俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

2月22日(木)

2024-02-22 09:34:49 | 日記
小雨
老いし手に広げて五色雛あられ  正子
友と遭い友と二人が花菜買う   正子
向こうから来る人ばかり春しぐれ 正子

●『ヒューマニズム考ーー人間であること』(渡辺一夫/講談社文芸文庫1650円)が届いたので、午後丸善に取りに行く。「ヒューマニズム」はずっと、よくわからないでいた。大学者のこの本を読んでみようと思ったのは、ひらがなが多い文章がはじめにあったから。わかりにくいことを、これほど易しそうに書いてくれているのは、それこそ、渡辺一夫先生のヒューマニズム?の精神からではと思った。今日半分ほど読んだが、ヒューマニズムは思想ではなく、人間の心根というものらしい。

●「フーゴ―・ヴォルフの思い出」を読んだ。先入観なく読んだ個人的な感じでは、音に人並はずれて過敏で(神経質とは言いたくないが)、誇り高き男に思える。メーリケの詩による歌曲を通してのヴォルフは、日本での評判とは、違うような気がした。歌手と言えども歌曲はまず詩がわかっていないと、いけないんじゃないかと思った。「隠棲」を老人臭いと言ったり(半ばあっているかもしれない)。
メーリケの詩に作曲した「隠棲」、「春に」、「散歩」など聞いた。メーリケではないが「夏の子守り歌」に安らいだ。

久々に『メーリケ詩集』(森孝明訳/三修社1993年刊)を開いた。メーリケ詩集の訳注に、「隠棲」はヴォルフやR・フランツによって曲をつけられたとある。私は今、この「隠棲」の詩も意味がよくわかる。
「隠棲」メーリケ詩集・森孝明訳 第1節より
放っておいてくれ、ああ世界よ!
愛の贈り物で誘わずに
この歓喜と苦痛
それだけを抱かせてくれ!




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