念願のビールにありついた7月最後の夜を岩手山八合目避難小屋で過ごし8月1日を迎えた。
昨夜の状況と天気予報から御来光は期待できないと思っていたとおりの朝、山頂は依然として雲の中だが夜中に外に出た人が満天の星空で天の川が見えたと話していた。
小屋の管理人さんのお話では10時頃から晴れるはずだと言うので、9時頃まで小屋で待機することにし同じことを考えている青年と情報交換した。
『下山する時「御花畑コース」にしたいが借り払いが不十分で歩きにくく、お花も大したことがないと聞いている。』と話すと昨日借り払いが行われていたし「御釜湖」と「御苗代湖」が綺麗だから見たほうが良いと勧められ「御花畑コース」に決定。
昨日「鬼ヶ城コース」から写した湖の写真を見たいというので見せたが、彼が見たかったのは青い湖面の「御釜湖」でそれは写っていなかった。
次第に空が明るくなり雲が切れ始めたので9時前に出発する。
10分も歩くとこのとおり。
さらに10分歩くと青空が広がって山頂へと心が急ぐ。
しかし朝露いっぱいのイワブクロを見るとパチリ。
コマクサを見てパチリ。
昨夜お世話になった小屋も見える。
昨日はこの稜線を右から左に歩き、見えている不動平避難小屋のところに下りて八合目避難小屋に向かった。
御鉢と呼ばれる火口にたどり着いたときは山頂も見えたのだが、この後花を見ているうちに急変したようだ。
コマクサを見
普通のイワブクロを見
白いイワブクロ見ているうちに青空が消え、白い世界になってしまった。
30分ほど粘ったが諦めて青年に声をかけてから10時25分下山開始。
九合目の不動平へ到着、先ずは1.9km先の御花畑を目指す。
ここは歩き易い方で、雨が降れば沢に豹変するであろう区間もひたすら歩くと、立派な標柱に痛々しい傷が見える。
倒れた木が当たったのか、誰かが悪戯したのかと深く考えなかったが二本目を見た時、これはヒトの悪戯ではなくクマの仕業と確信してしまったので、クマよけの鈴を盛大に鳴らしラジオも付けて先を急いだ。
御花畑に着いたのは11時55分丁度昼飯時、腹も減っておりここで食べないとこの先いい場所が無さそうなので、クマの心配をしながらここで食べることにした。
アルファ米に熱湯を入れてご飯になるまでの15分間に御釜湖と御苗代湖を見てくることにし、そのために一計を案じクマよけにと付けっぱなしのラジオを置いて往復することにした。
青年は御釜湖のこの青が上からどのように見えるのか知りたかったのだろう。
御苗代湖
昨日上から見たのがこれ。
ラジオを鳴らしていると言え大事なご飯がクマに食べられていないか心配で急いで戻ったら無事だった。
昨日上から見たこの場所。
その途中イワショウブを見つけたのでパチリ。ここの目玉はチングルマだが花の後の綿毛も目立たない。
腹ごしらえできたので12時35分出発しひたすら歩くのみ、今まで誰とも会わないし暗くなると嫌なので急ぎ気味に歩く。
この先急登が待ち受け、その先も上り下りを繰り返さなければならない、これと言った花も咲いていないので歩くしかない我慢のしどころだが歩くことに飽きてきた。
2回尻もちをついてリフト乗り場に着いたのが15時5分、そのまま家に帰ると灼熱地獄が待っているので、温泉で汗を流して18時40分頃到着するように時間調節。
下界の暑さから避難するために八合目避難小屋に泊まったみたいな二日間の無事に感謝しながら、現実の暑さに耐えながらなんとか書き終えた。
~完~
岩手山への登山、お疲れさまでした。
満天の星と、ご来光は望めませんでしたが、担ぎ上げたビールに十分にご満悦された様子がよく伝わってきました。
お花も所々きれいで、よかったですね。私の知らないお花がたくさんありました。
私は20代の時に2度登りました。1度目は日帰りで焼走りから登って馬返しに下りました。下山後アスファルトの道を延々と歩いたのを覚えています。
2度めはよく覚えていないのですが、年配のメンバーと一緒に小屋に泊まりました。小屋は満杯で登山靴が溢れていて、間違わないように気を付けたことを覚えています。
今年の5月に小岩井農場から岩手山がよく見えました。実に堂々としている大きな山だと思いました。
懐かしい思い出が目覚めました。
いつも丁寧なブログを書いてくださる、山歩きさんにあらためて感謝申し上げます。
丁寧なブログ、2倍~3倍にしてお返ししたいです。歩くのと同様、張り切って書き始めるのですが次第に疲れ、飽きてきて文は簡略化手を抜いて省略した花もあります、山頂の写真はボーっとして載せ忘れたので追加しました、左下が青年です。
昔舗装道路を延々と歩かれた先は、最寄りのバス停か国鉄の駅だったのでしょうね、初日に会話した神奈川から来た同年代の方は、新幹線で来て馬返しまでタクシーを利用したと言うので詳しく聞いたら盛岡駅ではなく、旧東北本線のIGR銀河鉄道滝沢駅とのことでしたが、タクシー代高かったでしょうね。
2日目に会話した青年のほうは数ある登山口の中で唯一路線バスを利用できる松川温泉から入山し、焼け走りコースを下山しバス停のある「道の駅にしね」まで7キロ弱を歩くと言うので、盛岡~網張温泉の路線バスがいつの間にか廃止されたことを知りました。
マ
イカーやレンタカーを利用すると便利ですが同じコースの往復という宿命があります、今回は「鬼ヶ城」と「御花畑」を歩くことが出来て良かったです。
混雑する山小屋での靴、目に浮かぶようです。今回はレジ袋を渡され中に持ち込みましたし、室堂平で下駄箱があり名札を付けるようになっていました。
深田久弥氏は岩手山の姿を最大級の誉め言葉で記してくださいました、ありがとうございます。「北に向かう急行が盛岡駅を出て間もなく、左側にポプラ並木の梢越しに見えてくる岩手山は、日本の汽車の窓から仰ぐ山の姿の中で、最も見事なものの一つだろう」
汽車の窓と岩手山の間には様々な人工物が増えました、東北自動車道の岩手山サービスエリア付近から見える姿も素晴らしいと思います。
ながながと失礼しました。