３月１日 爆風

台風並みの風の音で、夜中に目が覚めた。

車庫の屋根が軋む音が気になって、夜明け前の闇の中で作業する。

「ゴー、ゴゴー！」

庭においていた、バケツが風に転がされる。

「船は大丈夫かな…」

７時前、自宅周りの吹き飛ばされそうな物を片づけた後、船着き場に行ってみた。

「船が吹き飛ばされてるよ」

大磯先輩からも電話があったので、急いで行く。


船着き場に着くと、友達の船の錨ロープが切れて、船首が護岸に乗り上げていた。

「電話した」

大磯先輩が、既に本人には連絡していただいたようだ。

暫くすると、本人がやってきた。

強烈な北西の風が吹き付けてくる中、船の安定を図る。




お客様や船仲間達ら「大丈夫やった？」と、連絡がくる。

「大丈夫です」

ライン等で返事する。

気に掛けてもらえることは、嬉しいことだ。

「明日はどうやろうか？」

朝になってから、判断しようかな。