goo blog サービス終了のお知らせ 

回遊魚の旅日記

時の流れる音をききながら歩いたり歌ったり
少しづつ昔の暮らしをとりもどしつつ。

古綾瀬川 ④ 

2012-06-28 22:50:19 | 山歩き・川歩き・遠足

手話講座の帰りに小菅に出てまだ繋がらない小菅の古堰と綾瀬駅のUターン川筋を探索する。

薄曇りであまり日射しが強くないのでチャリで走るにはもってこいのお天気。

堀切から平和橋を北上、綾瀬川下の「小菅中の橋北」の交差点に出て「中の橋」を渡る。

これは新水戸橋と堀切橋の間にある橋。荒川と綾瀬川が枝分かれした直後の橋。

↓ 橋を渡り終わり新水戸橋を望む。

004

東京拘置所のある小菅1丁目は北に古隅田川(常磐線がその少し北を通っている。)と東の綾瀬川、西の荒川、に囲まれた逆二等辺三角形▽のような形をした地形。ここは明治初めまでは小菅御殿というたいそうな屋敷きがあったところ。

中の橋を渡るとすぐに小菅西公園や下水道事務局を含む小菅再水生センターがある。これは綾瀬川をはさんで東側の再水生センターと相対している。

002

右は切り立ったコンクリート岸壁。

009

左に、県立小菅学校があった正覚寺の静かな境内が続く。(昔はこのあたりは小菅県であった)

007

008

さらに小菅八幡神社のあとを通る。最も新しい新水戸橋を架ける工事で移築されたらしいが、探してもどこにも見当たらない。もしかして、この灯籠と真新しいお堂と鳥居の柱跡が名残りをとどめるだけなのか。

012

014

015

前回きた銭座橋跡を通り、西の荒川側に出るとちょっとした広場と川の流れ。万葉公園である。古隅田川の古堰でとても気持ちのよい緑道が拘置所をぐるりと囲むようにできていて再び綾瀬川の伊藤谷橋に続く。

017

前回はここまで来ずに南側の水路をたどってしまったわけだ。万葉公園入り口にある説明板。

023

拘置所の新古川橋の前に、西綾瀬方面に北上する五反野親水緑道も作られていた。緑が濃くて散歩道としてはなかなか良い。

↓ 五反野親水緑道。

035

古綾瀬緑道沿いにはいまだにこのような店もある。

039

我が家の近くも昔はそうだったが、川沿いには染物屋が多い。川がきれいだった頃、盛んに水の中で染物を洗っていたのだろう。

037

ここで一時堰きとめられ綾瀬川に落ちる(?)

040

不思議なのは、古隅田川がここで綾瀬川に突きあたって再び親水公園になる大六天排水場まで川の中をずずーと南下していること。とても不自然な感じ。

伊藤谷橋を渡って、常磐線と千代田線の高架に沿って綾瀬駅に向かう。

さて、本日のもうひとつの目的は、大六天排水場から来た古綾瀬川が白鷺橋で綾瀬駅に一直線に北上し、そこですぐさまUターンして法務局出張所のそばに戻ってくる川筋を知る事である。(誰が命令したわけでもないけれど、もう自分に課せられたミッションみたいな気がしてくる

↓ この図の水色の点々の道が川筋だが、昔は綾瀬駅のところで大きくUターンする川筋が

あったが、ここにはUターンの西側は書かれていない。

024

ずっと常磐線に沿って走ると漢方薬店のあたりからガード真下の商店街に入る道がある。

042

ここは昼間っから酔っ払いが千鳥足で歩いても可笑しくないような飲み屋街が続く綾瀬のビッグポイントなのではないだろうか!いろんな匂いがする。戦後直後の上野あたりの風景のようだ。ここから先はさらに飲み屋ばかりになっている。

上は常磐線と千代田線の高架。

綾瀬駅の改札を過ぎ、注意しながらゆっくりチャリを転がして歩く。

ゆっくりでないと見逃がしてしまいそうな川筋がガード下をくぐっているはずなのだ

古地図と現在の地図を比べながらにらんで歩く。

024 

↑ 非常に読みづらいが、この図の綾瀬駅東から南下している「第6工区」がUターンの帰り道の川筋。

しかしまあ、綾瀬駅界隈の賑わいはすごい!

メトロの改札を過ぎ、ヨーカ堂も過ぎ川筋がわからなくてお手上げ状態になる頃、安売り八百屋の手前に薄暗くガードをくぐる曲がり道が見えた!!

046

曲がり道からこっちを見やると、おおお~~~~~!!!

ありましたありました!このような橋柱!ここから先はなんと自転車駐輪場!!

043

延々と続く綾瀬駅前の自転車駐輪場が古隅田川の川筋だった!

044

もう祝杯を挙げたいくらいの感激である。

橋柱はずっと駐輪場に沿ってちゃんと残されている。

↓ 千鳥橋

048

↓ 北野橋

049

まだまだ続く駐輪場。

050

↓ 袋橋

054

↓ 富士見橋。むかしは富士山が見えたのかしら・今はスカイツリ―の先端が見える。

055

川の歴史は本当に時代をしっかり繁栄している。

わたしの世代は、昔はきれいな川の流れだった、という感傷よりも、昭和30年後半からの高度成長期に伴う水質の悪化、大気汚染の時代を生きて、東京の川がドブ川として悪臭を放っていたのが記憶に強く残っている。

綾瀬川しかり、中川しかり、どこの川沿いもたくさんの工場が進出して汚れきっていた。

この川筋も駐輪場になる前は同じようにドブ川化していたはず。

いくつもの橋を過ぎて、駐輪場が尽きる辺りは道がきれいに舗装され(つい最近なのではないか?)。

056

ついに長いUターンを終えて白鷺橋からのショートカットの水路に突き当たって親水公園となるのであった。

060

いくら地図を見ても釈然としなかったものが、走って、歩いて実踏してようやく全貌がわかり川がパズルを解くように繋がった

Uターンの北上する西側の川筋が綾瀬駅で弧を描く道は、今や探すのは不可能。商店街に取り込まれているか、前回やってきた東綾瀬公園の周囲ぐるりが川筋だったかもしれないが判明しにくい。

ちょっとした感動を覚えながら土手沿いに戻り来た時と同じように平和橋通りを走って帰宅。

道がすべて川に見えてきた感あり^^。

041


7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
My Dear やまびこさん, (摂田 寛二)
2012-12-05 04:22:52
 初めまして。
 goo 検索で「古隅田川」を調べていて,あなたのこの抜群に面白いHPを知りました。
 当方は,72才の器用貧乏のご隠居です。かって文筆業を志すも,なかなか功成り難く,それでも見残した夢を追って,自分のHPに試論・私論をいくつか発表しています。この2年間は,川筋散歩と川跡探訪に凝って居りまして,今自転車で葛飾区・足立区を走り回っています(自分は荒川区の人間ですが)。
 古隅田川は,私も観て回りました。柳原古川(もう一つの古隅田川)の方も,最近探訪して来ました。
 おついでの折に拙HPを御訪問・御披見くだされば,幸いです。
 私は,あなたほど観察眼が鋭くはなく,自分の道中でいろいろなものを見落としていたことが,今回わかりました。勉強させていただきました。
 それにしても,古隅田川(東側)はもう死んでしまったのでしょうか? 中川水落の手前にあった排水場が,昨年まではあったのに,今年はもう無くなって空き地になっています。排水するほどの水がもう来ていないということなのでしょうかね。
 何だか寂しい気がします。老い先短い自分の身に照らして,はかなんでいます。
 あなたの「超元気ぶり」がうらやましい。引き続き御健闘・御活躍ください。
On December 5, 2012 Sincerely Yours,
      摂田 寛二拝
    http://KanjiSetsuda.la.coocan.jp/
返信する
摂田さん (やまびこ)
2012-12-05 09:43:35
はじめまして。お越しいただきありがとうございます。
さっそく摂田さまのHPも拝読させていただきました。

同好の士がいることを知ってなんとも心躍る気分です。
素晴らしい画像が音楽と共にアップされて、下町の川筋が一気に超高級河川になったような感がいたしました(^^)

わたしはごく気分的に感覚的に川っぷちをたどり、そのあたりに住んでいる人々に思いを寄せるだけで、歴史的文献や地質学的なことはあまり詳しくないので、こちらこそ勉強になります。

>中川水落の手前にあった排水場が,昨年まではあったのに,今年はもう無くなって空き地になっています

長門排水場ですね?わたしもあれがなくなっているのに驚きました。
でも、道や川は絶えず生まれ変わります。昔あって、暗渠になり、また甦る水路もたくさんあります。まだまだ捨てたものじゃないです。

川をたどることはゲニウス・ロキ(地霊)の存在を探索することだと思います。予期しないところに顔を出す土地の時間軸、おもしろいですね。
まだまだ元気に好き走り周りましょう!

川っぷちをたどる小さな旅は近くを流れる曳舟川親水公園からはじまりました。
そのころのHPです。↓
http://www1.ocn.ne.jp/~o-den/kawa3.htm
返信する
My Dearest やまびこさん, (摂田 寛二)
2012-12-06 03:30:08
 早速のコメント・バックを有り難うございます。いささか恐縮しています。
 ええ,曳舟川の記事も読んでいますよ。
 一人称で語るとは,私などが思ってもみないユニークな発想ですが,川の本心を垣間みたようで,面白かった。
 これも「詩」ですね。
 私は,詩のある記事・作品には,いつも高い評価を与えています。
 川の探訪報告としては,異例ではあるけれども,面白いと思います。私は,買います。
 どうぞ読者の皆様も,御自分の足と眼で直に川筋を確認なさって,川の気持ちを御自分なりに推察・想像してみてください。
 私も,葛西用水・八ヵ村落し親水緑道・曳舟川の探訪をスライドショー形式で報告していますが,何とか作品に「詩情」を盛り込みたいと,いつもそのことに腐心しました。果たして成功したものかどうか・・・
 私のもう一つの目標である「客観性」となかなか両立しなくて,苦労しています(男には「こだわり」が多いものですから)。音楽の力を借りるのは,いささかズルいかなとも,思っています。
 お互いに頑張りましょう。
 引き続き,御健闘・御活躍ください。
 併せて,あなたの御健康・御多幸も御祈り申し上げます。
On December 6, 2012  Truly Yours,
  摂田 寛二拝
 http://KanjiSetsuda.la.coocan.jp/
返信する
My Dearest やまびこさん, (摂田 寛二)
2012-12-06 04:14:10
 前略。一つ質問があります。
 前便で,ゲニウス・ロキについて言及されて居られましたが,確かにあなたの記事の中にあなたが自然に川跡に「導かれて」歩いている様が感じられて,面白く思っていました。
 あなたには,川の霊・水の霊に対して霊的感受性があるのではないか,と思いました。
 実は,私にも少しあるみたいなのです。
 古地図や古い航空写真に出逢うずっと前から,私の好きな道はたいていが川跡で,それが2つ3つの偶然ではないのです。後になってわかって,不思議でなりませんでした。
 この2年間の川跡探訪は,実は,その実態を見極めることが一つの目的だったのです。
 それで,先ず実際の川筋の観察をすることから始めました。そして,次は川跡探訪へ。
 ゲニウス・ロキは,元々美学用語のようですが,私にとってはそんなに難しい話ではなく,何故に私がそれに「導かれる」のかという,体験的な疑問であり,事実です。
 昔々川だった。ただそれだけの事実なのに,地層と時層が結びついて,どうして私を魅了するのか,それが実に不思議でなりません。
 いつかあなたのお考えをお聞かせください。
 摂田 寛二拝
返信する
摂田さん (やまびこ)
2012-12-06 20:53:09
そちらのスライドショーに書かれたテロップが次の画面の川筋・道へのわくわくするような期待感を持たせてくれます。
航空写真も併記されていてとてもわかりやすくなっていますね。
このようなスキルは自分にはないのでほんとうにうらやましく思います。

自分に霊的感受性があるとはあまり思えないのですが、一つの流れの変遷、または持続性、始点と終着・・そういったものに引き寄せられることは確かです。

>昔々川だった。ただそれだけの事実なのに,地層と時層が結びついて,どうして私を魅了するのか,それが実に不思議でなりません。

よくわかります。わたしもとても不思議です。
で、この頃では結局のところ、人の営みが好きなのかな?と考えるようになりました。

先のコメントで書きましたが、地質学的な研究などにはまるで疎いのでどちらかというと、自然河川(もちろんそれも素晴らしい自然の恩恵なおですが)より、人が築いた掘割や放水路、堤防、土手、道に惹かれます。
旧東海道歩きも然りで、人の行き交った街道、いろいろな思いの交錯したであろう宿場・・想像してゆくとドラマを見ているようなデジャヴを感じることがありますね。
歩くときは、はじめは地図を持たないことが多いです。
自分の癇みたいなものにまかせます。(だから迷うこともたくさんあります^^)
スライドショーに何度も、道脇の植え込みや緑は昔の川筋の証拠、と書いていらっしゃいますね。
すばらしい着眼であり確証だと思います。
誰かがそこに川があったことを知っていて、古地図なり伝承なりで次の世代がそれを受け継ぎ、また次の世代に受け継がれ、流れはなくなってもどこかで、誰かの記憶の中で川は生きている・・
そう考えるととても人間が愛おしくなりますし、こうして川筋をたどることも決して無駄なことではないと思います。
先ずは自分の足で歩き自分の目で見る、耳で聴く・・それにかなうものはありませんね。
返信する
My Dearest やまびこさん, (摂田 寛二)
2012-12-06 23:10:31
 御丁寧なるコメント・バック,恐れ入ります。
 あれから良く考えてみたのですが,私に水の霊や川の霊がわかるというのは,少し誇張が過ぎているかなと,思い始めています。果たして本来が無生物に「霊」が宿り,私たちに語りかけたりするでしょうか?
 あなたのおっしゃる通り,人間を介さないと語らないかなと,思い始めています。
 隅田川も綾瀬川も中川も,そして古隅田川も,元は自然河川ですが,それこそ江戸時代の昔から再三人の手が入って改造されていますから,葛西用水や荒川放水路と何ら変わらない「人工河川」です。
 だから,彼らの本心が少しは,分かるのかな。・・・
 あなたの写真をいろいろ見ていると,花の写真が素晴らしい。撮り方がうまいとかそういうのではなくて,あなたが花と会話しているのがよくわかるからです。だから,花もあなたに撮られたがっている。そう感じます。
 あなたは,花の「霊」(というか「心」)を感じているのではありませんか?
 私は,樹木が好きで,樹とよくお話をします。ですから,樹に呼ばれます。こういう風に撮ってほしいと,ねだられます。私はそのように撮るだけです。
 (セキレイやイワツバメやユリカモメやコウモリにも好かれます。でも彼らは,元来落ち着きが無いので,なかなか良い写真が撮れません。シャッターチャンスを上手につかめない。すぐに手ぶれをしてしまう。)
 生きているものには,やはり心があるようです。
 私が緑道に惹かれるのは,木霊のせいなのかな。樹が暗渠下の水を教えてくれているように思います。
 「野の花」が好きです。でも,人に植えられている花だって,花自身がどんどん話しかけて来ます。それを受けとめて,すなおに写真を撮れば良いのですね。うまく撮ろうなんて思わないで良いのです。
 素直で優しい心の持ち方を,あなたから教わった気がします。
On December 6, 2012  Very Truly Yours,
     摂田 寛二拝
   http://KanjiSetsuda.la.coocan.jp/
追伸:私のスライドショーを高く評価してくださって,有り難うございます。
 本当なら,ナレーションでやるべきところを字幕でやってみたというのが,私のオリジナルの工夫です。
 おかげで,名曲も自然に聴いていただけます(バロック音楽にしたのは,いささか貴族趣味だったかな)。
 本来なら,動画ムービーでやるべきところを,スライドショー形式にしたのは,他でもないメモリーを節約するためです。何しろ皆さんにダウンロードしていただかなければなりませんからね。
 それでも,ストーリーは語れる(そうですよね?),と自負しています。
返信する
摂田さん (やまびこ)
2012-12-07 23:17:24
拙い花の写真を褒めていただきありがとうございました。
植物は確かに生きていますから撮っていても楽しいですね。
変わってゆく川の流れや花の名前や形状を心にとめておくためには、こういったブログにアップしてゆくのがとても役立ちます。

これからもあちこちの川筋歩きの記録、楽しみにしております。
寒さに負けずがんばって歩きましょう!
返信する

コメントを投稿