山歩き

どんな花が咲いてるでしょう、どんな山が見えるでしょう

ベンケイソウ科イワベンケイ属

2020-05-28 09:43:20 | みんなの花図鑑

 山歩き自粛中の今、これまでに撮影した高山植物の写真を見返すと、花の名前の間違いなどに気が付くことが少なくないので、調べなおすことにしました。

 ベンケイソウの名は、この植物の強壮性からの名で荒法師武者・武蔵坊弁慶に結び付けたと言われております。

 本来は雌雄異株なのですが、雄花と雌花を区分しないで扱っておりましたので、この機会に確認しました。

  1. 葉の特徴
  2. 雄花の特徴
  3. 雌花の特徴
  4. 分布
  5. 生育環境

を整理したものと併せてご覧ください。

イワベンケイ

  1. 長楕円形~長倒卵形、粉白色。
  2. 雄しべはふつう8個。花序はしだいに赤褐色になる。
  3. 雌しべは4~5個。果実は袋果で牛角状。
  4. 北海道、本州(中部地方以北)。
  5. 高山帯の風当たりの強い岩場や乾いた草地。

雄花 2015年6月29日 木曽駒ケ岳で撮影

 

雌花 2016年6月27日 西穂高岳独標で撮影

雌花 2017年6月23日 礼文島で撮影

 

 

ホソバイワベンケイ

  1. 細長く幅1cm以下、緑色、そろった鋸歯がある。
  2. 雄しべはふつう8個。花序はしだいに赤褐色になる。
  3. 雌しべは4~5個。果実は袋果で牛角状。
  4. 北海道、本州(東北地方~関東地方北部)。
  5. 高山帯の風当たりの強い岩場や乾いた草地。

雄花 2016年7月21日 鳥海山で撮影

雄花 2018年6月23日 早池峰山で撮影

雄花 2019年6月4日 早池峰山で撮影

雄花 2019年7月3日 早池峰山で撮影

 

雌花 2017年6月29日 秋田駒ケ岳で撮影

雌花 2018年7月3日 秋田駒ケ岳で撮影

雌花 2019年6月26日 焼石岳で撮影

雌花 2019年8月26日 早池峰山で撮影

 

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サクラソウ科サクラソウ属

2020-05-20 10:55:00 | みんなの花図鑑

 山歩き自粛中の今、これまでに撮影した高山植物の写真を見返すと、花の名前の間違いなどに気が付くことが少なくないので、調べなおすことにしました。

 サクラソウの名は、花の形が実際には鐘形または漏斗状の花冠でありながら五深裂し、さらに各裂片二中~深裂して、一見するとサクラの花を思わせる形であることに由来するそうです。

 日本人は桜が好きなんだなあ、と改めて思いますが、私はそれほど似ていないと思うへそ曲がりな日本人です。

 花色の違いはあっても形は似ておりますが、固有種も多く分布がはっきりしているために、間違えることは少ないと思います。

  1.  分布
  2.  生育環境
  3.  草丈ほか  を整理したものと併せてご覧ください。

エゾコザクラ

  1. 北海道。
  2. 高山帯の雪田の融雪跡や湿った草地。
  3. 2~15cm。ハクサンコザクラの学名上の母種で白花品はシロバナエゾノコザクラ。

2015年7月5日 大雪山旭岳で撮影

 

ハクサンコザクラ

  1. 本州(飯豊山、谷川山系、利根川源流部、尾瀬、北アルプス北部、白山)。
  2. 亜高山帯~高山帯の雪田の融雪跡や湿った草地。
  3. 5~15cm。

白花品はシロバナハクサンコザクラ。

2019年7月14日 白山で撮影

 

ミチノクコザクラ(イワキコザクラ)

  1. 本州(岩木山)  
  2. 亜高山帯の雪田の融雪跡や湿った草地。
  3. 5~7.5cm。白花品はシロバナミチノクコザクラ。

2018年6月16日 岩木山で撮影

 

ヒナザクラ

  1. 本州(東北地方。岩木山、早池峰山、飯豊山を除く)。
  2. 亜高山帯~高山帯の雪田の融雪跡や湿った草地。
  3. 10~15cm。

2016年6月11日 森吉山で撮影

2016年7月20日 鳥海山で撮影

2017年6月29日 秋田駒ケ岳で撮影

2018年6月5日 栗駒山(須川岳)で撮影

2018年7月3日 秋田駒ケ岳で撮影

2018年7月23日 月山で撮影

2019年6月2日 秋田駒ケ岳で撮影

2019年6月11日 秋田駒ケ岳で撮影

2019年6月26日 焼石岳で撮影

 

ヒメコザクラ

  1. 本州(早池峰山)
  2. 高山帯の蛇紋岩地の礫地や湿った草地。
  3. 3~10cm。岩手県の他の蛇紋岩帯で発見されたとの情報もありますが、そこは明らかに高山帯ではありません。

2019年6月9日 早池峰山で撮影

2019年6月14日 早池峰山で撮影

 

ユキワリソウ

  1. 本州(関東地方北部、中部地方、大峰山)。
  2. 山地帯~亜高山帯の岩場や乾いた草地。
  3. 10~15cm。シロバナ品もある。

2016年6月26日 八方尾根で撮影

 

ユキワリコザクラ

  1. 北海道、本州(東北地方)
  2. 山地帯~亜高山帯の岩場や乾いた草地。
  3. 5~10cm。シロバナ品もある。

2017年6月6日 不忘山(蔵王連峰最南端)で撮影。

 

サマニユキワリ

  1. 北海道(アポイ岳周辺)。
  2. 山地帯~亜高山帯の蛇紋岩地や乾いた草地。
  3. 5~10cm。ユキワリコザクラと区分しない見解もある。ユキワリコザクラより葉がやや厚く、成葉でもふちが強く裏側へ折れ曲がる。

2016年5月18日 アポイ岳で撮影

 

ヒダカイワザクラ(アポイイワザクラ)

  1. 北海道(日高山地)。
  2. 亜高山帯の蛇紋岩地。
  3. 4~12cm。

2016年5月18日 アポイ岳で撮影

 

エゾオオサクラソウ(エゾノサクラソウ)

  1. 北海道(胆振地方以東)
  2. 亜高山帯の湿った草地。
  3. 15~40cm。

2016年5月18日 アポイ岳で撮影

 

 

 

 

 

 

 

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ヨツバシオガマ

2020-05-15 21:27:14 | みんなの花図鑑

 葉が4枚十文字に輪生することから名付けられたハマウツボ科

(以前はゴマノハグサ科)シオガマギク属のこの花、ヨツバシオガマと一括りで考えていましたが、花穂の長さ(花の段数)が撮影した山によって違うことに気付いていましたので、山歩きを自粛している時間を有効に使って調べてみました。

 ①草丈、花の段数。 ②分布 ③生育環境 を比較しながらご覧ください。

 

ヨツバシオガマ

 ① 10~30cm、2~7段。

 ② 本州(東北地方南部~中部地方)。

 ③ 亜高山帯~高山帯の礫まじりの草地や岩場。

 2016年6月26日 八方尾根で撮影

 2016年7月1日 谷川岳で撮影

 2018年7月23日 月山で撮影

 2019年7月13日 白山で撮影

 

キタヨツバシオガマ(別名ハッコウダシオガマ) 

エゾノヨツバシオガマとも呼ばれているようです。

 ① 10~50cm、7~12段。

 ② 北海道、本州(飯豊山以北の東北地方)

 ③ 高山帯のあまり乾燥しない草地。

 2016年7月20日 鳥海山で撮影

 2016年7月21日 鳥海山で撮影

 2018年7月14日 早池峰山で撮影

 2019年7月10日 早池峰山で撮影

 2019年7月20日 秋田駒ケ岳で撮影

 2019年7月31日 岩手山で撮影

 

 

特に大型(草丈70~100cm、花の段数20~30段)のものは、

礼文島の特産でレブンシオガマと呼ばれます。

 2017年6月24日 礼文島で撮影。

 

 

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キク科ウスユキソウ属

2020-05-09 10:32:22 | みんなの花図鑑

キク科ウスユキソウ属は、頭花が茎の先に集まりその下に放射状の総苞葉があって、全体に白い綿毛をかぶるところは共通していますが、分布が限定される場合が多いので間違えることは無いと思います。

 

今回は①分布 ②草丈 ③生育環境ほか を整理したものと併せてご覧ください。

 

ミヤマウスユキソウ(ヒナウスユキソウ)

 ① 本州(秋田駒ケ岳、焼石岳、鳥海山、月山、朝日山地、飯豊連峰)。

 ② 4~15cm。

 ③ 高山帯の乾いた草地。

2014年6月22日 秋田駒ケ岳で撮影

2016年7月20日 鳥海山で撮影

2018年7月3日 秋田駒ケ岳で撮影

 

ホソバヒナウスユキソウ

 ① 本州(至仏山、谷川岳)。

 ② 4~15cm。

 ③ 高山帯の蛇紋岩の岩場。

   無花茎の葉は1~2.5㎜でミヤマウスユキソウ(ヒナウスユキソウ)より細い。 

  2016年7月1日 谷川岳で撮影

 

ヒメウスユキソウ(コマウスユキソウ)

 ① 本州(木曽駒ケ岳周辺)。

 ② 4~15cm。

 ③ 高山帯の花崗岩の岩場。

 2015年6月29日 木曽駒ケ岳で撮影

 

ハヤチネウスユキソウ

 ① 本州(早池峰山)。

 ② 10~30cm。

 ③ 高山帯の蛇紋岩の岩場。

2016年7月10日 早池峰山で撮影

2017年7月20日 早池峰山で撮影

2018年6月23日 早池峰山で撮影

2018年7月14日 早池峰山で撮影

2019年7月3日 早池峰山で撮影

 

エゾウスユキソウ(レブンウスユキソウ)

 ① 北海道(礼文島、藻琴山、ニペソツ山、釧路昆布森)。

 ② 10~25cm。

 ③ 高山帯の乾いた草地。

2017年6月23日 礼文島で撮影

 

ウスユキソウ

 ① 北海道(鷲別岳)、本州。

 ② 20~50cm

 ③ 山地帯上部~亜高山帯の開けた草地や礫地。頭花に短い柄がある。

2012年7月18日 早池峰山で撮影

 

ミネウスユキソウ

 ① 本州(東北地方、上越地方、北・中央・南アルプス、八ヶ岳)。

 ② 10~20cm。

 ③ 高山帯の岩礫地や岩陰、日当たりのいい斜面。頭花に柄はなくあってもごく短い。

2012年7月18日 早池峰山で撮影

2017年7月8日 岩手山で撮影

2019年7月31日 岩手山で撮影

 

葉の幅の広いものはヒロハウスユキソウと呼ぶそうです。 

2016年7月1日 谷川岳で撮影

 

ハッポウウスユキソウ

 ① 本州(北アルプス八方尾根)

 ② 記載なし。

 ③ 高山帯の蛇紋岩崩壊地の草地。葉は細く2~4mmで斜め上向き。

2016年6月26日 八方尾根で撮影

 

タカネウスユキソウ

 タカネヤハズハハコ(キク科ヤマハハコ属)の別名ですが、ここに載せておきます。

 ① 北海道(アポイ岳ほか)、本州(早池峰山、北・南アルプス)。

 ② 4~30cm。

 ③ 高山帯の礫地や乾いた草地。

2019年8月25日 早池峰山で撮影

 

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ハクサンイチゲ

2020-05-07 09:32:16 | みんなの花図鑑

 ハクサンイチゲと一括りで考えていましたが、参考書にエゾノハクサンイチゲも載っていることが気になっておりましたので、じっくりと再点検してみました。

 漢字表記は白山一花なので一花しかつけないと思いきや、数個の花が固まって咲くのが普通なのに、中には一つの花しかつけない変わり者もいるというややこしいこの花、白い花弁に見えるものは萼片です。

 キンポウゲ科イチリンソウ属のこの花、①今回着目した特徴 ②分布 ③生育環境を整理したものと併せてご覧ください。

  ハクサンイチゲ

 ① 小葉の終裂片の先が尖っている。

 ② 本州(中部地方以北)。

 ③ 高山帯の乾いた草地。

 2015年6月29日 木曽駒ケ岳で撮影

 

 2016年6月27日 西穂高岳独標で撮影

 2018年7月23日 月山(標高1740m付近)で撮影

 

 

 なお、全体が小さく、高さ10cmほどで花が1個しかつかないものを、ヒメハクサンイチゲというそうで、次の3つが該当しそうです。

 2015年8月20日 月山(標高1680m付近)で撮影 

 2016年6月27日 西穂高岳独標で撮影

 

エゾノハクサンイチゲ

 ① 小葉の終裂片の先が尖らない。

 ② 北海道、本州(東北地方)。

 ③ 高山帯の乾いた草地。

 2016年6月 6日 不忘山(蔵王連峰最南端)で撮影

 2016年7月20日 鳥海山で撮影

 2019年6月26日 焼石岳で撮影

 なお、砂礫地に生え、高さ約10cm、花が1個しかつかないものはイチリンハクサンイチゲというそうで、次の2つが該当しそうです。

 2015年8月19日 月山(山頂1984m付近)で撮影

 2016年6月  6日 不忘山(蔵王連峰最南端)で撮影

 2018年7月24日 月山(標高1800m付近)で撮影

 

 参考書に示されている小葉の幅、草丈などは、記録しておらず写真では確認出来ないので、先端の形状だけで判断しましたが紛らわしいものもありました。 

 月山で小葉の終裂片の先端が「尖っている」と判断したハクサンイチゲは、「尖っていない」エゾノハクサンイチゲとも見えます。

 月山では両者が共存している可能性がありそうなので、撮影地点の標高も示しましたが撮影時刻と歩行記録から割り出したもので、多少の誤差があります。

 

 

 

 

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