俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

10月7日(日)

2012-10-07 11:24:50 | Weblog
★みずひきの朱が試験期の図書館に  正子
 みずひき草は、俳句を作るようになって、自然に知った花だと思う。上のみずひきの句は、大学生のときの句だが、図書館にさりげなく活けてあった。大学構内のどこかにあるのを司書の方が摘んできたのかもしれない。砥部の家の庭にも植えたのか、自然に生えたのかわからない形で、初秋のころから赤い糸を引くように咲いた。みずひき草が咲くと、やはり活けたくなって、切り取って玄関に活けた。みずひき草は、「澄んだ空気」とよく似合う。だから、空気と似合うように活けて自己満足する。
 みずひき草には赤だけでなく、白い「銀みずひき」というのもある。蕾のときは、白さがよくわからないが、先日は、買い物の途中で、あの細いみずひきが満開になっているのを見た。それだけで済ますにはもったいないので、家に帰りカメラを持って出掛けた。小さな泡の粒粒が空気に浮かんでいるように見えたが、これもきれいだ。(自句自解)

○今日の俳句
★水滴に秋の日かがやきミント摘む/高橋句美子
ミントの葉に如露の水か、水滴が付いて、それを静かな秋の日が輝かせている。そのきれいな水滴の付いたミントの葉を摘むゆっくりとそして爽やかな時間が若々しく詠まれている。(高橋正子)

○あざみ

[野薊/横浜・四季の森公園]        [野薊/群馬・尾瀬ヶ原]

★野薊の野に散らばりて自由得し/高橋信之
★野あざみの棘に刺さるは秋さびし/高橋正子
野あざみは、春の季語だが、まれに10月まで咲いているものもあり、この句は、そういった「野あざみ」を詠んだ。下五の「秋さびし」が効いた。作者の主情がいい。(高橋信之)

ノアザミ(野薊、学名: Cirsium japonicum)はキク科アザミ属の多年草。茎の高さは0.5-1mになる。葉は羽状に中裂し、縁にとげがある。茎葉の基部は茎を抱く。花期にも根生葉は残っている。花期は5-8月で、アザミ属の中では春咲きの特徴をもつが、まれに10月まで咲いているものも見られる。花(頭状花序)は筒状花のみで構成されており、直径は4-5cm。花の色は紫色であるが、まれに白色のものもある。花を刺激すると花粉が出てくる。総苞はよく粘る。アザミ属は、分布域が比較的広いものと極端に狭い地域固有種がある。ノアザミの分布域は広く、日本の本州、四国、九州の草原や河川敷に見られ、アジア大陸にも変種が分布する。
https://kakan.info/photo/201209/120924a2.jpg

◇生活する花たち「小紫・銀木犀・菊」(横浜日吉本町)

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