け合う」と「海の眩しさに」との二つに分けることができ、前半は、「分け合う」という生活の中での行為に多くの選者の評価を得ました。後半は、「海」、そして「眩しさ」にある開放的で明るい自然を詠んで多くの選者の評価を得ました。選者の間では、かき氷を分け合う相手は誰か、と話題になりましたので、直接本人にお聞きしました。彼女がいること、亜紀子さんのことを話していただきました。智久君の俳句の良さは、よい生活からよい俳句が生まれたということで、お二人のよい関係からよい俳句が生まれました。それがとても明るいので、たいへん嬉しく思っています。
 それでは、乾杯を致します。ご準備はよろしゅうございますか。お二人の幸せとご両家のますますのご繁栄を願って、乾杯!

正子の報告
 智久さん、亜紀子さん、ご結婚おめでとうございます。
 安藤智久さんの結婚式の披露宴が静岡県の三島市であり、信之先生と私と出席いたしました。朝11時22分新横浜発の新幹線ひかりで三島まで乗車。会場の「みしまプラザホテル」には12時過ぎ到着しました。会場には伊豆や湯ヶ島の山葵組合、地元消防団やご友人、ご親戚の方々、また、ご新婦の方からも大勢ご来席で、みなさんで200名は越えておられたのでしょうか。盛大で心温まる結婚式でした。またお料理には立派な山葵におろし金が添えて出され、さすがと思いました。山葵の食べ方摺り方を隣に座られた中伊豆山葵組合副会長の荻原さんに教わりました。萩原さんのお父さんは俳人で自宅に句碑があり、その句を智久さんがいい句だといってくれたというエピソードも伺いました。ご自身も松山城を旅行したときに投句した句が入賞されて、記念品が送られてきたことなどを話されました。俳句の話をしてくださった方は他にも二人おられ、ご縁を思いした。山葵組合青年部のパワー溢れる活動を知ることができ、智久さんがそのリーダーとしてご活躍のことも知りました。信之先生は「乾杯の発声」と祝辞を述べました。会場入り口には俳句関係では、第十九回インターネット俳句コンテストの金賞の賞状、トロフィー、金メダルが飾ってありました。地元湯ヶ島でご活躍の智久さんご夫妻に前途明るいものを大いに感じて帰りました。
余談ですが、式の始まる前に二人が旅行された長崎の孔子廟で、「孝」「廉」「恥」のどれを自分たちの生活指針とするかというクイズがありました。俳句の精神から言えば、これしかないと「廉」と書いて投票しました。大正解でした。「清廉」の「廉」ですから。

★芍薬のうすいピンクが祝いの卓に/高橋信之
★婚へ向かう車窓梅雨入りの小雨降る/高橋信之
★婚へ走る列車の窓つと青葉/高橋正子
★梅雨に入る婚の灯のゆらぎけり/高橋正子

 3月14日智久さん、亜紀子さん来訪
★スイートピー活け婚約の君ら待つ/高橋信之
★春風吹くかもてなしのケーキの匂い/高橋信之
★花束のように手渡され花わさび/高橋正子

http://pirikara.blog.ocn.ne.jp/amagi/

○石楠花

[石楠花/横浜北八朔]

★石楠花に碁の音響く山深し/高浜虚子
★石楠花に手を触れしめず霧通ふ/臼田亞浪
★石楠花の山気澄まして暮れゆくか/臼田亞浪
★石楠花のまざまざと夢滅びぬる/臼田亞浪
★石楠花の紅ほのかなる微雨の中/飯田蛇笏
★石楠花に聚碧園の樟落葉/飯田蛇笏
★石楠花に三千院の筧水/飯田蛇笏
★石楠花に馬酔木の蜂のつく日かな/原 石鼎
★石楠の谷ありいまだ雪をしき/山口青邨
★石楠花や雲の巻舒を目のあたり/阿波野青畝
★石楠花を隠さう雲の急にして/阿波野青畝

 石楠花(シャクナゲ)は、ツツジ科ツツジ属 (Rhododendron) 無鱗片シャクナゲ亜属、無鱗片シャクナゲ節の総称である。主に低木だが、高木になるものもある。また、日本ではその多くのものがツツジと称される有鱗片シャクナゲ亜属のものを欧米では Rhododendron と呼んでいるので注意が必要である。ただし、有鱗片シャクナゲのなかでも、ビレア(マレーシアシャクナゲ)の仲間は、カワカミシャクナゲのように、日本でもシャクナゲと呼んでいる。Rhododendron としては主として北半球の亜寒帯から熱帯山地までのきわめて広い範囲に分布し、南限は赤道を越えて南半球のニューギニア・オーストラリアに達する。特にヒマラヤ周辺には非常に多くの種が分布する。いずれも派手で大きな花に特徴がある。花の色は白あるいは赤系統が多いが、黄色の場合もある。シャクナゲは常緑広葉樹にもかかわらず寒冷地にまで分布している。寒冷地に分布する種類のなかには、葉の裏側を中にした筒状にして越冬するハクサンシャクナゲなどがある。日本にも数多くの種類のシャクナゲが自生しているが、その多くは変種であり、種のレベルでは4種または6種に集約される。このほか、園芸用品種として数多くの外国産のシャクナゲが日本に導入されており、各地で植栽されている。
 「石楠花」と言ってすぐ思い浮かぶのが、我々「花冠」の師系である臼田亜浪が創刊した俳誌「石楠」だ。これによって、私は石楠花という花の存在を知った。日本にも世界にも石楠花と呼ばれる花は沢山あり、園芸種もあり平地にも育つにも関わらず、山の花と思ってしまう。山登りをして山気に澄んだ大ぶりで派手な花に出会ったらさぞうれしいだろうと思ったりもしていた。たまに、黄色い石楠花を見るが、淡いピンクの石楠花が石楠花らしい。「夏の思い出」という尾瀬を詠んだ歌があるが、その歌詩に「しゃくなげ色にたそがれる」という箇所がある。一昨年尾瀬で八月の終わりの日を楽しんだとき、夕方の空が「しゃくなげ色」だったのを思い出す。先日北八朔町を鶴見川沿いに歩いた時に遠くではあるが、赤系の石楠花を景観木のように沢山植えているのを見たが、ヨーロッパ的な、あるいは、アメリカ的な感じがした。

★石楠花に深山の風の吹き起こる/高橋正子

◇生活する花たち「紫陽花(墨田の花火)・百合・枇杷」(横浜日吉本町)
コメント (2)
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