俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

6月4日(月)

2012-06-04 07:16:50 | Weblog
★明易し畳に二つ旅かばん  正子
平易で一読直ちに愉しい雰囲気に包まれる御句です。早くから明るくなるこの時季、旅行の準備もととのっています。さあ連れ立って出発、心も弾む夏の朝です。(河野啓一)

○今日の俳句
万緑やわが人生はかく愉し/河野啓一
一読、肩の力が抜けて、とても愉快になる。万緑を吹く風、万緑の光、万緑の色などを愉しと思う心軽い心境をすでにもっておられるからできた句。(高橋正子)

○苧環(おだまき)

[ヤマオダマキ/横浜日吉本町]

★をだまきや乾きてしろき吉野紙/水原秋桜子
★をだまきやどの子も誰も子を負ひて/橋本多佳子

 苧環(おだまき)は、キンポウゲ科オダマキ属。ラテン名のアキレギアやアクイレギア(Aquilegia)ということもある。本属の植物の総称がオダマキ(苧環)である。苧環は元来は機織りの際に麻糸をまいたもののことで、花の形からの連想である。日本、アジア、ヨーロッパに約70種くらい自生し、日本のものは山野草として愛好される一方、外国産のものには品種改良が行われ、園芸植物として広く市場に出回っているものがある。日本にはヤマオダマキ、ミヤマオダマキの2種が山地から高山にかけて分布する。ミヤマオダマキはむしろ山野草として栽培される。花の外側の花弁のようなものは、じつは花弁ではなく萼である。花弁はその内側にあって、ややまとまって筒状になる。花弁の基部からは角状の距が伸び、萼の間から突き出る。根出葉は普通2回三出複葉で細かく分かれ、先端には丸っこい小葉がつく。茎が高く伸びるものでは、やや小型の茎葉が出る。全草が有毒。

砥部の我が家には、ミヤマオダマキが玄関脇に植えてあった。玄関は北側にあって、アプローチが長かったので、そのアプローチに沿っていろいろ植物を植え、そのゆきどまり、つまり玄関脇にミヤマオダマキと都忘れを植えていた。株の広がらないキンメイチクの根もとに植えたのだが、これが来客の目を楽しませた。おだまきは春の季語。

★苧環は児のいる家にはさびしすぎ/高橋正子
★おだまきの青を春の青とせし/高橋正子

◇生活する花たち「ひなげし・おだまき・木苺」(横浜日吉本町)
コメント (2)
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