goo blog サービス終了のお知らせ 

山歩き

どんな花が咲いてるでしょう、どんな山が見えるでしょう

鞍掛山(歩き始め)

2025-04-22 13:00:36 | 旅行

4月21日(月)に鞍掛山(くらかけやま 897m)に登った様子を、新・分県登山ガイド[改訂版]2岩手県の山(山と渓谷社)(以下ガイドブック)の記述に沿いながら紹介します。【  】内は私の感想などです。

鞍掛山は岩手山南東部裾野にコブ状に盛り上がる山で、宮沢賢治の詩「くらかけの雪」にも登場する名山である。山域の登山コースは道標なども整備され、初心者にもお勧めの山である。

岩手山を背景に鞍掛山 令和3年4月22日撮影

岩手山の六合目付近からの鞍掛山 令和6年7月27日撮影

登山口となる相の沢キャンプ場の駐車場から西側コースへ続く松林を進む。雑木の混じる登山道は春、マイヅルソウの群落やキクザキイチリンソウ、シラネアオイなどが咲く。

【現地の案内板では山頂まで2時間とありますが、ガイドブックでは1時間であり、この日は休憩を含めて1時間27分でした。】

【キクザキイチリンソウが数株咲いていただけで、他の花は観られませんでした。】

咲いて間もないと思われるキクザキイチリンソウ

次第に右に巻きながら下草の刈り払われた明るい登山道を登る。新コースとの分岐を過ぎると林越しに残雪の岩手山がちらりと望める。

【直進すれば新コースですが右に進みます】

【残雪が現れましたが今日は長靴を履いてきたので安心です】

なだらかに盛り上がるカラマツ林の道は火山砂礫で、マイヅルソウやベニバナイチヤクソウなどがスズランとともに生えている。

【残雪に覆われています】

眺めの良い高台展望台で休憩しよう。眼下の牧場から牛の声が聞こえ、ゆったりと時間が流れている。

【牛の声は聞こえませんでしたが、木々の隙間から姫神山が見えました】

姫神山

平坦な林の道から急な階段を下ると水場もある小沢の橋を渡り、分岐に着く。

右から登ってくる道はキャンプ場へ通じる東側コース。山頂へはカタクリの群生するこの分岐から左へ登っていく。

【例年は咲き始める頃ですが今年は遅れています】

ムシカリの咲く林を登りきると突然視界が開け、岩石が散乱する稜線に出る。北に岩手山が大きくそびえている。ダケカンバやミネザクラなどの林の稜線道を登る。

【ピンクのテープは積雪期の目印と思います】

【大きくそびえているのは姫神山です】

山頂への急斜面に設置された階段を登りつめるとベンチもある鞍掛山の山頂にたどり着く。

北西に大きく立ちはだかる岩手山の鬼又沢が荒々しく印象的だ。西方に連なる峰は秋田駒ケ岳にはじまり、秋田県境の和賀岳や焼石連峰などの山々が南へ続く。

【鬼又沢は中央やや右の深い沢だと思います】

【秋田駒ケ岳は木々に隠れ、焼石連峰は雲の中、辛うじて確認できたのは和賀岳だけです】

東方の北上高地には早池峰山や姫神山を見渡せる大パノラマだ。

【早池峰山は見えませんでした】

【山頂には11時19分から30ほど滞在し、パンとジュースで簡単に腹ごしらえしました】

下山は往路の小沢の流れる分岐点まで戻り、そこから東側コースを下ろう。幅広い林の斜面に咲くエンレイソウやスミレの花が楽しめる。新緑の木々の間を曲がりくねって下るとキャンプ場へ続く牧野との間の林道に出る。右へ林道を進むとキャンプ場前を通過して登山口の相の沢駐車場に戻る。

下山を始めて間もなくの絵にかいたような根開きと長靴

 

【東側のコースは日当たりが良いだろうと、ガイドブックとおり下山し林道を歩いていると諦めていたカタクリを見つけました】

【エンレイソウもスミレも咲いていませんでしたが、キクザキイチリンソウが綺麗でした】

9時52分に西側のコースから登って、東側のコースを下りて林道に合流し、無事駐車場に戻ってきたのは13時24分でした。

小休止を含む所要時間は、登りが1時間27分で下りが1時間36分でした。これは撮影時間の差によるもので、下山時に疲れが出たり足を痛めたりしたのではありません。

なお、ガイドブックのコースタイムは、登りが1時間で下りが45分ととんでもない数字です。

カタクリが見頃となったころ又出かけてみます。


森吉山(紅葉を観るために)

2024-10-22 15:58:34 | 旅行


10月21日(月)に秋田県の森吉山(もりよしざん 1454m)に登り、中腹が見頃の紅葉と360度の絶景を堪能してきました。雲一つない快晴に恵まれたこの日は、青森、秋田、岩手の山はほとんど見えておりましたし、日本海に突き出している男鹿半島も確認することが出来ました。

初心者を2人伴い3時間弱車を走らせて、ゴンドラ乗り場に着いたのは10時頃でした。
紅葉は見頃とのことですが、鮮やかな赤や黄に彩る樹種はほとんど無いようです。




ふと、遠くに目をやると薄っすら雪をまとった鳥海山が見えたので、今のうちにと何枚か写しました。

ゴンドラから降りてまた写しました。

こちらは秋田駒ケ岳で、山頂からの絶景を期待しながら歩き始めたのは10時30でした。

急登はありませんので初心者でも楽に歩くことが出来ます。周囲が見えることで歩いた成果を確認出来、山頂が近づくことも良く分かります。


20分ほど歩いたところで目指す山頂が見えました。

ゴンドラの山頂駅が下に見え、登ったと実感がわきます。

これは岩木山ですから、右の方には八甲田連峰が見えてくるはずです。

5分ほど歩いたところで見えてきました。

ここまでの0.8kmを30分で順調に歩いてきました。

少し山頂が近くなりました。

避難小屋を通過しあと1kmです。



山頂の標柱も肉眼で見えます。

数少ない赤を写しました。

もう少しです。


11時58分に山頂に到着しました。
コースタイムは1時間20分から1時間50分とガイドブックによって少し違いますが、1時間28分でしたので初心者から初級者への昇格も近いでしょう。

この時刻になると雲が出てくるものですがこの日の青空は粘り強くて、邪魔をしたのは頻繁に現れる飛行機雲でした。
360度遮るもののない大展望は、中央奥の昨日初冠雪が観測された岩手山からです。
左には八幡平の山並みが見え、右には早池峰山が雲の上に頭を出していました。


岩手山

早池峰山

岩手山の右(西)には秋田駒ケ岳です。


北を見れば中央奥に岩木山と右端に八甲田連峰です。

岩木山

八甲田連峰

そして南西にはこの日初冠雪が観測されたという鳥海山です。


これは西側の男鹿半島で、肉眼では海岸線や風力発電の風車も確認出来ました。

そのほか、南には和賀岳や17日に登った須川岳(栗駒山)も見えていましたが、須川岳の方は写真での確認は困難です。

山頂には50分ほど留まり、大展望をおかずにして昼ご飯を食べて、12時49分に下山を始めました。よほどのトラブルに見舞われない限り、15時30分のゴンドラ最終便に間に合うと安心したところです。
ほとんど休むことなく歩きとおし、14時05分にはゴンドラの山頂駅に着きました。
軽装の観光客から「山頂まで行ったのですか。凄いですね」と言われ、意気揚々ゴンドラに乗りこみました。

順光となる山側を眺めながら何枚か写しました。





15時に帰路につき、間もなくスモールライト点灯、そしてヘッドライトが必要な暗さになり、すっかり闇夜となった18時に帰宅しました。
もっと近ければ樹氷を観ながらスキーを楽しむために訪れたいのですが、片道130km超の雪道は腰が引けます。


須川岳(紅葉を観るために)

2024-10-18 21:25:20 | 旅行

須川岳(すかわだけ 1627m)は岩手・宮城・秋田の3県境に位置しており、宮城県では栗駒山(くりこまやま)、秋田県では大日岳(だいにちだけ)と呼ばれると言われていますが、岩手県側でも栗駒山が一般的のようです。

位置図の中央に栗駒山(宮城の上)、北に岩手山、北東に早池峰山、北西に鳥海山、南に蔵王山が確認できると思います。最新の標高は1626mなのかもしれません。

岩手県側の登山口(1120m)である須川高原温泉にも栗駒山とあります。

10月17日5時50分に自宅を出て2時間ほどで駐車場に到着し、歩き始めたのは8時12分でした。平日なので駐車場も空きが目立っており、その向こうに鳥海山が見えますが少し霞んでいます。

紅葉を眺めながら少し歩くと名残ガ原と呼ばれる湿原を見下ろすようになります。

逆光で見えにくい山頂目指し木道を進みます。花の時期に訪れたいと思いながらまだ実現しておりません。

この先を直進する須川コースは硫化水素の濃度が基準を超えたため通行止なので、苔花台(たいかたい)から左の産沼(うぶぬま)コースに迂回しなければなりません。

ここで左折します。紅葉が良い感じです。

この先は少し急になり歩きにくいですが、紅葉を楽しみながら歩くことが出来ました。

登山口から3kmの産沼です。山頂までの距離が見えておりませんが、近くで見たら1.3kmでした。

既に森林限界を超えており時々振り返り、紅葉の具合と周囲の山を確認しました。

気になるのは写真中央の一番奥の山並みで、焼石岳とその上に山頂部だけ見えるはずの岩手山ですが、雲が邪魔しています。

こちらは目指す須川岳で、紅葉が綺麗です。

だいぶ近くなりましたが色付きが物足りません。あとで分かったのですが13日(日)あたりがピークだったそうで、混雑を避けるために出歩くことを控えていた3連休の中日です。

振り返りますが、もっと鮮やかな紅葉に出くわしたことがあります。2~3日だけの紅葉のピーク、青空、平日が重なることは滅多にないようです。

それでも部分的に鮮やかな紅葉を切り取りました。

気になっていた焼石岳の上に岩手山が見えました。

その岩手山は山頂部における火山活動が1ランク上のレベル2になったため、今月初めから入山が禁止されています。今年は久しぶりに登りましたので間に合ってよかったと思います。

早池峰山も見えました。

山頂には10時29分に到着しました。

この日は体調に問題がなく花の撮影機会もなかったため、標高差507m、距離4.3km2時間10分というコースタイムを、それに近い2時間17分で歩くことが出来ました。

先ずは遠くの山が見えなくなる前にと確認を急ぎました。

岩手山は見慣れない形です。

早池峰山を中央に、右が薬師岳で左が中岳かと思います。

一番奥の山並みの山頂部に雲があります。

鳥海山は雲の上に山頂部だけです。

次は宮城側の紅葉の具合を確認しましたが、鮮やかさが足りません。

予定を変更し来た道を戻るのではなく秋田側の天馬尾根コースに向かうことにしました。

これは岩手県側の登山口に設置されていた看板(北が下)で、右に向かう秋田県側の天馬尾根コースは途中で切れています。

水色の矢印に沿って登りましたが、これを戻らずに赤色の矢印に沿って下山しようというものです。それは、天候に恵まれ、体調も良いので、これが最後かもしれないとの思いからでした。

出来心みたいな予定変更で、戻れば4.3kmで済むところ秋田側の登山口までの5.8kmに加え、駐車場まで2.7kmの車道を歩くことになりました。

11時14分に下山を始めて振り返ると、やはり見頃は過ぎたと言わざるを得ません。

ここは天狗平と呼ばれる須川コースと宮城側からの表掛(おもてがけ)コースが合流する場所です。

ここから10分ほど歩くと岩手側の絶景ポイント展望岩頭です。

草紅葉の中に池塘が点在しております。ひときわ大きな三角形は池塘ではなく須川湖です。

これから歩く天馬尾根の先のピークが秣岳(まぐさだけ 1424m)です。

振り返れば先ほどまでいた須川岳です。

緩やかなアップダウンを繰り返す快適な尾根歩きと思われます。

振り返ると今日一番の紅葉が観られましたが、ここまで下るのには泥濘状態が酷くて苦労しました。

緩やかに登りますが綺麗な紅葉に励まされました。

振り返れば快適ではなかった泥泥の登山道を覆い隠す紅葉です。

再び緩く登ります。

周囲には草紅葉も広がり見飽きません。

再び登りです。泥濘地獄からは解放されましたが、左の膝が痛み始め歩行速度が更に落ち、何人もの人に追い越されました。

これが最後の登りなら嬉しいのですが・・・・・・

登り切って振り返ると左からガスが湧いてきました。

暗くなる前に車道に下りたいので先を急ぎます。

これが秣岳への最後の登りです。

振り返ると先ほどの小ピークの左の須川岳は見えなくなっておりました。

秣岳には13時55分に到着しました。休憩して小腹を満たしたかったのですが、座る場所が先客に確保されていたため通過しました。

この先は展望も得られない滑りやすい急降下なので撮影は控えました。

振り返る余裕ができました。形のいい秣岳の紅葉もピークは過ぎているようです。

膝の痛みも酷くならずに済み、15時26分明るいうちに登山口にたどり着きました。

駐車場までの舗装道路2.7kmは歩きやすくて、泥だらけの登山道に比べたら正に雲泥の差でした。

駐車場に到着したのは16時15分で、温泉で汗を流したいところですが、遅くなるので我慢して2時間弱ハンドルを握って18時30分に帰宅しました。

8時12分から約8時間歩いた距離は4.3+5.8+2.7=12.8kmでした。須川高原温泉から山頂までの4.3kmと車道歩きの2.7kmはほぼコースタイム通り歩きましたが、山頂~秣岳~秋田側登山口までの5.8kmはコースタイム2時間30分より1時間50分余計に掛かりました。来年以降このコースは無理だろうと思いますので、記憶に残る山行となりました。


岩木山(津軽富士から南部片富士を見るために)

2024-09-06 16:55:23 | 旅行

8月2日に早池峰山に登り、暑い時期は止めた方が良いなと思い知り引きこもっておりましたが、朝晩涼しくなりましたので青森県の津軽富士と呼ばれる岩木山(いわきさん 1625m)に出かけました。

八合目(1247m)の駐車場から標高差378m、歩行距離1.35kmなので、鈍った足腰には丁度いいのですが、自宅からの距離200km弱は3時間ほどかかります。

東北自動車道大鰐弘前インターを下りて間もなく、比較的人工物が少ない場所で7時31分に撮影した岩木山です。

更に進むとリンゴ畑の中から津軽富士が顔を出していました。

駐車場に到着したのは8時40分頃で、青空が広がり日本海もよく見えていました。

右端の山塊は世界遺産の白神山地と思われます。左方向は秋田、岩手ですので上の方から見慣れた山が見えないかと楽しみです。

平日なので運休かと思ったリフトは動いていましたが歩きました。

歩きやすいとは言えない登山道ですが、思ったよりは苦しくなくて、引きこもりの影響はなかったようです。

その間にセリ科の花を見かけては葉に注目したところ、違いが分かるようになりました。

ミヤマセンキュウかなと思います。

イブキゼリモドキかなと思います。

ハクサンボウフウかなと思います。

樹林帯を抜けると鳥の海と呼ばれる九合目で、風景は一転し火山の様相が広がりました。

山頂まで25分とありますが、登山口には40分と示されておりますし、私はもっとかかります。

日本海がよく見えていたので、南の方に目をやると岩手山らしきシルエットが確認できました。

今のうちに写しておかないと見えなくなるかもしれないと、何枚も撮りました。

これは間違いありません岩手県の最高峰岩手山(いわてさん 2038m)です。

津軽富士から見る南部片富士は初めてですので、この日の目的は果たせました。

リフト降り場の向こうには白神山地が見えます。

そして日本海の青が鮮やかです。

秋田県立大館鳳鳴高校の生徒さんが遭難したこの地に建てられた鳳鳴ヒュッテから先が胸突き八丁の正念場です。

急登の足元に黄色い花を見つけては一休みしました。

イワオトギリかと思いましたが、下山時に見た植生の案内にはシナノオトギリソウとありました。分布は東北南部、関東地方南部、中部地方のはずなので意外でした。

ミヤマキンバイが咲いていたのも意外でした。葉がたくさんありましたので、一面黄色に染められる時期に訪れたいものです。

登りは右、下りは左と明示されていますが、一度うっかりして間違えました。

このセリ科の葉は下で見たものとは違います。

シラネニンジンかと思います。

遠くの山も気になり岩手山の方に目を凝らすと、雲と肩を並べる山頂を何とか確認出来ましたが見えなくなりそうです。

そこから更に登って北方向に目をやると、八甲田連峰と思われる山並みが見えました。

中央奥の白神山地に雲がかかり、他の山々も見えにくくなってきました。

赤い屋根が鳳鳴ヒュッテ、その左上にリフト降り場、その右下に八合目の駐車場などが見えます。

鯵ヶ沢方向の日本海です。

そこから左(南)に視線を移します。

山頂まで一登りですが、ガスが押し寄せてきました。

枯れ始めのヤマハハコは何ヵ所で見ましたが、ここで写しておきます。

ガスには勝てそうもありませんが、登ります。

山頂です。

八合目に至る有料道路のガードレールが美しい幾何学模様を描いています。

動きが早いので雲が取り払われる時が来そうにも思いましたが、早めに帰宅したいので11時45分に下山を始めました。この時までほかの人が入り込まない瞬間を待っていたらガスに覆われました。

九合目から振り返ります。200m足らずの標高差なので、早池峰山の岩登りよりはるかに楽です。

この日は早く帰宅したい事情から、八合目までリフトを利用しました。

予想(期待)よりも遠望が利かず残念でしたが、岩手山を確認出来たのは初めてですし、過去4回は麓さえもよく見えませんでしたので満足しています。

この日登り始めて間もなくすれ違った方は、5時30分ころ別の登山口から登り八合目に下るとのことなので、雲一つない大展望を満喫されたことと思います。

この時(7時31分)山頂に立ちたかったです。

13時に出発し休まずに走ったら16時に帰宅しました。丁度3時間、この間1~2回休むべきでした。


早池峰山(ナガバキタアザミとミヤマアケボノソウを観るために) 

2024-08-04 17:16:33 | 旅行

8月2日(金)に早池峰山(はやちねさん 1917m)に登りました。7月12日(金)には開花していなかったため、梅雨明けを待って出かけました。

前回と同様に自宅を4時に出発し河原の坊(かわらのぼう)駐車場に着いたのが5時でした。

ここからの登山道は崩落のため通行できません。

小田越(おだごえ)登山口まで舗装道路を2キロほど歩き、山頂が映える青空に暑くなることへの不安も感じながら一合目に向けて歩き始めたのは5時54分でした。

樹林帯には見たことのない小さな花が咲いていましたが、明るくなるであろう下山時に写すことにし、少し大きめのコイチョウランだけ写しました。

一合目まではこれまでと同じペースで歩くことが出来たのですが、この先五合目までは日差しが強くて風がないため厳しかったです。

一休みした一合目からはトンボが舞う中、南西方面には奥羽山脈がはっきりと見えていました。

一番南に須川岳(栗駒山)

その北には焼石連峰

歩き始めて間もなく早速お目当てのナガバキタアザミが現れました。分布は北海道と本山だけという希少種です。

この山では初めて観た花が続きます。

クルマユリ

検索してシロヨメナと思いましたが、葉の鋸歯が粗くないのでゴマナのようです。

標高を上げると固有種のナンブトラノオが現れ、この先八合目ぐらいまで観ることが出来ました。

そして南から須川岳、焼石岳と続く奥羽山脈に和賀岳が加わりました。

その奥羽山脈の向こうには鳥海山もはっきりと確認出来ました。

ここまでにもウメバチソウは咲いていましたが、日差しが強すぎるため日陰のこの場所で写しました。

私も日差しを避けるために大きな岩の陰で立ち止まり、冷たい岩に手を触れることが多くなりました。花の撮影時のスクワットも苦痛に感じ始めましたが、綺麗な花を観るとしゃがんでしまいます。

ナガバキタアザミ

タカネナデシコ

ナンブトラノオ

立ちはだかる岩

苦手なセリ科ですが、今回は葉の特徴からの判断に間違いなかったと思います。

ハクサンボウフウ

ミヤマウイキョウ

シラネニンジン

ミヤマシャジン

固有種の1つであるナンブトウウチソウ。

立ちはだかる岩。疲労のためか何時もより覆い被さってくる感じが強いです。

ナンブトラノオ

ナンブトウウチソウ

ハクサンシャジン

ナンブトウウチソウ

少し緩くなりましたが「五合目はまだか?五合目から引き返そうか」と弱気になりました。

休むために写すのか、写すために休むのか分からなくなり、写した後立ち上がると立ち眩みが。

ナンブトラノオ

ナンブトウウチソウ

一休みして目を凝らすとまだ鳥海山が見えており、残雪も確認できました。

ようやく見つけたミヤマアケボノソウの本山以外の分布は、北・中央・南アルプス、八ヶ岳です。

目立たない色なので気を付けて探しますが、そうすると足元が覚束ないことになります。

ナンブトウウチソウの数が増えてきました。

少し元気になり五合目に向かいましたが、またしても岩が。

小田越から2時間35分かけて、ようやくたどり着いた五合目です。

前回は1時間50分で、それ以前の記録を見て一番遅かったかと思いきや2時間38分がありました。その時は7月初めの花盛りで撮影に時間をかけたためで、暑さが厳しくなかったと思いますので苦しかった記憶はありません。

ここで一休みしてこの場所特有の花に癒されると、元気が回復してきました。

チシマフウロ

イワウメ

そしてこの先を眺めながら、六合目、七合目までは距離が短く、鉄梯子を登れば八合目で急登が終わる、と考えて引き返すことは止めました。ガスが広がって強い日差しが鳴りを潜めたことも幸いでした。

秋の花が増えてきたことを感じながら歩き始めました。

ミヤマアキノキリンソウ

イブキジャコウソウ

ウメバチソウ

ドライフラワー化したハヤチネウスユキソウに囲まれています。

タカネナデシコ

九合目の標柱が見えました。

九合目の剣ヶ峰分岐に立つと、山頂にガスが押し寄せていましたので、急ぐことなくお花見を続けました。

イワオトギリ

ミヤマアキノキリンソウ

タカネアオヤギソウ

上の方だけ花が残っているキタヨツバシオガマです。

ミヤマトウキ

ガンジュアザミは岩手山の古名「岩鷲山(ガンジュサン)」に因むもので、岩手山の他には本山という分布に従いました。

ミヤマコウゾリナ

10時15分に到着した山頂まで五合目からの所要時間は、前回とほぼ同じ1時間46分でした。

疲れはそれほどでもないため直ぐに座り込まずに、ミヤマアケボノソウの情報を得ていた場所まで足を延ばしました。

ミヤマアケボノソウ

ミヤマダイモンジソウは岩の隙間にひっそりと咲いていました。

山頂にいたのは12分ほどです。避難小屋で昼寝しようかとも考えましたが、下山に時間がかかると思い下山を急ぐことにしました。

12時27分に下山開始し、綺麗な花を見つけるとカメラを向けゆっくりと、時には振り返りながら歩き始めました。

同じ花を写している場合もあります。全く同じ構図のものがあったのには我ながら呆れました。

ガンジュアザミ

ミヤマセンキュウ

イワオトギリ

シロバナトウウチソウ

ミヤマホツツジ

ミヤマアキノキリンソウ

キタヨツバシオガマ

タカネナデシコ

ナガバキタアザミ

ナンブトラノオ

ナンブトウウチソウ

ハクサンシャジン

花の付き方が輪生ではないので悩みましたが、萼片が線形であることからの判断です。

ミヤマシャジン

キンロバイ

ナガバキタアザミ

ゴマナ

登る時は薄暗いため下山時に取っておいたのですが、暗くなる前に何とか写すことが出来ました。

ツルアリドオシ

アリドオシラン

駐車場のある河原の坊には、15時16分にたどり着きました。

登りに5時間4分、下りに4時間49分かかりました。下りでは滑って転び肘に擦り傷を負いながらも、大事に至らず無事下山できました。

暑いこの時期は睡眠時間も十分ではないため、山歩きは控えるべきだと肝に命じました。