山歩き

どんな花が咲いてるでしょう、どんな山が見えるでしょう

早池峰山(ヒメコザクラを観るために) その②

2024-05-26 21:36:14 | 旅行

五合目から再開します。

10時30分に強風を覚悟し八合目を目指して歩き始めたところ、そよ風みたいな状態で拍子抜けしました。

そのため周囲に目を配りながらゆっくりと歩くことが出来ました。

青空が広がり荒々しい岩肌がはっきりと見えます。

これを登るのではなく左に回りこみます。

振り返れば小田越登山口を挟んで対峙する薬師岳(やくしだけ 1645m)を見下ろすようになりました。

崩落した河原の坊コースはこの方向です。

そしていよいよ険しくなりました。

振り返ります

最大の難所であるハシゴ場です。上から見ればこんな感じですが、横から見ると案外緩く見えます。

 

ハシゴの先の急登は短くて間もなく八合目に着きました。標高は約1800mなので相当の高度感があり、薬師岳はさらに低くなりました。

東には綺麗なピラミッド型の剣ヶ峰(けんがみね 1827m)と宮古市方面の太平洋が見えました。

水平線ははっきりしませんが、右端に深い入り江が確認できます。

剣ヶ峰は早池峰山頂からこう見えます。

八合目の岩陰で珍しいものに出会いました。

エビの尻尾です。昨晩からの寒気と強風の産物です。

五合目から八合目までは花の密度が濃かったです。

その中で、クロミノウズイカグラは下山時に見つけたものです。

 

この場所では一面を埋め尽くしたイワウメを観たことがあります。まだ先のことかと思いますが、次に来たときは終わっているかもしれません。

そのイワウメの葉の中にウラシマツツジを見つけました。花の長さが6~8ミリと小さいため探すのに苦労しました。

再びミヤマアズマギクです。

再びヒメコザクラです。

再びナンブイヌナズナです。

八合目から山頂までは岩場の急登から解放され、なだらかな区間でお花見が出来ますが、まだ雪の下で準備中です。

歩き始めると昨年に建て替えられた避難小屋が見えました。

剣ヶ峰への分岐が九合目です。

山頂がはっきりと見えました。山頂では展望が得られずに、下山したら山頂が見えた。よくあることですが、これを避けるための駐車場での待機。我慢した甲斐がありました。

一歩一歩山頂へ。

岩手山が見えましたした。これならと、期待が膨らみました。

もう少しです。

新しくなり見違えるような避難小屋です。

11時37分山頂に到着しました。十合目を確認したのは今回初めてかもしれません。

 

山頂から県内の山はほとんど見えていましたが、青森の八甲田山、岩木山、秋田・山形の鳥海山は確認出来ませんでした。

北西方面の右に岩手山(いわてさん 2038m)、左に秋田駒ケ岳(あきたこまがたけ 1637m)です。

北北東には姫神山(ひめかみさん 1124m)です。

西から南西に目を向ければ、北から順に和賀岳(わがだけ 1440m)、焼石岳(やけいしだけ 1548m )、須川岳(すかわだけ 1627m)と奥羽山脈が見えていましたが、写真での確認は困難です。

南には間近に薬師岳が、その左側の一番向こうに、平原状の五葉山(ごようざん 1341m)が見えます。

北の山並みです。残雪があれば岩木山や八甲田山が確認出来たかもしれません。

山頂には35分ほど滞在し、12時12分に下山を始めました。

速く歩くことができないので休み休み、振り返ったり花を写したりしながらゆっくりと下りました。

登山口に着いたのは15時8分で2時間56分かかりました。登りは3時間23分でしたからあまり変わりません。

ここは薬師岳の登山口でもあります。ここから車道を歩きます。

山頂がはっきり見えます。

駐車場のある河原の坊登山口に到着したのは15時42分で、山頂での休憩を除いた往復所要時間は6時間30分でした。

2021年以降のデータとほぼ同じですので、まだ大丈夫かなと思いますが今背中が痛いです。膝や腰は何ともないのですが写真を写すためにしゃがんだり立ち上がったり、これが効いたようです。

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早池峰山(ヒメコザクラを観るために) その①

2024-05-26 20:28:43 | 旅行

下山してから撮影したものです。

5月25日(日)に早池峰山(はやちねさん 1917m)に登りました。ヒメコザクラは県内の他の山でも確認された経緯もありますが、今は早池峰山の固有種の1つとされているようです。

日本のサクラソウの仲間では最も小さいこの花、花期が早いので見逃さないようにと春が早い今年は例年より早く出かけました。

晴れ間が広がるものの午前中は風が強いという天気予報なので、8時頃登り始めれば丁度いいだろうと思いましたが駐車場が満車にならないうちにと、4時前に自宅を出て5時頃河原の坊(かわらのぼう)登山口駐車場に到着しました。

ここから登るコースは2016年に崩落したため、2km先の小田越(おだごえ)登山口まで車道を歩かなければなりません。

風が強いのは覚悟していましたが、青空のかけらも見えないので、2時間30分ほど車の中で待ちました。寒いのですがエンジンをかけるのはガソリンの無駄、自分の温暖化のために地球温暖化に手を貸すことはないだろうと、使い捨てカイロを背中に張り出来るだけ厚着をしました。

風が弱くなったようなので歩き始めたのは7時43分でした。青空も広がってきたので足取りが軽くなり、背中の熱いカイロを早く剥がしたいと一層速くなりました。

8時14分に小田越登山口に到着し、カイロを剥がして重ね着していた上着を一枚脱ぎました。

8時24分に歩き始めました。一合目まではオオシラビソの森の中を木道や、整備された登山道を歩きます。

間もなく一合目です。

一合目に着いたのは9時3分でした。ここで腰を下ろして大休止し、バナナ一本と柿の種などを食べました。上の方はまだ雲の中ですが振り返れば青空が広がっていました。

この先の1.9kmが胸突き八丁の正念場です。

歩き始める前に、ここまでに咲いていた花を下山時撮影も含めて紹介します。

ミツバオウレンが沢山咲いていましたが、それが分かるように写すことは難しいです。

濃い色の大きなスミレが沢山咲いており壮観でした。こんなに沢山見たのは初めてです。ミヤマスミレだと思います。

次は見落としそうな小さなウスバスミレですが、何とか見つけることが出来ました。

これも小さなヒメイチゲですが、葉が大きいので探しやすかったです。

これもヒメイチゲかと思いますが、このような葉は初めて見ました。木道の間で日当たりが悪いので葉が進化したのかなとは素人の推理です。

葉があまりにも広いので「山渓ハンデイ図鑑 高山に咲く花」で調べたところ、エゾイチゲ(ヒロハヒメイチゲ、ソウヤイチゲ)ではないかと思いましたが、北海道以外の分布は山形県と宮城県でした。

薄暗い場所で咲いていたオサバグサでしたが、思いがけず上手く撮れました。

朝は閉じていたコミヤカタバミは下山中に写しました。

花柄、顎筒に毛があるのでチシマザクラです。

大休止といっても6分間でしたが小腹も満たされ元気回復し、9時9分に五合目を目指して歩き始めました。

急登を忘れるほど花の撮影に夢中になり、いつの間にか五合目に到着しました。

特徴のある直方体が見えるので間もなく五合目です。

五合目の御金蔵とは金庫のような直方体です。ここは風を避けるのに適しており、腰を下ろして休み寒くないように重ね着しました。この先が強風地帯で、昨年6月は装備が不十分でここで撤退しました。

お目当てのヒメコザクラも咲いていましたので、一合目から五合目までの花を紹介します。

チングルマは雪田に咲くというイメージが強いため、乾燥しがちな岩礫地に生育するのは意外に思われます。

ミヤマキンバイは、他の花に夢中になったため忘れており、下山時に写しました。

鮮やかな黄色のナンブイヌナズナは、北海道の一部とここだけに咲きます。

 

これら黄色の花の陰でひっそり咲いていたのがキバナノコマノツメで、見逃さなくて良かったです。

風に揺れるチシマアマナは何枚も失敗しました。

咲き始めたミヤマシオガマは数が少なかったですがこの色は目立ちます。

ミヤマアズマギクも同様です。

 

ようやくヒメコザクラの登場ですが、上の方ではもっと咲いていました。

五合目から頂上までと下山についてはその②で報告します。

 

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