俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

6月14日(木)

2012-06-14 10:46:00 | Weblog
★朝影のみどりの深き夏ポプラ  正子
ポプラがつくる朝影にいらっしゃるのでしょうか。晴れ渡った日のポプラは、より一層みどりが深く感じられ、夏本番を迎える季節の勢いが感じられます。 (高橋秀之)

○今日の俳句
植田水夕暮れの陽は真ん丸く/高橋秀之
植田に映る「夕暮れの陽」が、「真ん丸く」、おだやかで、まだ明るい夕暮れの情感をよく詠んでいる。「夕暮れの陽」、「真ん丸く」は、言葉より心が優先されていてよい。(高橋正子)

○辣韮(らっきょう)

[らっきょうの花/ネットより転載]

★辣韮も置きある納屋の這入口/高浜虚子
★九頭竜に辣韮洗ひの屑流れ/高浜年尾
★大安吉日らっきょうの飴色/長久保通繪
★辣韮の花咲く土や農土葬/飯田蛇笏
★佐久山やらっきょの花に蝶がつく/細見綾子

 らっきょうを今年も漬けた。特にらっきょうが好きというわけではないが、年中行事のように、漬けている。たいてい鳴門産の小粒のらっきょうを使う。このらっきょうは、他の産地より高めで、今年は1キロ1480円したが、粒が小さくて食べやすい。漬けて3年経ったものでも、カリッとしている。漬けるのは毎年1キロで、カレーライスと食べるか、思いついたときに食べる程度。震災後、災害用に食糧や水などをストックして置くことが勧められているが、らっきょうや梅干しなどは、食の守り神のようなものだ。
 らっきょうは、臭い匂いに似あわず、紫の花火のような小花を秋に咲かせる。なかなかかわいい。収穫は梅雨のころである。子どものころは、農家ではどこでもらっきょうを植えていた。梅雨のころ掘り起こして、らっきょう漬けとなる。掘り起こしたらっきょうは、一つひとつ根と葉を切り落として、汚い薄皮を丁寧にはがす。この作業は祖母と子どもの私の仕事であったが、指の先が固まったように黒く汚れるし、根気のいる仕事であった。母屋と納屋の間の風通しのよいところで作業をした。洗って漬けるのは、母の仕事であった。井戸水で洗えば、きらきらと真っ白になる。それを梅干し同様、甕に漬けて保存食となるわけだ。

ラッキョウ(辣韮、薤、辣韭、学名 Allium chinense syn. Allium bakeri)は、ユリ科(ネギ科とする場合もある)の多年草・野菜。別名は「オオニラ」、「サトニラ」。中国、ヒマラヤ地方が原産。白色または紫色を帯びた白色の鱗茎を食用とする。特有の強い匂いと辛味を持つ。この匂いはニンニクやニラと同じアリル硫化物である。主に塩漬け、甘酢漬け、醤油漬けで食べる。カレーライスのつけあわせ(薬味)として、福神漬とならんでポピュラーな存在である。また薬効も多いとされている。大乗仏教において摂食が避けられることのある五葷のひとつである。


◇生活する花たち「あじさい①・あじさい②・白シラン」(北鎌倉・東慶寺)
コメント (1)
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