岩手県釜石市で45年続いた師走恒例の「かまいしの第九」の最後の公演が17日、同市大町のテット(TETTO)で開かれました。
テットは釜石市民ホールの愛称で、製鉄所との深いつながりを表す「鉄都」とイタリア語で屋根を意味する「Tetto」が語源です。
「かまいし第九の会」を中心にした合唱メンバーと、市民吹奏楽団など約180人が出演し、ベートーベンの交響曲第9番と、震災被災地へのエールや離れ離れになった仲間を思う「明日を」や「群青」を披露しました。
句は次の部分を参考にしました。
「第4楽章の歓喜の歌は『大団円』のハーモニーで会場を満たし、アンコールではさらに聴衆と一体となって歌い上げた。」
かまいし第九の会は1978年、旧市民文化会館の完成を記念して始まり44回目、高齢化や活動資金確保の難しさで幕を下ろしましたが、実行委員会の会長さんは「演奏会としての形式は終わるが、別の形の文化活動やうねりにつながってほしい」と願っています。
最終楽章歌い上げとあったので、第九の会を無事に終えられたことだと思いました。
無事な終演が、会の終焉でもあったわけで、45年間も続いた会だけに皆さまの思いは複雑なことだと察しています。
高齢化に伴い活動を終える会が多いと聞いています。
この世の中の、多くの活動が高齢化してきています。
また若い世代の活動はというと、こちらは少子化で活動の規模が縮小されてきています。
今さらながらですが、少子高齢化対策の遅れが、日本から元気を奪っているように思います。
国が駄目でも、せめてどこかの地方で、少子高齢化対策の成功事例を生み出して欲しいと願って止みません。
私はクラシック音楽をあまり聴きませんが第九の合唱は好きです。検索したところ演奏時間は約70分で、これを納めるためにCDの規格が決まられたとか。皆さんご存じですよね。
最近県内で高齢化のため取り止めることになった行事の報道がありました。
それは蘇民祭(そみんさい)と呼ばれるもので、旧正月の7日夜から8日朝にかけて行われる行事で、裸の若者たちが堂前で東西に分れ、押し合いながら「蘇民袋」を奪い合う奇祭です。
蘇民袋を奪い取った者が住んでいる方角が、その年、五穀豊穣の福運を授けられると言われています。県内では、奥州市水沢区の黒石寺(こくせきじ)、江刺区の伊手熊野神社(いでくまのじんじゃ)、花巻市の胡四王神社(こしおうじんじゃ)などで行われます。
そのうち黒石寺では 来年2月17日の開催を最後に終了すると発表しました。
藤波大吾住職(41)は「近年は県内外から多くの方が来てくれた。皆様の期待を裏切る形になってしまうが、祭りの維持が困難な状況になり、中止という決断に至った。支えてくれた皆様には感謝の気持ちでいっぱいです」と話したそうです。
1000年以上続いているそうですが、あまりにもあっけない幕切れです。