晴れのち曇り
なにもない山が椿の咲く山に 正子
枯草のいのち薄れて下萌える 正子
水いっぱいの春の苺ならば買い 正子
●鳥の北帰行の俳句が投句され始める。
●小西昭夫さんから「100年俳句計画」「雫」秋号が送られてくる。「100年計画」には、小西昭夫さんによる髙橋句美子の
雪山を見渡してから滑りだす 髙橋句美子
を鑑賞いただく。
「雫」には、髙橋信之の三句を近藤ひとみさんに鑑賞いただく。
炎天下踏切の棒下りてくる 髙橋信之
天ぷらがからりと五月の音立てる 〃
雪がふる山のかたちに雪がふる 〃
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●句美子が来て、風呂の電気のカバーをつけてくれた。カバーは、ガラスでできている。テーブルに置いていたので、花瓶と思ったらしい。自分が来なかったら、どうしようと思っていたのか、と言う。来ないことは、考えていなかった。
●小澤征爾指揮ウィーンフィルのサントリーホールでの来日公演(2016年)のシューベルトの「未完成」を聞いた。
映画「未完成交響楽」で、シューベルトが「白鳥の歌」の歌詞の読み方を少女に教える場面がある。少女ははじめ散文を読むように読んだ。シューベルトは言った。「普通はそう読みます。でも、歌は強弱をつけて読ます。こんなふうに」。少女は強弱をつけて読み始めた。次第に少女は「白鳥の歌」を歌いだしたのだった。私も学生のとき、そういう風に信之先生から教えてもらったことを思い出した。ドイツ語の俳句はこう強弱のリズムをつけて読むのだと。耳に残っている信之先生のドイツ語が、シューベルト役のドイツ語の音声とあまりに似ていたので、不思議な気持ちになった。シューベルトも信之先生も、この世にいないのに、あきらかに強弱のついたドイツ語が聞こえる。