山歩き

どんな花が咲いてるでしょう、どんな山が見えるでしょう

岩手山(山頂を見るために) 2日目

2024-07-01 16:25:11 | 旅行

前夜管理員さんから日の出は4時10分頃と知らされていましたので、3時30分頃からカサカサ音が立ち始め4時前には何人かが外に出て行きました。私も毛糸の帽子をかぶり、レインウエアを着込んだうえ、サンダルではなく靴を履いて出てみました。

既に明るくなっているこの時、3時45分です。

あまり赤くなりません。

収容人員100人という避難小屋の全貌です。

日の出ですが、待ち構えていた方々からは期待外れの声が漏れていました。

管理員さんによれば「今日は雲の上から出たが、昨日はスカイラインに雲がなく鮮やかだった」とのことでした。

早池峰山です。

その後の朝食はアルファ化米のドライカレーとインスタント味噌汁、チーズでした。ドライカレーはパッケージの指示通り熱湯を入れて15分待ちましたが、口に入れ少し硬いなと思ったところで気づきました。沸騰しても100℃になっていないという、中学校の理科を忘れており情けなかったです。

荷物を整理して寝不足感もなく、ほどよい満腹感でいざ山頂へ。

下の方では枯れたり色があせたりだったハクサンチドリが綺麗でした。

キバナノコマノツメが沢山咲いていました。

9合目の不動平(ふどうたい)は複数ルートの合流点で、避難小屋も立地している要衝です。

火山岩の砂礫で歩きにくいです。

9合目の不動平避難小屋が見えます。

8合目の避難小屋は左端です

鬼ヶ城と呼ばれる荒々しい尾根の向こうに秋田駒ケ岳(あきたこまがたけ 1637m)が見えます。

こちらは森吉山(もりよしざん 1454m)です。

「お鉢」と呼ばれる火口壁で急登は終わり、薬師岳と名付けられた山頂が見えました。

タカネスミレの黄色が黒褐色の火山砂礫に鮮やかです。

オレンジ色の矢印で示したお花畑コースと御苗代湖を俯瞰します。

中央火口丘は妙高岳と名付けられていますが。薬師岳とともにあまり知られていないと思います。

今日はそよ風程度ですがここは爆風地帯で、イワテハタザオも横たわっていました。

北側の斜面にタカネスミレが見え、その先の青森方面の山並みは霞んでいます。

西の方は良く見えています。

南も同様です。

6時48分に山頂を見ることが出来ました。

八幡平方面の平坦な山並みです。特徴ある畚岳(もっこだけ 1578m)茶臼岳(ちゃうすだけ 1578m)は確認できますが、1613mの八幡平山頂は分かりません。

山頂からの展望を満喫して下山を始めたのは7時6分でした。20分足らずの山頂でしたが確りと記憶に刻みました。

秋田駒ケ岳の左には鳥海山(ちょうかいさん 2236m)もかすかに見えていましたが全く見えなくなりました。

火口壁を下ります

山頂の見納めです。

更に見納め。

25分下りこのような場所に立ちましたが、そこまでに撮影したお花を御覧ください。

コマクサ

イワヒゲ

開花前のイワブクロ

コメバツガザクラ

イワテハタザオ

また振り返りました。

タカネスミレ

ささらに下り、右奥に山頂である薬師岳、左手前に中央火口丘の妙高岳が並んだ地点で進路変更しました。

タカネスミレの群落に立ち止まり、規制ロープに導かれ中央火口に進入しました。

その先にも黄色いお花の群落がありました。

ミヤマキンバイと両側にキバナノコマノツメです。

その先にはコマクサとタカネスミレの競演が待っていました。

寄り道を終えて火口壁のルートに戻ると、この先でもお花見することが出来ました。

コマクサ

キバナノコマノツメ

ミヤマキンバイ

コミヤマハンショウヅル

オオバキスミレ

ハクサンチドリ

コケモモ

オオバキスミレ

振り返るとY字型の登山道が見えます。同じような勾配に見えますが、左はほぼ直登で右はつづら折りです。右を登るつもりが間違えて左を登ってしまいましたので、右を下りました。

八合目避難小屋に戻ると、昨晩お世話になった毛布が太陽を浴び風に吹かれていました。

ここで2本のペットボトルを御成清水で満たし、8時42分に登山口に向けて歩き始めました。

今回初めてのヤマハハコは開花直前です。

コケモモを観ると写したくなります。

ミヤマカラマツ

7合目からは露岩地帯の旧道を下ることにしました。

ここは標高1732mなので山頂から300mほど下ったことになります。

初めのうちは灌木地帯です。

ミネウスユキソウ

巨大なひし形は陸上自衛隊の実弾射撃訓練を行う場所で、今日は静かですが大砲の発射音に驚くことがあります。

ハクサンチドリ

ヤマオダマキ

ミヤマナナカマド

10年前に登った時、雷雨に見舞われて恐い思いをしたのがここでした。

前週秋田駒ケ岳では観ることの出来なかったエゾツツジの鮮やかな色が、目に飛び込んできました。

ヤマオダマキがここにも。

ムシトリスミレ

マルバシモツケ

ミネウスユキソウ

ハヤチネウスユキソウはこれほど密にならないと思います。

咲いているだろうな、観に行かなくては。

新道も大変でしたがこれを登るのも苦労しそうです。

ベニバナイチヤクソウ

ハクサンシャクナゲ

綺麗なピンク色のマルバシモツケです。

ここは5合目辺りで、このように急でズルズル滑りそうです。いや、滑りました。

ハナニガナ

ウラジロヨウラク

コメツツジ

エゾツツジ

キンコウカ

ミヤマトウキ(イワテトウキ)

4合目にある新道への連絡路にトキソウが咲いていた、との情報を得ていたのでそれに従いました。

早速トキソウを見つけました。

ウラジロヨウラク

あっという間に新道に進むと、日差しもさえぎられ良い選択でした。

ここからは昨日登った道を下りましたが、はるかに楽でした。

3合目

2.5合目

1合目

1合目を過ぎると変わった形の花が沢山咲いていました。

昨日は気が付かなかったヤマジノホトトギスです。

タマガワホトトギスに訂正します(20240603)

気づかなかったのか、昨日は咲いていなかったのか。分かりません。

お世話になりました。出来ることならまた来たいです。

無事登山口に戻ったのは13時08分でした。

駐車場から自宅に向かいしばらくして、途中でどこを走っているのか分からなくなり焦りましたが、見覚えのある道路に戻り無事帰宅しました。

この写真は混乱の中停車して写したものです。

 

 

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岩手山(山頂を見るために) 1日目

2024-07-01 10:05:51 | 旅行

6月27日~28日にかけて岩手山(いわてさん 2038m)に登りました。写真は下山後に写したもので、鞍掛山(くらかけやま 897m)を抱くようにしてそびえています。

2014年に初登頂を果たしたこの山頂に4度目の挑戦ですが、これまでと同様に日帰りすることは無理があるので、8合目避難小屋に泊まることを前提とした山行です。

10年前と同様に「馬返し登山口」から登ることにしたのは、数あるコースの中で最も易しいだろうと考えたからですが、この山の大きさを改めて思い知り、来年は登ることが出来ないかもしれないと感じました。

駐車場からの岩手山です。

これは少し先の登山口からです。

山頂までの歩行距離は5.7kmで、標高差は633mから2038mまでの1405mと相当手強いのですが、4月末からほぼ毎週歩き回っていたことで、「今年は行けるんじゃないのか。来年はどうなるか分からないぞ」との思いからの挑戦です。

歩き始めたのは8時41分と遅いですが、今日は8合目に泊まるだけだとザックに忍ばせた缶ビールのプルタブを引く瞬間を思い浮かべての出発です。

樹林帯を登る新道と、展望の良い露岩帯を登る旧道のどちらを選択するかは、日差しを避けたいとの思いで新道にしました。

8時41分に歩き始めた時は、半そでシャツ一枚で快適なほど気温が上がっていました。

粋な歓迎です。

今9時19分、38分歩きましたがまだ0.5合目です。

1合目には20分後の9時39分に到着。まだ1.5kmしか歩いておらず、山頂までは4.2km、8合目までは2.4km残っており先が思いやられます。

咲いている花は少なくてカメラのバッテリー温存にはありがたいですが、私の体内のバッテリーは消耗が激しくなりそうです。

シロバナニガナ

整備された登山道は歩きやすいですが、この先は次第に急になるはずです。

豆腐岩ですが、見る角度が悪いのか豆腐には見えませんでした。

展望が開けたところで振り返って、姫神山(ひめかみさん 1124m)と早池峰山(はやちねさん 1917m)を確認しておきます。

左に姫神山

右に早池峰山

そして目指す岩手山です。

この三山には岩手山(夫)姫神山(妻)早池峰山(岩手山の心を奪った女神)という関係の伝説があり、三山が一緒に姿を現すことは滅多にないと言われていますが、この日はすっきりと見えていました。

2合目、2.5合目と通過し、勾配が少しきつくなりました。

新道と旧道の連絡路がありますが、登りは新道だけと決めていました。

ヤマオダマキは広範囲に咲いていました。

3合目

タニウツギ

休みたいと思うと都合よく各合が現れました。

4合目

ハクサンシャクナゲ

エゾノヨツバムグラ

オオバノヨツバムグラの葉より幅が広く、先は丸みがあります。

ミネウスユキソウ

コミヤマハンショウヅル

ミヤマハンショウヅルかもしれません(20240603)

ハナニガナ

綺麗に撮れましたが見たことがない花です。

休みたくなってきました。

5合目にたどり着いたのは12時3分で、歩き始めて3時間半近く経っていました。

8合目まで約1.2kmですが、7合目までの0.9kmが一番きつかったです。

オノエラン

横向きのヤマオダマキが内部を見せてくれました。

マルバシモツケ

鋸歯が葉先だけか全縁のイワシモツケも探しましたが見つかりませんでした。

マイヅルソウ

オオバキスミレ

ハクサンシャクナゲ

立ち止まる回数が増えてきました。

また休みたくなったら6合目でした。

毎年の歩き始めとして4月末に登る鞍掛山(くらかけやま 897m)が良く見えます。

山頂広場のベンチや表示板も見えます。

今年4月20日に撮影した表示板です。

急登から解放される7合目が近いようです。

ミヤマナナカマド

葉の基部近くまで鋭い鋸歯があるので、タカネナナカマドかと確認したところ、花序が垂れていないものはミヤマナナカマドとのことです。

オオバキスミレ

マイヅルソウ

山頂部が大きく見えたところで7合目です。

8合目まではほぼ平坦で足取りが軽いです。

コケモモ

ベニバナイチヤクソウ

ミヤマキンバイ

これらに目を奪われ下ばかり見て歩き、ふと視線を上げると八合目避難小屋が現れました。

14時15分にたどり着き、宿泊の手続きを済ませ、保冷バックから缶ビールを取り出し「お疲れ山でした」「お疲れ生です」とつぶやいて、一気に飲み干しました。

明日の山頂を夢見ながら夕方まで昼寝して、夕食を食べた後は20時の消灯までラジオを聞いて過ごしました。

夕食は今朝コンビニで4個買ったお握りの残り2個と紅茶、それにビールのとき食べ残したドライソーセージでした。

消灯後は眠ったのか、眠っていないのか分からない状態でした。いつもなら何人かのイビキが気になるところ全く聞こえないので、今日の20名ほどの相客は静かな方が多いなと思いながら夜は更けていきました。

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