阿寒湖のマリモが地球温暖化の影響で表層が薄くなった可能性がある、という話題を詠んだ句が秀逸をいただきました。
マリモは細い藻が球状に集まったもので、大きくなると中心に空洞を形成し、表層の厚みは4~5センチとなります。研究チームは、マリモを暗所に置いて水温と藻の密度を観測し、人間が脂肪を燃焼させるように、マリモは光合成が出来ないと栄養を生み出すために分解するが、その速度は水温が上がるほど速まることを発見したそうです。
そのデータと、MRI解析で算出したマリモの光合成による成長速度を合わせると、88年の水温では約4.7センチだった厚さが、近年の水温では約3.7センチとの試算がでたもので、「痩せた」と導き出しました。今後も水温が上昇すればマリモが壊れやすくなるとのことです。
阿寒湖の遊覧船はマリモを観察できる施設がある島に立ち寄ります。何度か訪れたことがありますが、壊れたマリモも展示されていたことを思い出しました。壊れる原因に水温の影響があるのかどうか、そのような説明があったのか覚えていません。
関西ではこのニュースに、「あかんやろ」と突っ込みが入ったかもしれませんね。
さて入選句は「あかんあかん」と繰り返したのが味噌だと思います。
この反復法は修辞技法の一つですが、17文字しかない俳句や川柳で、同じ言葉を繰り返すのはなかなか勇気のいることです。
有名な句に、春の海ひねもすのたりのたりかな(蕪村)があります。
名人が用いると味が出ますが、素人が真似をしてもうまくいかないように思います。
さすがは名人、ちゃんと入選に結びつけられました。
あくまで個人的感想でした。
中七は「それはあかんと」も考えましたが、「それは」の関西弁が浮かばないので、あまり深く考えないで「あかんあかんと」にしました。反復法は決まれば効果的だが、使い方を誤れば悲惨だ、そのようなことかと頂きました。
前には、上五にカタカナを使えば読書にインパクトを与える、と教えて頂きました。
shuさんは俳句や川柳の句作りについて、さまざまなことをご存じで、的確な感想をくださり大変参考になります。これからもよろしくお願いいたします。