山歩き

どんな花が咲いてるでしょう、どんな山が見えるでしょう

秋田駒ケ岳(タカネスミレを観るために) その③

2024-06-23 20:45:28 | 旅行

その②からの続きです。

【ムーミン谷から阿弥陀池・横岳・焼森経由八合目まで】

谷底から男岳への急登はこの山域最大の難所です。

15分ほど休んでから歩き始めると薄紫の花が励ましてくれました。

ミヤマスミレ

シラネアオイ

黄色の花も。

オオバキスミレ

ミヤマキンバイ

ミヤマキンポウゲ

あの鞍部までが胸突き八丁の正念場です。

左折すれば男岳への尾根道が続きますし、乗り越せば阿弥陀池が待っています。

20名ほどの団体さんが下りて来たので、やり過ごすために立ち止まったところ、珍しい花を見つけました。

ナガバツガザクラ

葉の長さはツガザクラの5~8mに対し7~12mmだそうですが判断できませんので、ガイドブックの記載に従いました。

そして目についたのがイワヒゲでした。

これは珍しい花に出会ったと嬉しかったのですが、帰宅してから写真をよく見ると、ナガバツガザクラの葉が見えました。

この写真の蕾の方はイワヒゲかと思います。

待ち時間が長かったのでじっくりと探しましたが、イワヒゲはありませんでした。

もう少しです。

悪戦苦闘すること45分、ようやくたどり着きザックを下ろし汗を拭きました。

女岳の麓の雪を見ながらから登ってきました。

この先どうするか。疲れ具合を考えて男岳と男女岳はパスして、焼森のタカネスミレを観ながら下山することし、阿弥陀池に下りました。

岩手山は見えたままです。

朝は池の左を歩きましたので、今度は右側を歩きました。いつもより池が小さく感じます。

やはり水量が少ないです。

特筆すべき花はありませんでしたが、写してしまいました。

ヒナザクラ

イワカガミ

葉を観るとコイワカガミも交じっているようです。

ミヤマキンバイ

ムシトリスミレ

男女岳の麓、避難小屋の前に着いたのは12時頃で、歩き始めて6時間経っていました。

ここで靴を脱いで足の指を動かすなどしたら、疲れが抜けて気持ち良かったです。

池の左奥に男岳、池の右正面に男女岳を眺めて、登るのを止めたためか「今日はいつもより高いなあ」と感じました。

ここで25分くらい休み腹ごしらえをして、焼森目指して歩き始めたのは12時20分でした。

横岳までは朝歩いた道を歩き、その先で焼森が見え始めました。

大焼砂よりは小規模ですが見事なタカネスミレの群落です。

大焼砂では見下ろしましたが、見上げる風景も結構でした。

コマクサも綺麗に咲いていますが主役はタカネスミレです。

これが見納めです。あとは八合目へ急ぎます。

バスの発車時刻は14時5分なのであと1時間、間に合うはずですが、花に捕まらないように下りました。

とは言いながら開花前のエゾツツジに捕まりました。

ベニバナイチゴ

ムシトリスミレにも捕まりました(笑)

葉の上に捕まったムシが見えます。

コバイケイソウ

今年は当たり年かもしれません。

ミネザクラ

アカモノは今日の初物なので写さない訳にはいきません。

白いハクサンチドリが最後の花となりました。

八合目には13時44分に到着し、規制区間の25分は14時5分発のバスを追走しその後は快走、無事自宅着いたのは16時10分でした。

狙ったタカネスミレはまさに見頃、チングルマも見事でしたし、イワヒゲ、ナガバツガザクラなど珍しい花も観ることが出来、良い一日でした。

 完

 

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秋田駒ケ岳(タカネスミレを観るために) その②

2024-06-23 19:39:16 | 旅行

その①からの続きです。

【阿弥陀池から横岳・大焼砂経由ムーミン谷まで】

阿弥陀池の左を歩いて横岳に一登り、そこから右へ大焼砂(表示なし)を下りました。

ここ(1,583mの5の辺り)で大きく方向転換し、左下の通称ムーミン谷(阿弥陀池の弥の辺り)を散策しました。

チングルマに見送られ、お花を観ながら8時9分に歩き始めました。

コイワカガミ

カラマツソウ

よく似ているミヤマカラマツ、モミジカラマツとは葉が違います。

エゾイチゲ

開花前なので良く分かりませんが、葉で判断しました。

イチゲにしては花が多いので違うようです(20240625)

ベニバナイチゴ

ほどなく尾根に立つと田沢湖が見えましたが、空も湖面も白っぽいです。

見下ろせばこれから向かうムーミン谷に木道が見えます。

横岳に到着し腰を下ろして休んだ後、ここから大焼砂に向かいました。

無機質な火山砂礫ですが黄色いタカネスミレで彩られているはずです。

早く観たくて急ぎたいのに足止めを食らいました。

コケモモ

ミヤマキンバイ

ホソバイワベンケイ(雌花のようです)の小群落にも捕まりました。

そしてようやくタカネスミレが現れましたが、これはほんの挨拶代わりでした。

立ち止まる人が増えてきました。

これを観たかったのです。

次は咲き始めたコマクサです。

タカネスミレが終われば黄色の斜面が、コマクサのピンク色に変わります。

                                                                 

ムーミン谷への分岐点が見えてきました。

遠目にはコマクサでしたが、ベニバナイチヤクソウです。

ここから男岳の方に向かいます。

この斜面は何年も前から(私が知っているのは10年くらいですが)同じ勾配を維持しております。雨や雪の影響を受けず安定してるのは、水が浸透しやすいため表面の砂礫が流れないためかと思います。

この先に咲いていた花です。

ウラジロヨウラク

ハクサンチドリとムシトリスミレも咲いていました。

そしてチングルマです。

これは花後の綿毛で、そう果についた羽状の花柱だそうです。35個ほどの小さなそう果が集まった集合果とのこと。風に乗って種が運ばれるということでしょう。

さらに進んだ先が通称ムーミン谷で、チングルマの大群落が観られました。

チングルマの凄まじさに圧倒され、控えめに咲いていたのがヒナザクラです。

他に咲いていた花です。

イワテハタザオ

カラマツソウ

白い花の中にあって、黄色のミヤマキンポウゲが輝いていました。

お花見を楽しんだ後は男岳への急登が待ち構えておりますので、腰を下ろして大休止しました。

この時10時16分でしたので阿弥陀池から2時間ほど歩いたことになります。

その③に続く

 

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秋田駒ケ岳(タカネスミレを観るために)その①

2024-06-23 15:55:29 | 旅行

梅雨入りが近い6月21日に秋田駒ケ岳(あきたこまがたけ 1582m)に登りました。男女岳(おなめだけ 1637m)、男岳(おだけ 1623m)とは違うこの標高は、横岳(よこだけ)のものです。

この日歩いたのはごく狭い範囲です。

全体図

この日の行動範囲

八合目(赤丸の現在地)から反時計周りに阿弥陀池まで緩やかに登り、池の左を歩いて横岳に一登り、そこから右へタカネスミレ咲く大焼砂(表示なし)を下りました。

ここ(1,583mの5のあたり)で大きく方向転換し左下の通称ムーミン谷(表示なし)を散策し、急登を経て再び阿弥陀池に下りました。

今度は池の右歩いて再び横岳に戻り焼森経由で八合目に戻りました。

男女岳か男岳、あるいは両方の山頂を極めてから来たルートを戻ることも考えましたが、タカネスミレを観るために焼森に向かいました。

平日も交通規制によって登山バスを利用することになるのは、明日(22日)からとの勘違いからこの日は始まっていました。

駐車場が満車になると困るので、3時40分に自宅を出発し6時前に八合目に到着したところ3分の1は埋まっており、「早い人が多いな」「遠くのナンバーが多いな」「夜中に到着して車中泊したのかな」などと考えていたら、駐車場の入り口にバリケードが設置されました。

そこで、今日から規制が始まったこと、規制が始まる5時30分前に進入していたことに気が付きました。

帰路は下山バスの後ろを付いて行くことになるので対向車の心配がなく楽でしたし、「規制前の昨日は満車となり、路上駐車も発生し大混乱だったから、今日来てよかったよ」と駐車場の管理員さんに聞き、早起きは三文の得、バス賃の得を実感し勘違いの1日は無事終わりました。

では、終わるまでの足取りを紹介します。

【八合目から阿弥陀池まで】

すっきりとした青空ではありませんが、そのうち広がるだろうと歩き始めたのは丁度6時でした。

早速お花に目を奪われ前に進みません。

ハクサンチドリ

ツマトリソウ

ズダヤクシュ

ムラサキヤシオ

ショウジョウバカマ

手書きの味がいいですね。

マイヅルソウ

ヒメイワカガミ

コイワカガミの白花かもしれません。

登山道は歩きやすく整備されています。

オオバキスミレ

岩手山(いわてさん 2038m)の荒々しい稜線が見えますが、相変わらず青空ではありません。

ナナカマド

葉の基部に鋸歯はなく、色も白くはないようです。

タカネナナカマド

鋸歯が葉の基部にまであるように見えます。

キバナノコマノツメ

イワテハタザオ

ヤマハタザオ属9種のうちの1つで、岩手山にも生育しています。

ノウゴウイチゴ

登山道に最後まで残っていた雪です。

ショウジョウバカマ

タカネザクラ

別名ミネザクラが満開でした。

サンカヨウ

阿弥陀池までの中間地点で男女岳が見えました。

振り返れば右に岩手山と左に烏帽子岳(えぼしだけ 1478m)が見えます。

あの高い山は?と何人かに尋ねられましたが、県民も見慣れない岩手山の姿です。

イソツツジ

この山では初めて観たこの花、どこかで一度見たかもしれないという、私には珍種です。

ミヤマキンバイ

ハクサンシャクナゲ

蕾さえ見かけなかったのにこれだけは咲いていました。

コケモモ

オノエラン

ミヤマダイコンソウの群生がそこかしこに観られるようになりました。

ヒメイワカガミ

キバナノコマノツメ

1つだけソッポを向いています。

こちらはミヤマキンバイのようです。

コミヤマハンショウヅル

1回3出複葉ならそうですが、2回3出複葉ならハンショウヅルです。

はっきりしません。

ミネズオウ

ピンボケの一枚しか写しておらず残念でした。

チングルマ

ムシトリスミレ

阿弥陀池が見えてきました。

期待したチングルマの群生は観られませんでした。

ヒナザクラも少なかったです。

イワイチョウも探せば見つかる程度でした。

男女岳のすそ野に白く見えるのはチングルマだと思います。

残雪の近くに行くとチングルマとヒナザクラが咲いていました。

 

この時8時05分で歩き始めて2時間経っていました。少し休んでから阿弥陀池を後に横岳に向かいました。

その②に続く

 

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